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自民、テレビ各局の選挙報道に

注文のその後


青山貞一

December 1, 2014
独立系メディア E-wave Tokyo
Independent Media E-wave Tokyo
無断転載禁

 自由民主党が以下の文書「選挙における報道の公平中立ならびに公正の確保についてのお願い」の文書(以下に写真とテキストがあります)をテレビ各局に送り注文していた問題に関連し、その後、日本の大メディアがどう報道してきたかについて各紙の報道ぶりを以下に列挙してみました。

 イ ンターネットのブログなどにこの文書が写真付きで公開され始めたのは、11月25日〜26日、独立系メディア E-wave Tokyo・青山貞一が自分のFacebookのタイムラインに掲載したのも11月26日の深夜でした。
 
 以下の記事を見ると、最も早い記事は2014年11月27日の共同通信です。

 それを元記事として大手新聞社も速報を開始し、その後、西日本新聞は一面トップで紹介(下の写真参照)、東京新聞は社説でも論評していることが分かります。

 なお、在京テレビキー局でこの問題を正面から報じた局は今のところ見当たりません。インターネット論考及びその後追い的に新聞社がまがりなりに記事としたのですが、インターネットはもとより、もし新聞が報道しなければ、国民はこのような与党による言論統制とも言える重大な事実を知ることが出来なかったと言えます。

  自民党からテレビ各局に送られた文書は、2014年11月20日付け文書の写真です。



 自民党からテレビ各局に送られた文書は、2014年11月20日付けのお願いのテキストです。


                                  平成26年11月20日
在京テレビキー局各社
 編成局長 殿
 報道局長 殿 

                        自由民主党
                         筆頭副幹事長  萩生田 光一
                         報道局長    福 井  照

  選挙時期における報道の公平中立ならびに公正の確保についてのお願い

 日頃より大変お世話になっております。

 さて、ご承知のとおり、衆議院は明21日に解散され、総選挙が12月2日公示、14日投開票の予定で挙行される見通しとなっております。

 つきましては、公平中立、公正を旨とする報道各社の皆様にこちらからあらためてお願い申し上げるのも不遜とは存じますが、これから選挙が行われるまでの期間におきましては、さらに一層の公平中立、公正な報道姿勢にご留意いただきたくお願い申し上げます。

 特に、衆議院選挙は短期間であり、報道の内容が選挙の帰趨に大きく影響しかねないことは皆様にもご理解いただけるところと存じます。また、過去においては、具体名は差し控えますが、あるテレビ局が政権交代実現を画策して偏向報道を行い、それを事実として認めて誇り、大きな社会問題となった事例も現実にあったところです。

 したがいまして、私どもとしては、
 ・出演者の発言回数及び時間等については公平を期していただきたいこと
 ・ゲスト出演者等の選定についても公平中立、公正を期していただきたいこと
 ・テーマについて特定の立場から特定政党出演者への意見の集中がないよう、公平中立、公正を期していただきたいこと
 ・街角インタビュー、資料映像等で一方的な意見に偏る、あるいは特定の政治的立場が強調されることのないよう、公平中立、公正を期していただきたいこと
―等について特段のご配慮をいただきたく、お願い申しあげる次第です。

以上、ご無礼の段、ご容赦賜り、何とぞよろしくお願い申し上げます。


 なお、西日本新聞は 2014年11月28日付けで◆西日本新聞 自民、選挙報道に注文 テレビ各局に異例の文書 なる記事を一面トップに掲載していました。



 以下は大手新聞各社の記事配信の時系列、読売、産経、日経は数行のベタ記事のみです。

◆共同通信 
  【政治】自民が選挙報道の公平求める文書 テレビ各局に渡す
 2014年11月27日 21時17分   
 自民党が衆院解散の前日、選挙期間中の報道の公平性を確保し、出演者やテーマなど内容にも配慮するよう求める文書を、在京テレビ各局に渡していたことが27日、自民党などへの取材で分かった。自民党広報本部は取材に「報道の自由は尊重するという点は何ら変わりない。報道各社は、当然ながら公正な報道を行ってもらえると理解している」と回答した。文書は20日付で、在京キー局の編成局長と報道局長宛て。差出人は自民党筆頭副幹事長の萩生田光一氏と、報道局長の福井照氏となっている。(共同)

