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未来への提言
思想家 ノーム・チョムスキー
真の民主主義を育てる

(概要)
青山貞一
掲載月日:2008年9月24日
更新日:2010年11月3日


 先に独立系メディアでも予告したが、2008年8月30日にNHKの「未来への提言」で思想家 ノーム・チョムスキーさんによる「真の民主主義を育てる」で秀逸な番組が放映された。

 ここでは、同番組の概要を紹介する。

 本独立系メディアでの放送予告
◆お知らせ:今日の夜NHK BS1でN.チョムスキー・インタビュー

未来への提言 思想家 ノーム・チョムスキー
 〜真の民主主義を育てる〜

放映:2008年8月30日 NHK BS1 午後10:10〜10:59

  参考:Noam Chomsky  BBC Interview 1/2
       Noam Chomsky  BBC Interview 2/2

      Noam Chomsky Interview on CBC (Part 1 of 2)
      Noam Chomsky Interview on CBC (Part2 of 2)

 世界のキーパーソンに徹底インタビューし、21世紀の未来に道しるべを提示するシリーズ「未来への提言」。

 今回はアメリカの言語学者で思想家のノーム・チョムスキー(79)さんである。

 ノーム・チョムスキーさん(以下単にチョムスキー)はマサチューセッツ工科大学の言語学教室の教授、現存する思想家の中でその発言が最も引用される思想家といわれ、ニューヨークタイムズが「世界で最も重要な知識人」と呼んでいる。

 そのチョムスキーは、ベトナム戦争以来、徹底した反戦思想を掲げ、“闘う知識人”として知られる。

 米国内でも常に論争の的となってきたチョムスキーだが、同時多発テロ以降とくにアメリカの外交政策を辛辣に批判している。


ボストンにあるMIT全景  撮影:青山貞一


ユニークなキャンパス  撮影:青山貞一

 チョムスキーは常に民主主義への警鐘を鳴らしてきた。

 私たち大衆に必要なことは、自ら調べ、自ら考え、自ら判断する力を身につけることだと説き続ける。

 9.11からまもなく7年(注:現在は9年)、テロとの戦いやグローバリズムには綻びが見えてきた。

 アメリカでも変革を求める声が高まり、メディアや反戦運動にも新たなうねりが芽生え始めた。真の民主主義を育てるためには、何が必要なのか?

 世界恐慌時代に幼少期を過ごし、まもなく80歳(注:現在は82歳)を迎えるチョムスキーに、じっくりと聞く。

 以下の静止画像はすべて
未来への提言 思想家 ノーム・チョムスキー
〜真の民主主義を育てる〜

放映:2008年8月30日 NHK BS1 午後10:10〜10:59


タイトルバック

略歴
・1928 アメリカ フィラデルフィア生まれ 両親はヘブライ語教師
・1929年に始まった世界大恐慌を幼少期に体験
⇒社会的弱者や貧しい人たちに対する強い関心を持つようになる



・ジョン・デューイが提唱した「自由な学校」で学んだ
〜子供たちの個性を尊重し、一人一人の好奇心に応じて自ら学ぶというカリキュラム。
〜プログレッシブ教育 (日本でも、1920年代に自由学園、玉川学園等)


チョムスキーの幼少期

・現在はMIT教授 言語学者の権威



■アメリカの政策を痛烈に批判

 ・反イラク戦争運動は反ベトナム戦争運動より早く盛り上がりを見せた。


ベトナム戦争


多くの米国民がベトナム戦争反対に立ち上がった

・9.11テロに打ち勝つには武力ではなく法の力で解決すべき
・イラク侵略は究極の国際犯罪 〜ニュルンベルグの法廷で裁かれた戦争犯罪そのもの





・復讐に心を駆り立てられて報復しても、相互殺戮を起こすだけで、テロをなくす事には繋がらない。


チョムスキーはブッシュの単独行動主義を痛烈に批判

・自分に適用できない原則、ルールは意味がない。アメリカはイラクに残るべきか。今アメリカに占領軍が居続けることを想像してみよう。

■メディアの課題

1.広告主への依存

・グローバル企業、政治家と密接な関係があり、・スポンサーに不利なことは報道しない



2.マスメディアの設立維持には資本が必要

・地方紙は、AP通信のネタで記事を書く ゆえに、NYタイムスの記事の影響が全国に及ぶ

3.NYタイムスの読者は右より

・学歴が高く政府企業の経営管理層で保守的
〜不都合なことは言わない
〜考えることを放棄している
〜教養のある人は一般人よりも感化されやすい

 大統領選も問題だ

・政治課題についての議論はない
・広告業界がコントロールしていて、無意味なものになった
・2004の選挙でブッシュの政治姿勢を知っていたのはわずか1割。
 (京都議定書に反対なのも知らなかった人がほとんど)



・大統領選挙は広告業界がつくる、重要なことは何も議論されていない



アメリカの民主主義はどこに向かうのか?

・真の民主主義は、一人ひとりが正しい情報をどう把握し、どう行動できるかにかかっている
・大切なことは何を探し求めているかが分かっていること
・真の民主主義を育む教育が必要だ


チョムスキーの教育論

・インターネットが民主主義の新しい未来を切り拓くことも可能だ。その意味でも独立メディアの存在が重要な鍵を握っている。

・Iraq Veterans Against The War http://ivaw.org/ 数人で始めたNGOが全米に広がり支部を持つまでに




貴方自身の放送、You Tube
 
・Indipendent Mediaの重要性 3人のスタッフで多くの市民ライターにより支えられている。無料の新聞 月に1回発行


独立系メディアが育っている!


独立メディアが発行する新聞

※「教育のあり方」と「ネットの功罪」については、続編で紹介

  民主主義の未来を切り拓くキーワードは*
  HOPE 希望である!


民主主義の未来を切り拓くキーワードは「HOPE」 希望である!

・現実を厳しく認識する悲観論者でありながら、心には希望を持ち続ける楽観主義者でありたい。

・人類は自らが持つ破壊的で残虐さを乗り越える力を持っている。「文化、知性、思いやり、相互理解、助け合う力」である。


MITにおけるチョムスキーの講義風景

・希望を持ち続ければ可能である。*
・民主主義の根幹は、 「自分たちの問題を自分たちで考えること」*
・空の容器に水を入れるのではなく、花を育てて咲かせるのが教育である!



MITOPENCOURSEWARE
  http://ocw.mit.edu/OcwWeb/web/home/home/index.htm

 MITがはじめた開かれた教育が世界に広がりつつある 大学教育は開かれたものであるべき、誰でもがただで受けられる授業。

 MITでは、大学の授業をインターネットを用いて世界中のひとびとがいつでもどこでも見聞き出来るようオープンコースウェアを導入している。

 オープンコースウェアのソフト、システムを設計開発したのはMIT教授の宮川 繁さんである。
 

オープンコースウェアのソフト、システムを設計開発したのは
MIT教授の宮川 繁さんである。


オープンコースウェアを管理するのがセシリアさん

・そして真の民主主義の実現は、私たち一人ひとりの行動にかかっている。