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コソボ、セルビア人襲撃を計画-ベオグラード
Kosovo planning to attack Serbs – Belgrade
Aleksandar Vucic has urged Pristina and Western powers to
avoid conflict, but vowed to use force if Serbs are persecuted

RT War in Ukraine- #1224 30 July 2022


翻訳:青山貞一(東京都市大学名誉教授)
独立系メディア E-wave Tokyo 2022年8月1日



セルビアのアレクサンダル・ヴチッチ大統領、2022年7月31日 © Serbian Presidency/Dimitrije Goll

リード文

  アレクサンダル・ヴチッチ氏は、プリシュティナと西側諸国に紛争を回避するよう求めたが、セルビア人が迫害された場合は武力行使することを誓った。コソボ、セルビア人への攻撃を計画中 - ベオグラード


本文

 セルビアのアレクサンダル・ヴチッチ(Vucic)大統領は日曜日、コソボのアルバニア人政府が地元のセルビア人への弾圧を計画していると非難した。同大統領は、離脱した同州の平和を訴える一方で、セルビア人が再び虐殺の標的になれば、ベオグラードは黙って見てはいられないと付け加えた。

 プリシュティナの「政権」は、「北コソボ・メトヒヤの人々に、彼らが課す権利のないものを課そうとしている」と、同州のセルビア語の名称を使って述べた。さらに、セルビア人との行政境界線にコソボ警察が配備され、深夜からセルビア人の書類やナンバープレートを没収するようになったという。

 ヴチッチは日曜日にベオグラードで、「雰囲気はヒートアップしており、セルビア人はこれ以上残虐行為に苦しむことはないだろう」と述べた。

 「私は皆に、ほとんどどんな犠牲を払ってでも平和を維持しようと懇願している。アルバニア人には正気を取り戻し、セルビア人には挑発に乗らないようお願いしているが、いわゆるコソボの独立を認めている強力で大きな国の代表者にも、国際法と現地の現実に少しは注意を払い、彼らの配下に紛争を起こさせないようお願いしたい」。

 ヴチッチのコメントは、プリシュティナが月曜日から、紛争地域に住むセルビア人に対し、セルビア発行の車両登録をコソボナンバーに変更することを義務付ける、物議をかもす法律の実施準備を進めているときに出た。

 コソボはまた、身分証明書などセルビア人発行の他の種類の文書の交換を要求する可能性があり、セルビア人発行の文書やナンバープレートを持つ旅行者の入国を禁止したり、一時的に書類を発行したりする新たな試みをすることになりそうだ。

 2004年に起こったように、アルバニア人が残りのセルビア人を再び虐殺するために集まっているという報告の中で、日曜日には州の北部全域で教会の鐘が鳴り響き、警戒を強めている。

 セルビア大統領は先月、この登録政策は残存するセルビア人をコソボから強制的に追い出すための努力の一環であると主張した。彼はこの動きを、ほとんどのセルビア人をクロアチアから脱出させた1995年のクロアチア軍事作戦になぞらえて、「新たな嵐」と呼んだ。

 セルビアのニコラ・セラコビッチ外相は土曜日、記者団に対し、「コソボとメトヒヤのアルバニア側は、文字通りセルビア人に地獄を見せる準備をしている」と語った。

 アルバニア人であるコソボのアルビン・クルティ首相は、非セルビア文書への移行は、すべての市民に等しく「法と正義」を適用する以上のものではないと否定している。

 クルティ首相はビデオメッセージで、自らの政府を「民主的で進歩的であり、法と立憲主義、平和と安全を愛し、尊重し、実施するものであり、すべての市民と共通の国全体のためにある」と呼び、ベオグラードの「誤報」に引っかからず、自分の政府を信じてほしいと呼び掛けた。

 ブチッチ氏は、アルバニア人統一を唱える民族主義者のクルティ氏が昨年首相に就任して以来、コソボに住むセルビア人に対する「挑発行為」が増えていると主張してきた。アルバニア人によるセルビア人の墓地や正教会への攻撃など、こうした事件の数は50%急増したと、同氏は日曜日に記者団に語った。

 「私たちは紛争も戦争も望んでいない」とヴチッチは演説した。「私たちは平和のために祈り、平和を求めるだろう。セルビアは勝利する。もし彼らがセルビア人を迫害し、嫌がらせをし、殺し始める勇気があるなら、セルビアは勝つだろう"。

 またヴチッチ氏は、プリシュティナがウクライナ危機を利用して、クルティがコソボ版ウラジミール・ゼレンスキー大統領として同情的に描かれ、セルビア人がロシアとプーチン大統領に扮した紛争を引き起こそうとしていると推測している。

NATOは、当時のユーゴスラビアに対する78日間の空戦の後、1999年にコソボを占領した。2008年、欧米の支援を受け、コソボは独立を宣言した。米国とその同盟国の大半はこれを承認しているが、セルビア、ロシア、中国、国連は一般に承認していない。