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ブラジル選挙,ルーラ氏
ボルソナロ氏を破る

Lula defeats Bolsonaro in Brazilian election
RT War in Ukraine #1827 30 Oct 2022


翻訳・青山貞一(東京都市大学名誉教授)
独立系メディア E-wave Tokyo 2022年10月31

大統領選の決選投票で勝利し、支持者に向けてスピーチをするブラジル次期大統領ルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバ氏。© AFP / Caio Guatelli

本文

 ブラジル大統領選の決選投票で、ルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバ前大統領が、右派のライバル、ジャイル・ボルソナロ氏を破り、勝利を収めた。同国の選挙管理委員会は、ルーラ氏の得票率が50,90%で、ボルソナロ氏の49.10%と僅差で勝利したと発表した。

 「これは私や労働者党の勝利ではない...。これは私や労働者党の勝利ではなく、政党や個人の利益、イデオロギーを超えて形成された民主主義運動の勝利であり、民主主義は勝利を収めた」と、ルーラは日曜日の夜、サンパウロの支持者たちの歓声に答えて語った。

 次期大統領は、このような厳しいレースの後、彼の将来の権限に対する挑戦は「計り知れない」と認め、「この国の魂そのものを再構築し、寛大さ、連帯、相違への敬意、他人への愛を回復することが必要だ」と強調した。

 2023年1月1日に就任予定のルーラ氏は、自分に投票した人だけでなく、2億1500万人のブラジル人全員のための大統領になることを約束した。「2つのブラジルは存在しない。我々は1つの国、1つの国民、偉大な国家である。"

 ボルソナロはまだ公に敗北を認めていない。現職は選挙期間中、僅差で敗れた場合は結果を争うと繰り返し警告しており、ブラジルの電子投票システムの信頼性が疑問視されている。

 現地時間午後5時(日本時間午後8時)に全国で投票が締め切られた後、最初の結果ではボルソナロ氏が優勢となった。しかし、第1回と同様、ダシルバ氏の牙城の票が増えるにつれ、ボルソナロ氏のリードはやがて狭まっていった。10月2日の第1回投票では、ダ・シルバ氏の得票率は48%を超えていたが、即座に勝利を宣言するには至らなかった。

 ルーラ・ダシルバ氏はブラジル労働党の代表として、社会的不平等の克服と貧困の緩和を選挙戦の中心に据えている。富裕層への増税、社会的セーフティネットの拡充、最低賃金の引き上げなどを打ち出している。

 ボルソナロ氏の選挙スローガンは「神、家族、祖国、そして自由」だ。ブラジルの将来像としては、国営石油会社の民営化、アマゾン地域での採掘の拡大、銃規制の緩和などを掲げている。

 この対決に至るまで、両者は選挙イベントで何度も侮辱の応酬を繰り返した。10月17日のテレビ討論会で、ルーラはボルソナロを「小さな小さな独裁者」と呼び、自由と民主主義を守ると公約した。現職は、ルーラ労働党(PT)政権時代の汚職事件を理由に、ルーラを「国の恥さらし」と反撃した。