エントランスへはここをクリック       池田こみち冒頭解説

この不平等な世界、億万長者による
宇宙開発競争は必要ない。ベゾスとブランソン
を月への片道切符で送りたい

 冒頭解説

池田こみち
(環境総合研究所顧問)
 
独立系メディア E-wave Tokyo 2021年7月8日
 


みなさま

 池田こみち・青山貞一です。

 明日の独立系メディア E-wave Tokyoの第一報は、「この不平等な世界、億万長者による宇宙開発競争は必要ない。ベゾスとブランソンを月への片道切符で送りたい RT Op-ed」です。

 RTのOp-Edはいつも鋭い切り口とウィットに富んでいます。今回紹介するのはイギリス人の社会学者リサ・マッケンジー氏の意見です。

「この不平等な世界に、億万長者による宇宙開発競争は必要ない。ベソスとブランソンを月への片道切符で送りたい!」というタイトルからも分かるように、このコロナ禍の続く社会で、多くの一般市民が感じる超金持ちの言動への違和感、現実離れした一種の自己満足に抱く感情を素直にはき出したという感じの一文です。

 つい先頃までAmazonのCEOを務めていたジェフ・ベソスにしても、国営航空会社ブリティッシュ・エアウェーズ(BA)を相手取って航空業界を席巻したリチャード・ブランソン卿にしても、創業当初は、その手腕、チャレンジが世間の喝采を浴び賞賛されたのだが、ここまで会社が肥大化し利益や資産は途上国の国家予算を超えるような規模にまでなると、世の中の反応も変わってくるのは当然です。

 社会の格差が拡大してひずみが大きくなり、ついに宇宙に行くとなると、さすがに一般社会からは“浮いた感”のあるこうした「プライベート宇宙旅行」といった所行には羨ましいとか、素晴らしいとう感情よりリサが指摘するような「何はしゃいでばかやっているのか。勝手にやってろ!」的な見方も少なからずあるでしょう。

 自分たちが独自の技術や儲かるビジネスモデルを開発してどれほど稼ごうと大きなお世話で、他人からとやかく言われる筋はないし、リサに「月に行きたきゃ行ったっきり戻ってくるな!」的な言われ方までするのはどうなのか、と言う人も居るかも知れません。

 ただ、こうした市民の感情を代弁者のようにウィットとユーモアのセンスでずばっと書いてしまう彼女の「感覚」には共感する。そうした感情や意見を言える社会、頷ける社会こそまともな社会ではないでしょうか。最後に引用しているギル・スコット・ヘロンの歌
詞「Whitey On The Moon」は実に皮肉が効いています。改めて、フルリリック(歌詞全体)を調べて読み直してみました。

池田こみち



◆新自由主義下の資本主義で成り上がり者は宇宙旅行
 をしたがる

この不平等な世界、億万長者による宇宙開発競争は必要ない。ベゾスとブランソンを月への片道切符で送りたい RT Op-ed

Our unequal world does not need a billionaire space race. I’d send Bezos & Branson on a one-way ticket to the Moon RT Op-ed