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ゼレンスキー:
ネタニヤフ首相補佐官から
広報のコンサルテーショ
ンを受けたと報道される

Ukraine's Zelensky Reportedly Received
PR Consultations From Netanyahu's Advisers

RT War in Ukraine - #767 May 4 2022

翻訳:池田こみち(E-wave Tokyo挙動代表)
独立系メディア E-wave Tokyo 2022年5月4日


© AP通信写真/エフレム・ルカツキー

執筆者:キリール・クレヴレフ 特派員
 モスクワを拠点とするスプートニク・ニュースの特派員。モスクワ国立大学で> 外交と国際関係を学び、国際広報の修士号を取得した。専門はソビエト後の世界 と米国の外交政策。


リード文

 ゼレンスキー氏は、ビデオや遠隔地での演説を通じて、世界の指導者や一般の人々に自国への支援を呼びかけている。しかし、ギリシャ議会での演説にアゾフ大隊のネオナチを連れてきたように、彼の努力は時に反発を招いている。

本文

 ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領はここ数週間、イスラエルの元首相で野党指導者のベンジャミン・ネタニヤフの下で働いた広報コンサルタントからメディア戦略のアドバイスを受けていると、ニュースサイト「ワラ!(Walla! )」が27日に報じた。

 それによると、直近の選挙でネタニヤフ首相のリクード党の上級コンサルタントだったスルリク・アインホーン氏がゼレンスキー氏に助言を行ったという。ゼレンスキー氏はまた、ネタニヤフ首相の上級補佐官で、現在も前首相の報道官を務めるジョナタン・ウリッチとも話したとされる。

 アインホーンとウリッチは、同じくネタニヤフ首相の側近であるオーファー・ゴランとともに、現在、戦略コンサルタント会社Perception.mediaに勤務している。同社は自らを「イスラエル国内外の民間および公的セクターにおける重要かつ創造的な対処法を主導するリーダー」と称している。3月下旬、アインホーンは自国を代表するゼレンスキーのメディア活動を賞賛し、ウクライナ大統領のメディア戦略を詳述した論説をThe Jerusalem Postに寄稿している。

「ウクライナは軍隊は弱いが、ソーシャルネットワークは強い」

 当時、アインホーンは「ソーシャルメディアでは、ゼレンスキーはすでに勝っている」と題した記事で、ロシアが莫大な制裁圧力によって特別軍事作戦を中止するか、最終的に「キエフを圧倒」するかは世界にはわからないが、「ウクライナが行ったソーシャルメディアキャンペーンは、ここ数十年で各国が組織した最も素晴らしいキャンペーンの1つ」だと確信している、と述べている。

 「ウクライナ人は、一方的というより複雑な政治状況を利用して、西側諸国の世論を一挙に動員することに成功した」とも指摘している。「ウクライナがなんとか生き残るとしたら、それは影響力のあるキャンペーンのおかげにほかならない。」と。

 PRアドバイザーによると、ゼレンスキーは「広報、コメディ、テレビなどのバックグラウンドが幸いして、2つの賢明な戦略的判断を下した」のだという。つまり、彼はまず、「ウクライナを弱い側として描く」ことから始めたのだ。

 「昔は、強いことが有利とされていた。しかし、今はソーシャルメディアのおかげで、権力は弱者の手に渡ってしまった。」と解説した。

 次に、ゼレンスキーはロシアとの合意交渉に努力しなかったとされ、その代わりに、ウクライナを「貧しく弱い存在」として描き続けた、という。

 さらにアインホルンは、ゼレンスキーが多くの発言の中で、ウクライナはNATOに歓迎されていないと認めた後、NATOについて言及しなくなったと指摘する。その代わりに、彼は「弱いものは奪われ、受け入れられないが、援助を必要とする」という西側の心情につけ込んだと言われている。また、ウクライナ危機という複雑な問題とその背景には、「我々」か「彼ら」か、「白か黒か」があると、欧米諸国を急速に説得していったのだ。

 アインホルム氏は、欧米のテレビにウクライナの軍人が映らないことを指摘した。そのことは、ウクライナには軍隊があり、彼らも暴力を使っていることを考えると、西側の視聴者にとっては、彼らはまだ「完全に見えていない=アンダー・ザ・レーダー」のである。西側には「ゼレンスキーと民間人」しか見えていない、と指摘した。

 「西側諸国はウクライナに興奮している。ゼレンスキーは、西側世界のソフトパワーと感情という手段を認識し、それを最大限に活用してロシアに圧力と制裁を加えているのである。それがなければ、彼はあっという間に敗北していただろう。ウクライナは軍隊は弱いが、ソーシャルネットワークは強い。」とアインホルンは結論づけた。

 例えば、先月、ゼレンスキーはハッシュタグ#ArmUkraineNowでソーシャルメディアキャンペーンを開始し、各国にウクライナへの武器納入を強化するよう圧力をかけている。

 同月、ゼレンスキーは、西側諸国がウクライナに重火器を供給することをより強く求める一環として、米国政府高官と会談した。ゼレンスキー大統領は、ウクライナ東部のドンバス地区でのロシアの作戦に対抗するため、より多くの武器を要求している。

 西側諸国はウクライナに軍用機器を提供しているが、ゼレンスキー氏は、ウクライナにはジェット戦闘機だけでなく長距離防空システムも必要だと繰り返し発言している。

 しかし、ゼレンスキー氏の広報活動には時折重大な誤りがある。先月、ウクライナ指導者の招きで、今ではウクライナの国家の警備の一翼を担うネオナチのアゾフ大隊に所属するギリシャ人たちがギリシャ国会の前に姿を現したときだ。

 彼らの演説は、ギリシャで国民の怒りを買った。そして今週、同国のアゾフ大隊や極右グループの状況についてコメントしたゼレンスキー氏は、彼らに非常に「感謝している」と述べ、ネオナチの訴えやスローガンはあくまで彼ら自身の問題であると示唆し、同国には「ほとんど」過激派が存在しないことを付け加えた。