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クレパスで描いた

群馬県北西部の自然景観(1)

青山貞一
 

掲載月日:2013年7月26日
独立系メディア E−wave Tokyo
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 2013年7月22日から26日、いつものように群馬県の北軽井沢の保養所(別荘)に休養にでかけた。今年は異常気象のためか、ここ10年ではじめてこの時期、現地は曇天か雨天と天候が不順、最終的に別荘の中で55年ぶりに別荘近くの自然や景観をクレパスで描くことになった。

 クレパスを手にしたのは小学校以来である。 というのも、中学校では図工の授業は水彩画となっていたからである。クレパスはひと箱で500円程度だが、筆もいらず、結構、油絵もどきの絵が楽しめた。

 NHKなどの番組でも群馬県の知名度は都道府県の最下位だが、こと自然景観については、お隣の長野県と比べてもひけをとらないほど秀逸である。



 以下、そのうちの主なものを紹介したい。

◆春まだ浅い浅間牧場のコブシの花

 クレパス画の最初は、毎年5月上旬のゴールデンウィークに北軽井沢別荘に出かけたとき、必ず出かける浅間牧場である。

 背景は雲に隠れた浅間山、前にあるのはコブシの花である。浅間牧場のコブシの花は、すごく形が整っている。そこに真っ白な花を付ける。

 雪のようなコブシの真っ白な花は、どうやってもクレパスではうまく描けなかった。考えたあげく、大きな楊枝(ようじ)の先端に水彩絵の具の白の色を付け、ひとつひとつ枝のそばに塗っていった。このコブシの気の一番上で小鳥がさえずっていたが、絵には入れてない。

 この浅間牧場からは、天気が良く、水蒸気があまり無いとき、浅間山、高峯山、湯ノ丸峠、四阿山、白根山など、群馬県北西部を代表する山々が一望できる。




◆春まっただ中の旧六合村、白砂川渓谷

 
現在、町村合併で群馬県中之条町の一部となった旧六合村の春まっただ中の白砂川渓谷である。 白砂川というだけあり、渓谷を流れる水は、青みがかった白に見える。

 旧六合村には、赤岩集落や多くの温泉、景勝地があるが、とりわけ白砂川の渓谷美はピカイチだ。みどり系ばかりの自然景観をクレパスで描くのは至難であったが、何とか白砂川の渓谷を描くことが出来た。

 この渓谷は吾妻川に流れ込むが、その少し手前に赤岩集落がある。ここはかつての養蚕集落であり、現在、重要伝統的建造物群保存地区の指定を受けている。私達は北軽井沢別荘に行くとここにある「長英の隠れ湯」という日帰り温泉に何度も行く。長英は言うまでもなく高野長英である。




◆春の薬師温泉、かやぶきの郷

 上州吾妻にある浅間隠山の山懐に抱かれた静かな一軒宿、かやぶきの郷薬師温泉 旅籠の春の風景である。

 このかやぶきの郷には、日本中から移築されたたくさんのかやぶきの家があり、そのなかに往事の家具、民具など生活用具が展示されている。その数はおそらく日本有数であろう。ここは同時に、薬師温泉と言い、すばらしい温泉地でもある。

 私達は過去何度も訪問し、3種類ある温泉を探訪している。下の絵は、桜が咲く春の風雨家である。山の麓、茅葺き屋根の上にある薄ピンクはいずれも桜である。茅葺きの色とこの桜の色をだすのが難しかった。




◆キャベツ畑の背後の浅間山

 下は、初夏の嬬恋村のパノラマラインから見た浅間山のイメージであるが、自分の頭に残っているイメージだけで描いているので、左右が中央にギューと寄っている。

 また右側の黒斑岳と浅間山との位置関係も違っている。実際の浅間山はもっと左右にグーと広がる雄大な山である。浅間山の前の濃い緑は、生産量日本一を誇るキャベツ畑である。浅間山はいつも頂上部分に雲がかかっていて、なかなか顔を見せてくれない。シャイなのである。

 浅間山の右側にある山は黒斑山(岳)と言い、浅間山の外輪山のひとつである。青山、池田、鷹取の3人で頂上まで登ったことががるが、残念ながらその日は曇りで間近にある浅間山は見えなかった。黒斑山から見る浅間山は「壮大」さを超え、覆い被さってくるような迫力がある。




◆雪をかぶった浅間山

 私達の別荘近くの鬼押しハイウェーから見た雪をかぶった浅間山である。右にあるオランダ調の建物は、プリンスランドと呼ばれる別荘地、ホテル、ゴルフ場、遊園地などの一部である。

 ここからの景観は、スイスに似ている。北軽井沢周辺はいわゆる軽井沢より200mから300mほと標高が高く気温は2−3℃低い。同時に湿度もかなり低く、夏場は非常に過ごしやすい。しかも、いわゆる軽井沢のような行楽地ではないので、ゆっくり自然を堪能できる。




つづく