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メルケル元首相
自身の政策がウクライナにロシアと
紛争に備える時間を与えたと主張

Merkel defends her Ukraine policy
Germany's ex-chancellor claimed her policies bought time
for Ukraine to prepare for conflict with Russia

RT War in Ukraine- #966 June 8 2022

翻訳・池田こみち(E-wave Tokyo 共同代表)
独立系メディア E-wave Tokyo 2022年6月8日

2022年6月7日、ドイツ・ベルリンのベルリン・アンサンブルでジャーナリストで作家のアレクサンダー・オサング氏の質問に答えるドイツのアンゲラ・メルケル前首相 © Fabian Sommer / dpa via AP

本文

 ドイツのアンゲラ・メルケル前首相は、2008年にウクライナのNATO加盟を阻止するよう求めた自身の政策を再び擁護し、モスクワはこの動きを公然の「宣戦布告」と受け止めただろうと主張した。

 火曜日(7日)にベルリン劇場のステージで、彼女はまた、2014年にドイツが仲介して失敗した和平イニシアチブによって、キーウはロシアに立ち向かうために政治的・軍事的準備をする時間を「与えられた」と主張した。

 メルケル首相は、昨年の退陣後初めて公の場に登場し、「努力が足りなかったと自分を責める必要はない。」と述べた。「外交がうまくいかなかったからといって、外交が間違っているわけではないのです。」と。

 2008年、アメリカ主導の軍事圏(NATOを指す)はブカレスト首脳宣言を出し、グルジアとウクライナの両国にいずれ加盟してもらうことに合意した。しかし、フランスとドイツの反対で、実際には実行に移せなかった。

 「私の評価は極めて明確で、もし加盟行動計画があの時に戻っていたら、(ウクライナ紛争は)もっと早く起きていただろう。」とメルケル前首相は語り、「当時、ウクライナはオリガルヒが支配する国だったので、そこで『わかった。明日NATOに入れよう』とは言えないのです。」と付け加えている。

 2014年のキーウでのクーデター後、メルケル政権はフランスと並んで、ウクライナ国家内のドネツク州とルガンスク州の地位を正すために締結したミンスク協定の保証人となった。

 2016年には、いわゆるシュタインマイヤー・フォーミュラ※が締結され、その下で離脱州はウクライナの法律とOSCEの監督の下で選挙を行い、そこで特別自治の地位を得て、国境の管理をキエフに返還することになっていたのだ。

※注)シュタインマイヤー・フォーミュラ(Steinmeier Formula or Format)
 「シュタインマイヤー・方程式 or 方式」とは独元外相で、現独連邦大統領(2019年10月時点)のフランク=ヴァルター・シュタインマイアー氏がミンスク合意の実現順序について行った提案で、特にドンバスの特別地位の導入および恩赦、キーウ当局の支配の及ばぬ領域における選挙の実施をどうするかが記されている。提案自体は2015年10月、「ノルマンディー4者」の代表らの集まる席で行われていた。

 「シュタインマイヤー・方程式 or 方式」が提唱するのは、ウクライナ東部ドネツク州、ルガンスク州でキーウ政権の管轄が及ばぬ地域での選挙実施の当日は、これらの領域の特別地位に関する法律を一時的に発効させるというもの。ただし欧州安全保障協力機構(OSCE)と国際監視団が選挙の成立を認めた後は、この法律は恒常的に機能する。その後、今まで両州を実効支配してきた当局は、ロシアとウクライナとの国境コントロール権をキーウ当局へと引き渡す。
出典:Sputnik 日本 


・ウクライナが「シュタインマイヤー・フォーマット」を承認 これは何を示す
のか 2019年10月2日, 22:18 (更新: 2022年4月27日, 22:44)
https://jp.sputniknews.com/20191002/6722062.html

 メルケル首相は、「この合意は、国連安全保障理事会の決議に組み込まれ、国
際法としての性格を持つものだ。」と述べた。

   この合意により、ウクライナは7年間という長い時間をかけて、
   現在のような国へと発展することができた。

 キーウが和平イニシアチブの条件を履行しないことを理由に、モスクワは最終的にドネツクとルガンスクを独立国家として承認し、2月24日にウクライナに軍隊を送り込んだ。ロシアは現在、ウクライナが正式に中立国であることを宣言し、NATOの軍事ブロックに決して加わらないことを要求している。キーウは、ロシアの攻撃は完全に言われないものであると主張し、武力による2つの共和国の奪還を計画しているとの主張を否定している。

 メルケル前首相は、この攻撃を 「ロシアの大きな過ち」、「国際法を無視した残忍な攻撃」と非難している。彼女は、ロシアのプーチン大統領が「ヨーロッパを破壊」しようとしていると非難し、プーチンとの交流において決して甘くはなかったと主張し、強さは彼が理解する「唯一の言語」であると主張した。

 メルケル首相は、「EUは今、結束することが非常に重要だ」と付け加えたが、それでも、ロシアや中国のような国は孤立させたり、「無視」するには大きすぎるため、「あらゆる違いを超えて共存する道を探す必要性」を強調した。

追加注)シュタインマイヤー・フォーミュラ
 「シュタインマイヤー・フォーミュラ」と呼ばれる文書は、以下の内容となっている。

 「この法律は、ドネツィク・ルハンシク両州一部地域繰り上げ地方選挙を規定するウクライナ憲法とウクライナ特別法により定められ、それらにより実施されるドネツィク・ルハンシク両州一部地域における繰り上げ地方選挙の投票日午後8時に発効する。

 同法は、OSCE民主制度・人権事務所(ODIHR)の確立した慣例を基本とし、繰り上げ地方選挙がOSCEの基準、民主的選挙の国際基準、及び、ノルマンディ・フォーマットで合意され、三者コンタクト・グループにて確定され、ウクライナにより招待状にて、またOSCE現行議長により、ODIHR所長にて送付される問題への対応が含まれたウクライナ国内法に全体として合致していたかを監視する、OSCE/ODIHRによる選挙監視団の総括報告書の発表までは暫定的な効力を持つ。

 この法律は、OSCE/ODIHRが総括報告書にて、ODIHRの確立した慣例に合致して、ドネツィク・ルハンシク両州一部地域繰り上げ地方選挙が全体としてOSCE基準と、ノルマンディ・フォーマットで合意され、三者コンタクト・グループにて確定され、ウクライナにより招待状にて、またOSCE現行議長により、ODIHR所長にて送付される問題への対応が含まれたウクライナ国内法に全体として合致していたとの結論が出された場合、恒常的に効力を持つ。」

(中略)

 また、クチマ代表の署名の入った書簡は、サイディックTCG・OSCE特別代表宛となっており、同書簡には、ウクライナ側はこのフォーミュラのテキストを受け入れると書いてある。

 なお、これまでの報道にあるように、2019年10月1日、ヴォロディーミル・ゼレンシキー大統領が、記者会見にて、ウクライナは「シュタインマイヤー・フォーミュラ」のテキストに同意するとの返答をマーティン・サイディックTCG・OSCE特別代表に伝えたと発表した。
出典:【シュタインマイヤー・フォーミュラ】クチマ協議グループ宇代表署名入
りの同意書簡公開02.10.2019 14:11