青山貞一研究室 世界の環境都市ギャラリー
            
カナダ・ノバスコシア州ケイプ・ブレトン島                2008.12 (C) 青山貞一 無断転載禁
 2006年4月、カナダ東部の環境会議から講演を依頼された。環境会議はノバスコシア州のハリファックス市にある有名なホテルで開催された。G7の会議も開かれたハリファックス・ウェスティンだ。私は招待を受けたその会議に池田こみちさんと一緒にでかけたが、カナダ東部環境会議が終わった最終日、懇親会があった。そのパーティーで、「ケイプ・ブレトン・アイドル」という余興というか、ミュージカルがあった。すごく楽しく盛り上がったミュージカルだった。

 それまで、ノバスコシア州に何度もでかけていたが、同州の東北部にあるケイプブレトンについては行ったことがなく、ほとんど知識もなかった。ひとつあるとすれば、ケイプブレトン島にあるシドニーと言う工業地域に、「ノバスコシア州で最後の焼却炉」があったと言うことぐらいであった。ケイプ・ブレトンの位置は、下図(右)にあるように、カナダ・ノバスコシア州の北東部にある島である。 ところで、その春に行われたカナダ東部環境会議の予稿集の表紙(下図)には、陸地から急激に海に落ちる独特の地形の写真があった。ケイプブレトンと言えば、その写真が脳裏を過ぎった。何とすばらしい自然景観、そしてユニークな地形だろう。

 そこで、同年(2006年)9月に再度カナダの東部にあるニューファンドランド・ラブラドール州セントジョーンズ市に別件で出張した際、、ケイプ・ブレトンに足をのばすこととした。大地から海に落ちる断崖絶壁をみたい!セントジョーンズ空港を早朝出発し、1時間ちょっとでハリファックス国際空港に到着。 ノバスコシア州には何度も来ているが、ケイプブレトンはまだ一度も行っていない。車でハリファックス空港からトルーロ経由で2時間以上、霧の中を走りやっと、眼前に「ようこそケープ・ブレトンへ」と言う看板に出会う。このころは好天となっていた!

 ケープ・ブレトンには、とくにこれはと言った観光名所があるわけではなく、カナダ東北部の農村風景や国立公園の平均的な自然があるだけだ。しかし、どこの風景も私たちを癒してくれる。ケープブレトンで忘れてはいけないのは、歴史にもあるように、この地にはフランス系の移住民であるアカディアが多く住んでいる地域でもある。
現在でも島のアチコチにフランス系カナダ人の居住地がある。
カナダ東部の環境会議の配布資料の表紙 ケイプブレトンの位置

ケイプ・ブレトン島に入る際に渡るムービング・ブリッジ ムービング・ブリッジが動き、その間、ヨットが川を渡っていた
       
ケープ・ブレトン島(Cape Breton Island)

 カナダ東部大西洋岸、ノバスコシア州にある島。州の本土、ノバスコシア半島とはカンソー海峡で隔てられている。面積は10,311平方キロで、人口は約15万人。 ケープブレトン島を経由してカボット海峡からセントローレンス湾、セントローレンス川へ続く水路は重要な国際航路となっている。名称の由来はフランスのブルターニュ半島(Brittany)から。
  • シドニー(Sydney):島最大の都市。東海岸にあり、主要な港として機能する。
  • グレース・ベイ(Glace Bay):島第二の都市。
  • ルイスバーグ(Louisbourg):フランス軍の要塞が史跡として残っている。
  • カボット・トレール:探検家ジョン・カボットのたどったとされる景観のいいドライブルート。
  • ケープブレトン・ハイランド:アパラチア山脈系の古くからの岩がちな高地。

ケープ・ブレトン島の歴史

 先住民族、ミクマク族とその祖先が古くより居住していた。その後1497年に探検家ジョン・カボット(John Cabot)がはじめてカナダに到着、このあたりを探検したと伝えられている。その後、フランス系の移民が移住し、アカディア植民地の一部となる。

 フランス系移民はこの島を「イル・ロワイヤル(Ile Royale)」と名付けた。フランス軍はルイスバーグ(Louisbourg、フランス語読みでルイブール)に要塞を築き、フレンチ・インディアン戦争の舞台となった(要塞はイギリス軍により1758年に陥落)。

 1763年、パリ条約によりイギリスに委譲され、ノバスコシアの一部となる。1763年ごろ、アカディア人が大規模追放された先から旧アカディア植民地に帰還し始め、一部はシェティキャンプやセント・メアリーズ・ベイなどに定住した。

 19世紀前半、スコットランドのハイランド地方の農地改革のため、スコットランドから大量の移民が流入し、現在でもこの島ではスコットランド文化が色濃く残る。

グーグルマップで見たケイプブレトン島。ハートの形をしており、北部は国立公園となっている。

ケイプブレトン一日目の行程赤い矢印が行程 幸の晴天。カナダ北部らしい景観が続く
幸の晴天。カナダ北部らしい農村景観が続く 途中、島の西部の海辺にあったポート・フッド・デイ野鳥公園
ポート・フッド・デイ野鳥公園にて ポート・フッド・デイ公園にて。ウッドデッキがある
ポート・フッド・デイ野鳥公園にて ポート・フッド・デイ野鳥公園にて
ウエスト・マボーの農村風景 ウエスト・マボーの農村風景
ウエスト・マボーのすばらしい自然景観
ウエスト・マボーのすばらしい水辺景観 ウエスト・マボーの廃屋
何ともすばらしい紺碧の空 ケープ・ブレトン高原国立公園の看板
崖が海に落ちるケープブレトン独特の地形
ケープ・ブレトン高原国立公園の自然 ケープ・ブレトン高原国立公園の自然
ケープ・ブレトン高原国立公園の自然 ケープ・ブレトン高原国立公園の展望台