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欧州で給付金失うウクライナ人難民
来月で期限切れの支援制度も

Ukrainian refugees losing benefits in Europe
Some of the support programs are expiring next month

RT War in Ukraine-#888 May 28 2022

RT War in Ukraine - 翻訳・青山貞一(東京都市大学名誉教授)
独立系メディア E-wave Tokyo 2022年5月29日

FILE PHOTO ウクライナ難民113人を乗せたモルドバ発の飛行機で、警察官が乗客登録を行う。©Roberto Pfeil / dpa via Global Look Press

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 2月下旬、ロシアが自国に対して攻撃を開始した後、何百万人ものウクライナ人が西へと押し寄せた。当初、欧州諸国は両手を広げて歓迎していたが、現在では支援が縮小している。少なくとも受け入れ国が提供する利益に関しては、そうである。

 欧州諸国は現在、ウクライナ難民にどれだけの費用をかけるかを決定しており、最初の数週間に提供された無料サービスのいくつかは期限切れを迎えようとしている。

タダ乗りはもうしない

 来月から、ドイツの鉄道会社Deutsche Bahnは、ウクライナのパスポートを所持している人に無料チケットを提供しなくなった。3月、独占鉄道会社は、ベルリン、ドレスデン、ニュルンベルク、ミュンヘンといったドイツの主要都市に向かうウクライナのパスポート所持者に無料乗り継ぎを提供していた。また、希望者には無料の「ヘルプクライン・チケット」を発行した。

 新規入国者にはこれまで通り無料乗車券が提供されるが、無料乗車券は廃止される予定だ。ドイツ政府によると、困窮しているウクライナ人は6月から社会手当を受け取ることになるので、公共交通機関の月9ユーロ(9.65ドル)の共通チケットを購入できるため、プログラムの終了によって彼らの移動が制限されることはあまりないとのことだ。

 ドイツは、ウクライナ人向けの無料チケットの廃止を決定したいくつかのヨーロッパ諸国のひとつに過ぎない。ブルガリア、チェコ共和国、ポーランド、スイスも同様の決定を下している。ポーランドは、高齢の男性、女性、障害者など、弱い立場のウクライナ人のために、一部の列車の無料乗車券を維持する。

ホテルの立ち退き

 人気の観光地では、海辺のホテルに宿泊させていた数千人のウクライナ人難民を追い出す計画があると報じられている。

 スペインでは、観光シーズンが始まると、数カ月前に予約した有料旅行者の宿泊のために、現在難民が住んでいる部屋を空ける必要がある。エルパイス紙によると、1万2千人もの人々が立ち退きを迫られている。

 ラジオ・ブルガリアによると、ブルガリアでも状況は同じで、来月から人気のリゾート地サニービーチの3つのホテルだけが、ウクライナ難民を受け入れることになるという。

 約38,000人が5月末までに仮設住宅から退去するよう要請された。

生活保護削減

 受け入れ国の中には、難民に支払う現金の援助も減らしているところがある。ブルガリアでは、1日当たりの支給額が1人あたり約22ドルから来月には8ドルに下がる。

 チェコ共和国は、ウクライナ人に5カ月間、問答無用で支払われる月217ドルの生活保護を廃止する。

 政府は、最初の月の支払いから無料の住居費を差し引き、それ以降の月は受給者に必要性の証明を要求することになる。チェコ当局は、ウクライナ人に仕事を見つけるか、給付金を失うリスクを負うよう促している。

給付金が引き金となった犯罪  

 ウクライナ人難民が欧州諸国で受けている支援が、彼らを地域の犯罪に巻き込むケースもある。ブルガリア警察幹部のスタニミール・スタネフ氏は今週、同国議会への報告で、ウクライナから来た車がナンバープレートに興味を持つ窃盗団に狙われていることを明らかにした。

 政府が難民から通行料や駐車料金を徴収しないことを決めたため、一部の悪党はこれを利用して、盗んだウクライナのナンバープレートにすり替えている、とスタネフ氏は述べた。