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花龍洞人の姿を復元し、東アジアの人類が
30万年前に現代人に進化したことを確認

来原:中国科学院古生物学研究所/中国新聞網

翻訳:青山貞一(東京都市大学名誉教授)
 独立系メディア E-wave Tokyo 2021年10月9日

 

写真提供:中国科学院古生物学研究所

本文

 2021年1 0月8日、中国科学院脊椎動物古人類研究所(ICAP)はニュースリリースを発表し、Liu Wu氏とWu Xiujie氏が率いる中国と外国の共同チームが、安徽省東芝県の花龍洞という古代人の遺跡で8年連続の調査・発掘を行い、30万年前の花龍洞人の顔には、上眼窩と頬骨の一部を除いてモザイク状の形態的特徴があることを発見した。

 上眼窩と頬骨の一部が周口、南京、大理、金牛山のものと類似しているほか、顔の特徴のほとんどが初期の現代人と現代人のバリエーションの範囲内にあり、東アジアで現代的な顔の特徴を持つ最古の古代人といえる。

 写真は、花龍洞6号の復元された頭蓋骨の顔である(A:花龍洞6号の化石、B:バーチャル復元頭蓋骨、C:ソリッド復元頭蓋骨、D:彫刻された頭蓋骨、E:復元像)。

写真提供:中国科学院古生物学研究所

公開: 2021-10-09 07:54:09 [編集部: Zhai Lu





以下は別の記事。但し上記の図は同じ

◆安徽省の華龍洞遺跡で発見された東アジア最古の準近代的人々


安徽省東芝県の位置
出典:グーグルマップ


安徽省東芝県の華龍洞遺跡の位置
出典:グーグルマップ

 中国科学院脊椎動物古生物学・古人類学研究所のLiu Wu研究員とWu Xiujie研究員を中心とする中外共同研究チームは、安徽省東芝県の華龍洞遺跡から出土した古代人の顔面骨の化石を調査しました。

 その結果、30万年前に生きていたこの個体は、顔の特徴のほとんどが初期の現代人と現代人のバリエーションの範囲内に収まっており、現代人に近い姿をしていることがわかりました。 このことから、東アジアにおける古代人から現代人への進化は、これまでの認識よりも8~10万年早い30万年前に起こったと考えられます。

 最近の化石の発見やアフリカの古代人の研究では、現代人の出現は315,000年前とされていますが、疑念は残ります。 しかし、遺伝子研究によると、古代型のヒトと現代型のヒトの系統が分離したのは、55万5千年前から76万5千年前の間であることがわかっています。 この矛盾を解決するには、さらなる化石の発掘を待つしかない。


◆第四氷河期の氷期・間氷期と人類の生息 コメント:青山貞一

 以下は青山貞一の第四氷河期とミランコヴィッチ・サイクルについての研究との関連で見た場合だが、今回見つかっ花龍洞人骨が約30万年前頃のものであったわけだが、lこれは以下の第四氷河期の年代区分図における間氷期に相当する。この時代は欧州におけるネアンデルタール人年代に相当するものと考えられ、東アジアでは65万年前あたりの北京原人につづくものと推定される。

 ※注) ネアンデルタール人(学名:Homo neanderthalensis)
  英: Neanderthal(s)、独: Neandertaler)は、約4万年前までユーラシア
  に住んでいた旧人類の絶滅種または亜種である。彼らは、大規模な
  気候変動、病気、またはこれらの要因の組み合わせによって絶滅し
  た可能性が高い。彼らは完全にヨーロッパの初期の現生人類に取っ
  て代わられた。