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根津記念館短訪1
はじめに
(山梨県山梨市)

青山貞一 Teiichi Aoyama・池田こみち Komichi Ikeda
独立系メディア E-wave Tokyo
 2022-5-15


根津記念館(山梨市)
写真:青山貞一 Nikon Coolpix S9900


はじめに  施設案内  常設展示  特別企画  旧主屋  茶室  庭園


はじめに

 鉄道王の異名を持つ実業家、初代根津嘉一郎の実家を保存・活用する施設として2008年(平成20年)10月に開館した。

 2003年(平成15年)、この建物及び敷地を所有してきた根津家の子孫より「後世の人々の育成に役立てて欲しい」と山梨市に寄贈され、それまで非公開であった根津邸の歴史的建造物(長屋門・主屋・土蔵)、それに加え残されていた設計図により復元した青山荘と茶室、並びに常設展示棟などを整備し公開した。

 敷地面積は約6,700m2。富士山、 御坂山地を借景とした庭園を流れる小川には夏期、ホタルが飛び交い周辺住民の憩いの場にもなっている。

 常設展示では初代根津嘉一郎の生涯をパネルで紹介し、彼が山梨県下の小学校に寄贈した根津ピアノをはじめ、甲州財閥に関する様々な資料が展示されている。


根津記念館(山梨市)入り口近くに立つ池田こみち
写真:青山貞一 Nikon Coolpix S9900


入館料

 記念館への入館料は大人1人300円。火曜日が定休。
 
アクセス

 以下の地図にあるように、記念館はJR中央本線の山梨市駅と春日居町駅の丁度中間にあり、山梨市駅から徒歩25分、タクシー5分、また春日居町駅から徒歩20分の位置にある。

 私達は東京から中央高速で記念館に直行し、記念館のすぐ裏手に無料の駐車場があったので、それを利用した。

 根津記念館の住所 〒405-0032 山梨県山梨市正徳寺296


根津記念館へのアクセス
出典:グーグルマップ
 
 自動車で来る場合の詳細案内


根津記念館の駐車場
出典:グーグルマップ



入口


根津記念館(山梨市)入口前の池田こみち
写真:青山貞一 Nikon Coolpix S9900


根津嘉一郎について

 根津嘉一郎氏は 万延元年(1860)6月15日甲斐国山梨郡正徳寺村(現山梨県山梨市)の農家に生まれる。東山梨郡役所の書記、後に村会議員、村長を歴任。明治30年代には東京へ進出。

 東京では若尾逸平や雨宮敬次郎と知り合い、甲州財閥を形成。明治38年(1905)には東武鉄道の社長に就任し、経営再建を行う。

 資本関係を持った鉄道会社は24社に及び、多くの会社において社長などに就任した。「社会から得た利益は社会に還元する義務がある」という信念のもと、教育事業も手がけ、大正11年(1922)には旧制武蔵高等学校を創立する。

 特に山梨県下の全小学校へ200台にものぼるピアノ(後に根津ピアノと呼ばれる)やミシンの寄贈、また地元平等小学校の建築など、山梨県の教育文化振興に寄与した。


根津ピアノ
写真:青山貞一 Nikon Coolpix S9900

 嘉一郎亡き後、東京青山の自邸に設立されたのが「根津美術館」です。

 山梨市名誉市民。


根津記念館について

 根津記念館は近代日本を代表する事業家の根津嘉一郎翁の実家を保存、活用する施設です。

 記念館の敷地は約6,700㎡、そこに国の登録有形文化財である長屋門、旧主屋、土蔵など昭和初期の建造物があり、それに加えて設計図により復原した青山荘と茶室、それらすべてが和風建築の粋をこらしたものであります。

 そして富士山を借景にした庭には池と美事な黒松(大磯の松)があり、根津嘉一郎翁の気概を象徴しています。

 純粋な和風の空間に身をおくことによって日本文化を愛してやまなかった根津翁ゆかりの芸術、文化の世界をお楽しみ下さい。
 (平成20年10月オープン)


根津嘉一郎と五島慶太

 根津嘉一郎氏を記念した根津記念館だが、「鉄道王」と呼ばれた初代根津嘉一郎の実家「根津家」の邸宅を保存・公開する施設である。

 嘉一郎氏は東武鉄道の社長など鉄道会社24社、その他多くの会社経営にかかわった実業家である。
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 訪問してみてわかったのですが、根津氏は青山が10年間教授をつとめた東京都市大学(旧、武蔵工業大学)を創設した五島慶太氏と非常によく似た経歴、実績をお持ちである。ちなみに、五島慶太は長野県青木村の出身。
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 五島慶太氏も鉄道王(東京急行)はじめ多くの東急グループをつくり、歴史文化や教育にも非常に精通し、知識と見識をもっていた。

 その意味で、青山は根津氏と五島氏を比較しながら、記念館を視察した。ちなみに根津氏は武蔵大学を五島氏は武蔵工業大学(現、東京都市大学) を創建し、根津氏は東京青山の根津美術館、五島氏は東京世田谷く等々力の五島美術館を創設している。
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 さらに池田宗蹊(池田こみち)の茶道との関連でも、ともに茶道や茶室などに造詣が深いなど、実業家であるとともに、歴史文化にも深い造詣をもっている。
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根津記念館(山梨市)外壁
写真:青山貞一 Nikon Coolpix S9900


その2へ続く