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GT Voice:リトアニアは「台湾カード」を
公然と使った代償を払うべきだ

 
GT  2021年8月22日
GT Voice: Lithuania must pay price
for openly playing ‘Taiwan card’

GT 20 Aug, 2021

翻訳:池田こみち (環境総合研究所顧問)
 独立系メディア E-wave Tokyo 2021年8月25日
 

2020年4月14日、リトアニアのヴィリニュスで荷降ろし中の「中国郵政」CRエクスプレス第1ブロックの列車。写真はこちら 新華社

本文

 リトアニアは、公然と「一つの中国」の原則を挑発し、中国の主権を損なった代償を払わなければならない。

 リトアニアは最近、台湾島の分離独立派当局が 「台湾」の名で「駐在員事務所」を開設することを許可した。これを受けて、中国は駐リトアニア大使の召還を決定し、リトアニア政府にも要求した。

 中国の国家主権と領土保全を守る確固たる決意と強い意志を誰も過小評価してはならない。

 リトアニア政府が、中国の核心的利益を刺激しても何の代償も払わずに済むと考えるのは妄想である。それは、EUや米国が解決できる問題ではない。リトアニアは、この状況に対する幻想を捨てるべきである。リトアニア政府が誤った決定を直ちに訂正するか、現在の道を歩み続け、その代償が何であるかを国民に明らかにすることが最善の策である。

 実際、両国の経済・貿易協力がリトアニアのサボタージュの矛先を最初に受けるのではないかという憶測がすでに出ている。

 先週、Baltic News Servicesの報道によると、中国鉄道グループの子会社である中国国有鉄道コンテナ輸送会社China Railway Container Transport Coが、リトアニアへの直通貨物列車を停止すると顧客に通知したという。

 この報道は中国鉄道集団によってすぐに否定されが、中国がリトアニアへの直通貨物列車を今後停止するかどうかについては、市場での憶測や懸念が残っており、中国がリトアニアに経済的なペナルティを課すかどうかの重要な指標になると考えられる。

 輸送部門がGDPの約14%を占めるリトアニアは、地域の輸送ハブ、国際物流センターとしての地位確立を目指してきた。このような計画は、中国とEUの鉄道貨物の支援がなければ実現しなかった。

 昨今の輸送コストの高騰を受けて、多くの企業が鉄道による輸送の代替手段を検討し始めた。これは、リトアニアが輸送ハブとしての地位を確立する絶好の機会となるはずだったが、バルト三国は明らかにその機会を逃してしまった。最近の二国間関係に対する妨害行為は、二国間のビジネスの信頼性と信用に深刻な影響を与えている。

 さらに、中国とリトアニアの関係で打撃を受けるのは、鉄道貨物だけではないだろう。

 リトアニアの経済は農業に大きく依存しており、農産品の輸出は対中輸出貿易の3分の1近くを占めている。

 ここ数年、リトアニアの農産物輸出は中国市場に進出している。3月には、中国の税関がリトアニアの牛乳会社20社の中国での登録を承認したばかりだ。しかし、リトアニアが台湾問題で中国を挑発することは、長年かけて中国市場を開拓してきたリトアニアの農家にとって、将来の見通しを不透明にする。

 さらに悪いことに、リトアニアの農家や地元企業は、政府の決定による中国からの逆流に備える必要がある。

 また、リトアニアは、工業生産に必要な原材料や部品の多くを中国から輸入している。信頼性とコスト効率の高い供給源を放棄した結果、国内の生産コストが上昇する可能性がある。

 また、中国の貿易当局は、中国のリトアニアとの輸出入を慎重に検討し、リトアニアとの関係を断ち切る計画を立てることを提案する。リトアニアは、中国が非常に需要の高い製品や商品に対しても断固とした行動を取りたがらないという妄想を抱いてはならない。中国は、核心的な利益のためには決して引き下がらない。

 リトアニア政府の一部が、台湾問題で中国を執拗に挑発して米国に味方しても何の影響もないと考えているなら、彼らの行動の現実的な結果はそうではないことを示しているかもしれない。