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中国大陸の人口、2020年に14億1200万人に
増加も「早ければ2022年に減少」の可能性も

Zhang Hui 環球時報 2021年5月11日
 Chinese mainland's population grows to 1.412 billion in 2020,
but likely to ‘decline as early as 2022’

Global Times: 2021-05-11

翻訳:池田こみち Komichi Ikeda(環境総合研究所顧問)
独立系メディア E-wave Tokyo 2021年5月12
日 公開 


出典:グローバルタイムズ(GT)


中華人民共和国の人口推移(人)と前回対比の増加率(%)
本グラフは原典(中国語)よりエクセルで日本語化しています。
原典より池田こみちが作成

本文

 中国の人口発展が重大な転換期に入り、急速な高齢化と人口増加により、5年間続いた増加傾向が間もなく終わるというタイミングで発表された10年に一度の国勢調査の結果によると、中国本土の人口は2019年末の14億人から2020年には14億1200万人に増加した。

 中国の観測筋は、中国の人口が減少しているだけでなく、高齢化が進んで人口構造が悪化していることを明らかにした第7回国勢調査の結果は、中国の人口・経済政策の調整や、今後1、2年で訪れるかもしれない定年退職の先送り計画の重要な参考資料になるだろうと述べている。

 今回の数字は、中国の人口増加が過去に比べて緩やかであることを示している。2010年から2020年にかけて、中国大陸の人口は5.38%増加したが、第6回人口調査の結果によると、2000年から2010年にかけて、中国大陸の人口は12.6億人から13.4億人となり、5.84%増加した。

 中国の人口学者は、中国は2020年に人口増加を報告したものの、一般的な減少傾向は避けられず、早ければ2022年に中国の人口が減少に転じる可能性が高いと述べている。

 独立系の人口学者であるHe Yafu氏は、環球時報に対して、中国が近い将来、少子化に対処するために出生制限を完全に解除することは間違いなく、中国は早ければ今年の秋に開催される中国共産党第19期中央委員会第6回全体会議で、家族計画政策を撤廃する可能性が高いと述べている。

 出生制限を完全に解除しても、中国の総人口の減少を回避したり、中国がもう一つの日本になるのを防ぐには十分ではないと人口統計学者は述べ、中国は複数の子供を産むことを選択したカップルに補助金を出すなど、出産を奨励するためのより多くの方策を打ち出すべきだと指摘している。

 各年齢層の人口数を調べた結果、中国の労働力人口は過去10年間でより急速に減少し、一方で高齢化は深まり続けていることがわかった。

 中国大陸における14歳以下の人口の割合は17.95%で、2010年の国勢調査と比べて1.35ポイント増加した。

 また、15歳から59歳までの人口は8億9400万人で、2010年の国勢調査に比べて6.79ポイント減少した。

 一方、2010年の同年齢層の人口比率は16.6%で、2000年の国勢調査と比べて6.29%減少した。

 最新の国勢調査によると、60歳以上の人口は2010年の1億7760万人から2億6400万人に、65歳以上の人口は2010年の1億1880万人から1億9000万人に増加している。

 また、65歳以上の人口は1億1,880万人から1億9,000万人に増加した。

 中国は、退職年齢の引き上げに向けて、進歩的で柔軟かつ、際だった道を模索している。国家経済・社会発展のための第14次5カ年計画(2021-2025年)」と「2035年までの長期目標」の概要によると、中国は定年の引き上げを少しずつ進めていく。また、さまざまなグループに適合した柔軟な政策を実施し、あらゆる要因を考慮し、全体としての計画を立案する。

 中国国家統計局は、第7回全国人口調査の結果を、従来予定されていた発表時期よりも1ヵ月遅れて火曜日に発表した。

 れは、第7回国勢調査には、第6回国勢調査に比べてより詳細な情報が含まれており、時間を要したためではないかと中国の関係者は述べている。

 前回の第6回国勢調査の主要な数字は2011年4月28日に発表され、詳細で完全な結果は2012年4月に発表された。