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民主党代議士から
首長に転じた「危ない」面々
@松沢神奈川県知事



青山貞一

初出:独立系メディア「今日のコラム」
掲載月日:2009年11月7日
無断転載禁


 
この2009年11月5日、よりによってこの時期に、沖縄県の仲井真知事と神奈川県の松沢知事が、米国ワシントンDCに出かけ、普天間基地代替施設は名護市キャンプシュワブ沖(辺野古)に立地するしかないとワシントンにあるジョンズ・ホプキンス大高等国際問題研究大学院で講演したという!!

 仲井真知事は、ごく最近、普天間基地の県外移設を強く要望した直後に、一転してわざわざ米国まで出かけ代替施設は名護市キャンプシュワブ沖(辺野古)に立地するしかないと述べている。仲井真知事はもともと自公推薦で知事になった人物なので、まだしも松沢知事の挙動は理解しにくい。

 さらに沖縄に次ぐ米軍基地県とはいえ、松沢神奈川県知事がよりによって「米軍再編は両国政府で結んだ約束だ。選挙のたびに政権が代わり、針路変更されては外交の継続性、安定した安全保障体制は築けない」と語り、普天間移設を巡り迷走する鳩山政権の姿勢を批判したというのだから驚きだ。

 その松沢知事は講演後、記者団に「時間をかけるうちに沖縄の世論が県内移設反対となれば現行計画もつぶれ、移設は宙に浮く」と指摘。6日に予定される米政府高官との会談で、在日米軍再編計画の着実な実施を求める考えを明らかにしたという。

「県内移設やむをえない」 
普天間問題で訪米中の沖縄県知事
 

2009.11.6 10:39 産経新聞

 【ワシントン=渡辺浩生】 訪米中の沖縄県の仲井真弘多知事は5日、当地で開催のシンポジウムで、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題について、「県内移設はやむをえない」と述べ、現在のキャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市)への移設での決着を容認する考えを明らかにした。また、「日本政府はどのような方針にするか検証中で、県に具体的な方針は示されていない」と不満を

 仲井真知事は「沖縄県民の大半が県外移設を望んでいるのは事実」と指摘しつつ、同沿岸部への移設計画は「10年の曲折を経た日米合意に基づくもので、環境アセスメントも行われている」と述べ、計画通りの移設は「やむをえない」と表明した。

 知事は先月26日に発表した談話では、「現実的かつ具体的な形で県外移設案を提示するのであれば、県としても、その実現を強く願う」と述べていた。

 同席した神奈川県の松沢成文知事も、「国外、県外移設は不可能で、米軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)統合案も困難」と指摘。「普天間問題が長期化すると米軍再編の全体の日程が遅れてしまう」と述べ、神奈川県内米軍施設の移動などにも影響すると強調。鳩山政権に対して、普天間飛行場問題の早期決着を訴えた。

 松沢、仲井真両知事は、米軍基地を抱える都道府県知事による渉外知事会の正副会長として、米軍基地の環境問題に関する特別協定の締結と日米地位協定の改定を求めて訪米中。



現在のV字滑走路案
出典:青山貞一:辺野古アセスを徹底検証  代替施設移設予定地の概要

普天間移設:政権の迷走批判 神奈川・沖縄両知事

毎日新聞 2009.11.6

 【ワシントン古本陽荘】 米軍基地を抱える14都道県でつくる「渉外知事会」会長の松沢成文・神奈川県知事と副会長の仲井真弘多(なかいま・ひろかず)・沖縄県知事は5日、ワシントンの大学で講演した。松沢知事は「普天間の問題でトラブルに陥っているのは非常に残念。パッケージとして日米両国が決めたもので合意に従って進めてもらいたい」と述べ、日本政府に在日米軍再編計画を着実に履行するよう求めた。

 松沢知事はさらに「米軍再編は両国政府で結んだ約束だ。選挙のたびに政権が代わり、針路変更されては外交の継続性、安定した安全保障体制は築けない」と語り、普天間移設を巡り迷走する鳩山政権の姿勢を批判した。

 また、仲井真知事も「普天間移設のベストの選択は県外への移設。だが、10年以上の紆余(うよ)曲折があり、経緯を考えれば沖縄県内に移設するのもやむを得ない」として、米軍キャンプ・シュワブ沿岸部への普天間移設を容認する姿勢を強調した。

 両知事は、基地周辺の土壌や河川の汚染を防止するための日米地位協定改定を求めるためワシントンを訪問。5日は米下院のスケルトン軍事委員長と会談し、日本側が環境調査のため米軍基地内に速やかに立ち入ることを可能とするよう、地位協定を改定するか、「環境特別協定」を締結するよう要望した。両知事は6日は米国防総省、国務省高官と会談する予定。


 下は神奈川県民の某ブログ。私が勤務する大学も神奈川県横浜市にあるが、こんなトンデモ人物が知事をしていることを恥ずかしく思う。 

 講演では、渉外知事会会長の発言としていたらしいが、記者からの質問に「渉外知事会としてオーソライズ(承認)したものではなく神奈川県知事としての見解だ」と訂正したという。

 もし、県知事として普天間基地代替施設のキャンプシュワブ沖移設を肯定する発言なら、どうみても越権発言であろう。また往復旅費、滞在費などへの公費支出は住民監査請求、住民訴訟(第四号訴訟)の対象となっても仕方ない。

 何で神奈川県知事がこの時期に、わざわざワシントンまでノコノコ出かけ、外交上重要な案件について、こんな勝手なことを言うのか?

