エントランスへはここをクリック   

産経新聞の大誤報
〜無期懲役「確定」を死刑「確定」に〜


青山貞一

2008年2月28日



 「独立系メディア」でも継続的に情報を提供してきた仙台北陵クリニックの筋弛緩(しかん)剤事件の上告審で2月25日、最高裁は守大助さんに高等裁判決を追認し、無期懲役を確定する判決を出していたことが分かった。

 判決文や以下の通り。

 平成18年(あ)第1010号

 決定

 本籍・住居 ………
 無職
 守大助
 昭和46年4月28日生

 上記の者に対する殺人,殺人未遂被告事件について,平成18年3月22日仙台高等裁判所が言い渡した判決に対し,被告人から上告の申立てがあったので.当裁判所は,次のとおり決定する。

 主文

 本件上告を棄却する。

 当審における未決勾留日数中400日を本刑に算入する。

 理由

 弁護人花島伸行ほかの上告趣意は, 違憲をいう点を含め, 実質は単なる法令違反,事実誤認の主張であり, 被告人本人の上告趣意は,事実誤認の主張であって,いずれも刑訴怯405条の上告理由に当たらない。

 なお,所論は土橋均らの行った鑑定には多々疑問があると主張するが,所論にかんがみ記録を精査しても,被告人が筋弛緩剤マスキュラックスを点滴ルートで投与することにより本件各犯行を行ったとした原判断につき,判決に影響を及ぼすべき法令達反又は重大な事実誤認を発見することはできず, 同法411条を適用すべきものとは認められない。

 よって,同法414条,386条1項3号,刑法21条により,裁判官全員一致の意見で, 主文のとおり決定する。

 平成20年2月25日 
 最高裁判所第三小法廷  裁判長裁判官藤田宙靖
                      裁判官堀籠幸男
                      裁判官那須弘平
                      裁判官田原睦夫
                      裁判官近藤崇晴


 ところで本ニュースに関連し、産経新聞がヤフーなどのメディアに提供している2月27日22時29分付け記事では、無期懲役確定を死刑確定と大誤報した。以下はその文面。

 おそらく本事件についてまったく知見のない記者あるいは整理係が見出しを付けたのであろうが、おそまつそのもの!

 2008年2月28日午前1時50分現在、依然として誤報記事が掲載されている。

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080227-00000972-san-soci

 これほどひどい人権無視報道もないだろう。