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米オハイオ州列車脱線事故後、
東パレスティーンの住民は
「化学気管支炎」に苦しん
でいると報告されている

East Palestine Residents Reportedly Suffering From
‘Chemical Bronchitis’ After Train Derailment

筆者:Ilya Tsukanov,  Sputnik International
 
US Ohio Train Derailment #009 1 March 2023


翻訳:池田こみち(
Komichi Ikeda; E-wave Tokyo
独立系メディア E-wave Tokyo 2023年3月2日

© AP写真/ジーンJ.パスカー

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 オハイオ州の約4,750人の町の住民は、2月3日のノーフォーク・サザン脱線事故後、当局が主張する破滅的な爆発を避けるために、大気中への毒物の「制御放出」が行われた後、家に入ることが許された。地元の人々は、動物や地元の野生動物の死を目の当たりにした後、将来の健康への影響を危惧している。

 オハイオ州イーストパレスチンとその周辺地域の人々を治療している医療従事者は、懸念される症状のパターンを報告している。化学気管支炎(産業気管支炎)とは、肺に空気を送り込む気管支の内壁が、化学物質のガスや酸、粉塵に長期間さらされることによって起こる炎症のことである、と彼らは言っているのだ。

 オハイオ州コロンビアーナにある緊急医療ケア(QUICKmed Urgent Care)の職員によると、患者が呼吸時の灼熱感、不可解な発疹、全身倦怠感を訴えて来院しているという報告を受けた。

 患者の中には、長時間家にいると症状が強まるという人もいるという。「これはいろいろなことが考えられますが、もしあなたが家を出ていて(症状が)改善し、戻ってそれが再発した場合、私はそれがアレルギーだとは思いませんし、風邪だとも思いません。」と、QUICKmedの家庭医であるDeborah Weeseは言った。

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 「現実を直視しましょう:もしそうなったら、将来、私たちの知らないところで吸い込んでいる化学物質のせいで何か起こるかもしれません。ですから、症状をすべて記録することが重要です。」と医師は強調した。

 オハイオ州のシェロッド・ブラウン上院議員とJ.D.バンス上院議員は、2月3日の災害と、その後の塩化ビニルを含む発ガン性化学物質のいわゆる「管理焼却」の影響を受けた住民のための「基礎的」健康検査サービスの提供を要求する共同声明文を月曜日に書き送った。
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 イースト・パレスチナの住民とその周辺地域は、この災害によって現在そして将来にわたって健康が損なわれていないかどうかを知る権利がある。」とブラウンとバンスは書簡で述べている。

 ペンシルバニアとの国境にあるオハイオ州の小さなコミュニティの住民は、息切れ、激しい頭痛、めまい、咳、奇妙な発疹など様々な症状を報告し、数週間を過ごしてきた。また、ペットや家畜の死も報告され、地元の小川の岸辺に打ち上げられた何百匹もの死んだ魚の目撃談もある。

 先週、オハイオ州天然資源局は、脱線事故以来、地域とその周辺で43,000匹以上の動物が死亡したと推定しており、そのほとんどが魚、ザリガニ、両生類であるとしている。

 しかし、地元や連邦政府関係者、鉄道会社は、安全であると主張している。


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 モスクワ(スプートニク) - 米メディアは27日、情報筋の話として、共和党が支配する米下院の複数の委員会が、オハイオ州の有毒列車脱線事故について調査を開始する予定だと報じた。


<写真:現場の残骸> © AP Photo / Matt Freed

 共和党は、バイデン政権の列車事故への対応の不備とされる点を調査するために、議会が提供する監督権限を行使するつもりだと、情報筋は述べた。

 共和党による事故調査の要求が強まっているのは、ジョー・バイデン大統領が事故現場を訪問していないことを複数の議員が批判しているためだという。

 2月3日、オハイオ州イーストパレスティンでノーフォークサザン社の危険物を積んだ20両編成の列車が脱線した。脱線により大火災が発生し、当局は破滅的な爆発を避けるため、5つのタンクローリー車内の塩化ビニルを燃やすことになった。この事故により、塩化水素、ホスゲン、アクリル酸ブチル、エチレンなどの有毒化学物質が環境中に放出された。
 
 空気と水は安全だと繰り返し保証されているにもかかわらず、周辺住民はスプートニクに対し、頭痛、皮膚のほてり、目の炎症など最近の健康への影響や、癌などの長期的な健康リスクへの不安などを語っている。オハイオ州天然資源局は2月中旬、スプートニクに対し、列車脱線現場付近の水路で約3500匹の魚が死んだと伝えた。