◆共同通信
  選挙報道の公平求める文書テレビ局に配布
  2014年11月27日

◆毎日新聞
  衆院選:自民 テレビ局の選挙報道で細かく公平性要請
 2014年11月27日

◆読売新聞
  民放へ選挙報道の中立公正求める文書…与野党
  2014年11月27日 
  テレビ東京の高橋雄一社長は27日の定例記者会見で、自民党から選挙報道の中立公正を求める文書が届いたことを明らかにした。高橋社長は「公示前に届くのは珍しい。野党からも届いているが、文書をもらったから(選挙報道を)気をつけろというものとは受け止めていない」と報道の自律性を強調した。同様の文書は、与野党から他の在京民放キー局にも届いており、各局とも自主的に報道の中立公正確保に努める方針。一方、NHK広報部は「個別の件について回答しない」としながらも、選挙報道については放送ガイドラインで「正確な取材と公正な判断によって自主的に行う」方針を掲げているとした。

日刊ゲンダイ
 選挙報道に露骨な注文…安倍自民党がテレビ局に“圧力文書”
  2014年11月28日

◆西日本新聞
 自民、選挙報道に注文 テレビ各局に異例の文書
  2014年11月28日

◆東京新聞【政治】
  自民、文書で「公正に」 TV各局に解散前日要求
 2014年11月28日

◆朝日新聞
  選挙報道「公正に」 自民、テレビ各社に要望文書
 2014年11月28日

◆産経新聞
【衆院選2014】菅官房長官「報道の自由、編集権の自由は当然」 自民、選挙報道の公平求める文書配布  2014.11.28 11:29

【衆院解散、総選挙へ】 菅義偉(すが・よしひで)官房長官は28日午前の記者会見で、自民党が在京テレビ各局に衆議院選挙期間中の報道の公平性を確保するよう求める文書を渡していたことについて「報道の自由、編集権の自由は当然のことだ」と述べた。その上で「不公平な報道がされないよう、政党の立場として行動することも重要なことだ」と語った。

◆The Huffington Post
  自民党「選挙報道は公平に」テレビ局に要望 『朝まで生テレビ』にも影響?
 2014年11月28日

◆日本経済新聞
  報道の公平求め、TV各局に文書 自民 [有料会員限定]※  2014年11月28日 
  自民党が衆院解散の前日、選挙期間中の報道の公平性を確保し、出演者やテーマなど内容にも配慮するよう求める文書を、在京テレビ各局に渡していたことが27日、自民党などへの取材で分かった。 衆院選は短期間で、報道の内容が選挙に大きく影響しかねないとした上で、出演者の発言回数や時間、ゲスト出演者などの選定を中立公平にし、街角インタビューも一方的意見に偏ることがないよう求めている。 自民党広報本部は取材に「報道の自由は尊重するという点は何ら変わりない。報道各社は、当然ながら公正な報道を行ってもらえると理解している」と回答。民放各局は「これまで通り公平中立な報道を続ける」とした。NHK広報局は「個別の件についてお答えはしていない」としている。

 ※このような重要な記事を有料会員対象としているのは日経新聞の体質を表しています!

◆琉球新報
  社説>自民選挙報道文書 不当な介入は許されない
 2014年11月30日

◆東京新聞【社説】
  自民の「公正」要請 TV報道、萎縮させるな
 2014年11月29日


 なお、以下は青山貞一がFacebook(約1800人登録)と関連するメーリングリストに送ったコメントです。

 twitterやblogには、野党も類似のお願いをしていたというのががありますが、仮にそれが事実だとしても権力をもつ政権与党がこの種の要請を在京テレビキー局にすることの意味はまったく別だと思います!

◆青山のフェイスブック「友達対象」 URL
https://www.facebook.com/teiichi.aoyama?ref=tn_tnmn

みなさま      青山貞一です。
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 すでにTwitterや多くのSNSで暴露されていますが、自民党が選挙を控えテレビ各局の番組編成局長宛に、出演者の発言数や番組の内容などについての注文を示しています。
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 また「テレビ局が政権交代実現を画策して偏向報道を行い、それを事実として認めており、大きな社会問題となった事例も現実にあったところです」というくだりまであります。
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 その他、最近NEWS23に出演し、逆ギレした街頭インタビューそれに使われる資料映像についてもいちいち注文を付けています。
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 自分たちはさんざんテレビ局、新聞をいいように利用し、情報操作による世論誘導をしてきた自民党が暗にテレビ各局に圧力を掛けているととれる注文をだしているのです。
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 スクープ資料は見づらいのですが、ご一読ください。