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   ボロブドウール寺院遺跡群
 Archaeological site of Borobdur temple

サムドラ・ラクサ船 シナモンルート
 Museum Kapal Samudra Raksa

青山貞一 Teiichi Aoyama  池田こみち Komichi Ikeda
掲載月日:2017年1月31日
独立系メディア E−wave Tokyo
 
無断転載禁
@ 博物館へ A 博物館概要 B 船のレリーフ C 船の絵画 D 船の歴史
E 船の航路 F 船の展示 G 造船所 H シナモンルート I 海のシルクロード
J 大航海時代 K 東インド会社 L 東インド会社2 M 日本の進出

◆「シナモン・ルート」

 ところで、このサムドラ・ラクサ船博物館は、通常の博物館の機能とともに、インドネシアで一般に「シナモン・ルート」(シナモンは香辛料です)として知られる古代インドネシアにあってインド洋のマダガスカルなど東アフリカとの間で行われてきたインド洋交易(貿易)に関連しているはずです。

 「シナモン・ルート」は、古代インドネシア・インド洋の香辛料の海上交易ルートです。

シナモン・ルート 

 血管を強くする食材、そして香辛料で有名な
シナモンは、スリランカ 、ベトナム、インドネシアなどで生育されている植物であり、同時に香辛料です。このシナモンを船によって中東そしてインド洋・喜望峰(ケープタウン)をヨーロッパなどに運んでいたのが「シナモン・ルート」であり、海のシルクロードよりもはるか前からあった海洋交易ルートであると言えます。

◆シナモン
 
シナモンは世界最古のスパイスともいわれ、紀元前4000年ごろからエジプトでミイラの防腐剤として使われ始めました。また、紀元前6世紀頃に書かれた旧約聖書の『エゼキエル書』や古代ギリシアの詩人サッポーが書いた詩にもシナモンが使われていたことを示す記述があります。

 さらに、中国では後漢時代(25年-220年)に書かれた薬学書『神農本草経』に初めて記載されています。日本には8世紀前半に伝来しており、正倉院宝物の中にも
シナモンが残されています。これは「桂心」という名称で、薬物として奉納されたものです。しかし、樹木として日本に入ってきたのは江戸時代の享保年間のことでした。


   シナモン

香辛料
 香辛料としての
シナモン(シンナモンとも)は、シナモンの樹皮をはがし乾燥させたものです。独特の甘みと香り、そしてかすかな辛味があり、カプチーノ(コーヒー)などの飲料やアップルパイ、シナモンロールなどの洋菓子の香り付けに使われています。

 スリランカなど南アジア、中東、北アフリカでは料理の香りづけにも頻繁に用いられています。
シナモンはインド料理の配合香辛料ガラム・マサラの主要な成分でもあります。インドのチャイの香りづけにもかかせないものです。近縁種のシナニッケイ(支那肉桂、ニッキ、C. cassia)の樹皮からも作られます。ただしシナニッケイからつくられるものはカシアと呼ばれ、成分が若干異なります。粉末状に加工したいわゆるシナモンパウダーのほか、樹皮のまま細長く巻いた形のシナモンスティック(カネールとも)が広く流通しています。

主な出典:Wikipedia

◆ナツメグ(nutmeg)

 ナツメグは、ニクズク科の常緑高木の一種です。またはその種子中の仁から作られる香辛料でもあります。ナッツメッグ、ナットメグとも。和名はニクズク(肉荳)。ナツメグ、ニクズクはニクズク属の総称的に使うことがあります。特に、ナツメグとして流通している木材は基本的に他種です。


 ナツメグ

 原産地は東インド諸島のモルッカ諸島に含まれるバンダ諸島です。 樹高約20メートルに達する常緑樹であり、多くは雌雄異株です。幹の樹皮は灰褐色でなめらかな表面を持ち、葉は長さ8-15センチで表側が濃緑、裏が淡い緑の単葉です。

 播種後7年以降に結実しだす、成長の遅い植物でし。スモモやアンズに似た長さ約5センチの卵形の黄色い果実をつけます。果実は成熟すると果皮が割れ、網目状の赤い仮種皮につつまれた暗褐色の種子が現れます。 この仮種皮を乾燥させたものが香辛料の1つ、メースです。果肉は火を通せば食べられます。

 メースを除いた種子を2-3か月の間天日で乾燥させると、中の仁が分離して中で動くようになるので、種を割り仁を取り出します。仁は長径2.5センチほどの卵型で、灰褐色ですべすべしていて縦に溝があります。この仁を出荷前に石灰もしくは石灰液に3か月浸してから乾燥させたものを香辛料のナツメグとします。種子全体を直接、おろし金で挽いて用いる場合もあります。

 石灰に浸す工程はオランダ東インド会社時代に、ナツメグが出荷前までに発芽しないようにという意図から始められたものですが、科学的には意味のない慣習となっています。現在では、輸入側の国がこの工程を省略させる場合もあります。香りの主体となる成分はピネン、カンフェン、オイゲノール、ミリスチシンです。

主な出典:Wikipedia

 以下は展示室にあった ナツメグ(Pala)とシナモン(Manis)の絵です。やはり現実に「シナモン・ルート」はあったのです!

 上の図がナツメグ、下の図がシナモンです。いずれも重要な香辛料です。


ナツメグ   撮影:池田こみち Nikon Coolpix S9900 2016-11-18


シナモン 撮影:池田こみち Nikon Coolpix S9900 2016-11-18

 以下は、スマトラ島の香辛料・シナモンの伝統的な作り方についての動画です。

 ※スマトラ島の香辛料・シナモンの伝統的な作り方を見せてくれるドキュメンタリ動画


つづく