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中国のチップ製造業界に
明るい展望を持つ専門家
郭一明(Guo Yiming)氏
劉新 china.org.cn
2021年6月25日
Expert optimistic about China's chipmaking industry
china.org.cn June 25

翻訳:青山貞一 (東京都市大学名誉教授)
 独立系メディア E-wave Tokyo 2021年6月26日 推敲中

 

2021年6月9日、中国東部の江蘇省の省都である南京で開幕した「世界半導体会議・南京国際半導体博覧会」。写真/VCG。

 先進的な28ナノメートル(nm)プロセスが今年末、14ナノメートル(nm)プロセスが来年にはそれぞれ量産に入る見込みであることから、中国国内の半導体チップ製造業界の発展は有望視されていると専門家が予測した。

 中国情報産業発展センター(CCID)の電子情報研究所長であるWen Xiaojun氏は、中国のニュースポータルhuanqiu.comに対し、技術的な課題はあるものの、中国のチップ製造業界には明るい兆しが見えてきたと語っている。

 中国の14nmプロセスは、製造技術、パッケージ技術、主要機器の材料を大幅に改善することで、多くの技術的困難を乗り越えてきた。これは、この特定ノードの技術が来年までに成熟し、量産に入ることを示していると温は説明している。

 「これは、中国が海外のサプライチェーンに完全に依存していたことが終わりを告げようとしていることを意味しています。」

 統計によると、世界の半導体市場は2019年上半期に約2,000億ドルの売上を上げた。そのうち、14nmのチップ製造プロセスは、ハイエンドの家電製品、高速コンピューティング、人工知能、自動車などの分野で広く使用されているため、その売上の65%を占めている。

 14nmプロセス以上であれば、業界のチップ需要のほぼ70%を満たすことができ、12nmノードであれば、ほとんどのミッドエンド5Gチップの要件を満たすことができるため、14nmと12nmのチップ製造用の生産ラインは、半導体業界において重要であると考えられている。

 温家宝は、中国の半導体産業は14nmノードで目覚ましい成果を上げているものの、国内の業界関係者はテクノロジーギャップを埋めるために世界の大手企業に追いつく必要があり、そのためには「より多くの時間、投資、人材を投入する必要がある」と、慎重な楽観論を述べている。

 中国工学院の学識者である倪光南も、5月初めにIoT(インターネット・オブ・シングス)産業に特化したメディアであるweiot.netとのインタビューの中で、他の先進国に追いつくためには、先進的なチップ製造産業の最前線にいることが重要であると述べている。

 倪光南氏は、28nmノードやより先進的な14nmノードにおける新技術のブレークスルーは、中国の半導体産業の士気を高め、新エネルギー自動車や人工知能などの最先端分野の成長を促進すると述べた。

 世界半導体会議は、今年6月9日に中国東部の江蘇省の省都である南京で開幕し、国内外の半導体産業における革新的な技術やアプリケーションが紹介された。

 この会議には、Taiwan Semiconductor Manufacturing Company (TSMC)、Semiconductor Manufacturing International Corporation (SMIC)、Synopsys Inc、Montage Technologyなどの業界トップ企業が参加し、300社を超える出展企業が参加した。

 中国日報(China Daily)の報道によると、第1四半期の世界の半導体製品の販売額は、前年同期比17.8%増の1,231億ドルに達したという統計が出ている。