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テロ特措法:海上自衛隊は
アフガンでなくイラクへ
補給していた!?
青山貞一
 
掲載日:2007年9月2日、9月3日追記


青山貞一ブログ

  2007年8月31日、深夜のテレビ朝日、「朝まで生テレビ」に出演した江田憲司衆院議員は、非常に重要な問題提起をされた。それは、日本のテロ特措法に基づきインド洋上で米英に燃料補給してきたのは、アフガンではなくイラク戦争への燃料補給であるというのだ。

 江田憲司衆院議員の「朝まで生テレビ」における発言趣旨は以下の通り。


@海上自衛隊の燃料補給艦は米英の補給艦に補給している。

  出所:自衛隊・防衛省発表資料

A2001年から2007年まで自衛隊が米補給艦に補給した油の8割5分、量で30万キロリットル以上はイラクの自由作戦に使われている。

  出所:米海軍第5艦隊のホームページ
   United States Naval Forces Central Command and 5th Fleet


Bイラクの自由作戦で、日本のイージス艦「きりしま」と護衛艦「はるさめ」は高度な通信能力で同盟軍の艦船を支援。 補給艦「ときわ」はイラク南部を空爆した空母キティーホークなどに給油してきた。

  出所:米横須賀基地、機関誌シーホーク、2003年

C歴代防衛庁長官、防衛庁、防衛省は上記事実を知っており、国民を騙していた。  

  江田議員発言の出典:
   2007年8月31日のテレビ朝日、朝まで生テレビ
   「 テロ特措法:アフガンではなくイラク戦争への補給」
   YouTube:http://www.youtube.com/watch?v=HKviUdWOUaU 


 上記の発言について、江田議員は自身のブログで次のように述べている。http://www.eda-k.net/greatfuldays/index.html

[01/Sep/07]

 私が今朝、「朝まで生テレビ」で披露した「米海軍中央司令部&第五艦隊」のオフィシャルウェブサイトは「United States Naval Forces Central Command and 5th Fleet」だ。そこには「イラクの自由作戦」の項目があって(今はアクセス不能)、「有志連合の貢献」というところに「日本政府は、不朽の自由作戦の開始以来、86,629,675ガロン以上の燃料(7,600万ドル以上相当)を貢献した」と書かれていた。これまで、インド洋の給油が、実はイラク戦争に展開する艦船に「間接給油」されているのではないかとの報道や噂はあったが、このHPが正真正銘のものならば、その疑惑は深まる。いずれにせよ、米国も機密情報を含めた情報開示をすると約束しているのだがら、私も含め、国会で徹底的に真実を解明していきたい。

 政府・自民党は、この11月1日に期限が切れるテロ特措法の更新問題に関し、ことあるたびに、テレ特措法は、9.11以降のアフガニスタンにおけるテロ対策の一環であると述べてきた。

 今回の江田発言は、インド洋上のガルシア島付近で日本の海上自衛隊が行っている同盟軍への給油補給活動が、その実、80%がイラク戦争に向かう米英軍への給油保有となっていたことを暗に示すものである。

 政府・自民党は、参議院で多数を占める野党、とくに民主党がテロ特措法の更新に反対していることを非難しているが、今回の江田発言は、アフガンのテロ対策のためというテロ特措法の存在を根幹から揺るがすものである。

 同時に、もし、イラク戦争に向かう米英艦船などへの給油となれば、集団的自衛権の発動と推認され、さもなくとも解釈改憲と批判される政府・自民党認識の違憲性が問われる。

 まして、この事実を歴代の防衛庁長官や防衛庁、防衛省がその事実を知っており、国会議員や国民を欺いていたとなれば、なにおかいわんやである。文民統制の観点からもお粗末きわまりない。

 .....

 ところで、「朝まで生テレビ」放映後の9月2日(日)、フジテレビの「報道2001」では、石原新政調会長、高村新防衛大臣をゲスト出演させ、テロ特措法延長問題を議論した。

 ここでは、何と上記の江田発言にはひとことも触れず、テロ特措法延長の必要性をことさら強調していた。


 一方、午前10時からのテレビ朝日、「サンデープロジェクト」で朝生と同じ司会者である田原総一郎氏が、この問題を石原新政調会長に直撃した。

 安倍首相と20年来の友人だと冒頭述べた石原政調会長は、米英の艦船は一箇所にとどまっているわけではなく、ペルシャ湾に近づくこともありうるなど、苦し紛れの言い訳をした。またテロ対策という同じミッションであり問題ないなど、イラク特措法とテロ特措法の違いすらはき違えている。自分が知らないkとおを田原氏から攻められ、最後は開き直っている感じがした。

 ここではイラク特措法ではなく、テロ特措法との関連での問題ある。石原新政調会長の言い訳はまったく通用しないだろう。

 さらに驚嘆すべきは、石原新政調会長は、United States Naval Forces Central Command and 5th Fleet のホームページの存在すら知らなかった、今日はじめて知ったなどと、言明していることだ。

 石原新政調会長はどうも知っていてとぼけている様子もない。そばにいた額田新財務大臣(元防衛庁長官)も、言い訳に必死だったが、おそらく彼は事実を知っていたに違いない。

 もしこれが事実だとすれば、防衛庁、防衛省は事実を知りながら自民党幹部に報告していなかったことになり、文民統制上大問題となる。

 仮に江田議員の発言内容が100%事実でなくとも、国会議員が調査し発言している内容に触れないのは、情報操作による世論誘導であると言われても仕方ない。 

<追記>
 なお、江田議員の発言については、朝まで生テレビのキャスターでもある長野智子さんがご自身のブログで、驚嘆しているので、ご覧頂きたい。


<参考>

 江田憲司(けんじ)議員は、衆議院議員。一度衆院選挙に落選しているが、2005年の郵政民営化の衆議院選挙で返り咲き、現在、衆院議員2回目。江田さんは故橋本龍太郎の秘書、そのご橋本龍太郎が総理大臣をしていたときは内閣総理大臣秘書官・通産大臣秘書官をしていた。司法試験にも受かっている。出身は故橋本さん同様、岡山県。
 
 江田憲司衆議院議員経歴の詳細

 江田さんの選挙区は私の大学がある横浜市都筑区のとなり横浜市緑区です。衆院議員落選時は、その横浜市緑区にある横浜桐蔭大学の教授をしていた。