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<新連載>

凶暴化する新聞記者
(2)簡単で有効なIT的自衛手段

青山貞一

掲載日:2007年10月11日


 まず、頻発する新聞記者の凶暴な取材に、私たちがどう対応するかについて私の経験から具体的に示そうと思う。

 というのも、こうしている間にも、(1)で示した凶暴なトンデモ記者がストーカー的に違法、不法の取材にくるかも知れないからだ。

 いくら警察にゆき、凶暴な取材について時間をかけ具体的に説明しても、「分かりました。青山さん、では具体的な証拠はありますか?」とくる、のである。

 相手が新聞記者などマスコミの場合、やりとりの一部始終をしっかり録音しておくことが大原則であり不可欠である。

 やりとりをしっかり録音し証拠化しておけば 新聞社、日本新聞協会、テレビ局、BROなどに通報するときや警察や検察に刑事告訴するとき、さらに名誉毀損などで民事訴訟を起こす際に効果的である。

 何しろ、録音テープや録音ファイルはきわめて重要な証拠となるのである。

 その昔、環境問題に関係したある騒動で、連日連夜、私に電話や脅迫まがいの電話がかかってきたことがある。あまりにもひどいので自宅近くにあるオウム事件捜査でも有名な警察署に一人で出向いた。出てきた防犯課長に、その間の事情を丁寧に説明し、調書を取ってもらい身辺警備を依頼した。

 結果としてその後、約一年間にわたり、身辺警備をしてくれた。そのときも防犯課長が開口一番に言ったのは、「青山さん。録音テープがありますか」であった。メモではなく、録音テープの有無がきわめて重要なのである。

 事実、マスコミが関わる事件で警察や検察が刑事告訴を受理するかどうかは、録音テープなど証拠の有無が最大のポイントとなる。もちろん、書かれた記事そのものが動かぬ証拠となる場合もある。

 講演会、シンポジウムなどで記者がパネリストとなり誹謗中傷や侮蔑的な言動をとった場合、それらを明瞭に録音したテープの有無が大切となる。

 取材段階や講演・シンポジウムなどの場合、当然のこととして「言った言わない」の押し問答となるのがおちだからだ。これは自分が講演したりパネリストになる場合でも同じである。「言った言わない」問題を避けるためにも、録音は不可欠なのである。

 最近なら、社会保険庁に電話連絡する場合も、通話録音しておけばその後のあらゆる対応が楽になるはずである。

 相手が新聞や週刊誌、テレビなどマスコミである場合、これはとくに大切だ。なぜなら、マスコミは自分たちがしていることを棚に上げ、報道の自由、表現の自由、取材の自由を大上段に振りかざすからである。

 凶暴な取材は、本来、言論の自由とはまったく異なるものだ。しかしゴロツキ的な記者ほど、報道の自由、表現の自由などを言い張るのである。

......

 具体的な防衛策、そして動かぬ証拠の取り方、それも超簡単な方法を伝授したい。これは以前、本「独立系メディア」で書いたことだが、要は下に示す通話録音セットを使うことである。それだけで、動かぬ証拠となる。

 セットといっても何ら操作が難しかったり、高価なものではない。ヨドバシカメラや山田電気で2000円程度で売っている以下の通話録音マイクを使うだけである。商品名はソニー・インナーマイクである。最近はサンヨーからも売り出されている。


ソニー・通話録音用マイク


左はICレコーダーにインナーマイクを接続した場合、
右は小型ICレコーダーに本格的なマイクを接続した状態を示している。



現在使っている各種のICレコーダー。
上段左からオリンパス Voice Trek V-11, 同 V-30、同 V-40
下段左からソニーのマイク、ソニーのICD-U60, サンヨー ICR-S290RM, 同 ICR-RB100RM

  
 インナーマイクがすぐれているのは、直接取材はもとより携帯電話、固定電話などの電話での取材への対応でも絶大な威力を発揮することである。

 たとえば、電話取材の場合、まず片耳に通話録音マイクをつけ、その上に携帯電話あるいは固定電話をあてがう。通話録音マイクからの線をいわゆるICレコーダーのマイクジャックに差し込むだけである。

 これだけのことで、取材する記者と自分の全通話を明瞭に録音をしてくれるのである。通話録音マイクは一見,イヤホンに見えるが、実は耳の外側にマイクがあり、電話の音とともに自分の声もマイクが拾い,両方の声を明瞭に録音してくれる。

 アイディア製品であり、すぐれものなのである。私や仲間がもっているのは、ソニーの製品だが、他のメーカー製もでてきた。

 録音終了後、ICレコーダーで再生するだけでなく、ICレコーダーをUSBジャックに接続し、録音内容を含むMP3形式のファイルとしてパソコンに転送することも容易である。パソコンに転送すれば、PC用スピーカーなどをつかい大きな音で聞くことも可能である。

 現在、ICレコーダーのメモリーは大規模化、省電力化しており、5時間連続、12時間連続なども可能となっている。その割りには廉価である。

 当然、MP3ファイルをCD−ROMに入れ、関係する部分をワープロなどで文章化するとともに、警察や裁判所に証拠提出することができる。


通話録音と証拠提出の流れ

 
イヤホンマイク(インナーマイク)
   ↓
    ICレコーダーに録音
   ↓
(ICレコーダーで聞く)
   ↓
   USB接続
   ↓
 パソコンにMP3ファイルを転送
   ↓
  (ハードディスクに保存)
   ↓
    (PCスピーカーで聞く)
   ↓
  ファイルのCD−ROM化
    ↓
     ラベルをつけ証拠提出など 

   
  ( )部分は省略可能


 このマイクとICレコーダーをカバンやポケットに常備していれば、いつ携帯,固定を問わず電話取材があっても、完全な通話録音が可能となる。当然、耳からはずせばマイクにもなるし、ICレコーダーをポケットに入れ、マイクを耳に入れれば、ipodで音楽を聴いているふりをしながら会話の一部始終を録音することも可能である。

 凶暴な取材に自衛のために通話録音するのなら、断る必要もないが、これからすべてを通話録音をさせていただきますと言えば、凶暴な記者には抑止力にもなる。

つづく