 周知のように、沖縄が日本復帰後、沖縄県には米軍基地がひとつも新たに作られていない。仲井真知事や松沢知事は、率先してそれを推している。仲井間知事については、背後にはやっぱり利権があるのかと邪推、勘ぐられても仕方ないだろう。一方、松沢知事がここまで出しゃばる目的は何だろうか?

松沢成文さんは反日・反国民県知事?
2009/11/07

 日本国民であればだいたいが仕方がないのかと思う一方で、日本国内に治外法権の米軍基地があり、沖縄に集中している現状を何とかならないかとも思っているだろう。

 また、当然、日本がこんな大変なとき巨額の「思いやり」予算をだすのも、グアム移転費用を出すのも、「何でだ?」と疑問に思っているに違いない。現在の与党もその方向で考えているからこそ、沖縄の人たちの意見を待っているし、いろいろなオプションで悩んでいるのだろう。にもかかわらず、松沢県知事は米国でとんでもない発言をしている。まるで米国の知事だ。

 「普天間移設について松沢知事は「県外、国外の移設は不可能で、嘉手納統合も極めて難しい。今の辺野古でしか解決策はない」と現行案推進を強調。講演後に記者団には「時間をかけるうちに沖縄県民世論が反対になれば、辺野古案までつぶれ、普天間移設が宙に浮いてしまう。結果論としてはやってはいけない」と述べた。」

毎日: 松沢・神奈川県知事:「辺野古への移設を実施すべきだ」米で講演、神奈川の再編懸念
http://mainichi.jp/area/okinawa/news/20091107rky00m010001000c.html

で、この意見について本人は次のように言い訳している。

 「講演では、渉外知事会会長の発言としていたが、記者からの質問に「渉外知事会としてオーソライズ(承認)したものではなく神奈川県知事としての見解だ」と訂正した。」

 これはもう遅いだろう。米軍準機関紙のStars & Stripesは、記者会見での発言としてハッキリと次のように書いている。

"Our stance, as the governors association, is that we want the realignment to be completed by 2014 as agreed in the road map," Matsuzawa said during a recent news conference."
Stars & Stripes: Okinawa official in U.S. for SOFA, Futenma talks
http://www.stripes.com/article.asp?section=104&article=65874

 アメリカに赴き、意図的にこのような発言をしたとしか受け取りようがない。おまけに、松沢さんは税金を使い渉外知事会会長としてアメリカを訪問したのだ。そもそも彼の発言は渉外知事会の設立目的を逸脱しているのではないだろうか。

 そもそも松沢知事の前歴は民主党代議士である。

 その松沢氏が、100年に一度と言われる日本における無血市民革命(=政権交代)の延長で、民主党の小沢一郎代表(当時)、鳩山由紀夫代表(当時)が記者会見などで言明してきた普天目基地の県外・海外移設について、わざわざこの時期に、米国にまで行き普天間基地代替施設は名護市キャンプシュワブ沖に立地するしかないとお節介を述べるのは信じられないことだ。

 だが、よくみれば容易に分かるが、民主党代議士(大部分は衆議院議員)から首長に転じた政治家が、自民党代議士より右寄り、それも超がつく右より政治家で米国追随である。

 たとえば、

1)上記の松沢成文神奈川県知事、

2)度重なる女性スキャンダルで被害者の女性から数1000万円の損害賠償を提訴され最近、市長自ら辞職した中田宏元横浜市長氏。中田氏もこと国旗国歌問題などには、一貫して他の政治家同様、○右となる。

3)杉並区議から東京都議に転出を計った女性が東京都議選で落選。その直後に大阪7区から自民党衆院議員として立候補した女性と不倫騒動を起こした山田宏杉並区長.。

4)今年の春、民主党代議士から名古屋市長に転出した河村たかし市長。市民レベルではいいことをしているが、こと外交、思想的な問題となると、勢い他の政治家同様、○右となる!

5)政権交代後、八ッ場ダム事業中止問題で口汚く民主党に噛み付いた上田清司埼玉県知事。上田知事も新しい歴史教科書を作る会(八木秀次会長)のメンバーとタッグを組み埼玉県教育委員会に新しい歴史教科書の導入を働きかけてきた。

上記5人は、いずれも民主党代議士から地方自治体の首長に転出した政治家だ。

 彼らすべてに共通しているのは、目立ちがり屋で女性スキャンダルが多いことだけではない。自民党右派議員以上に右寄りの政治家なのである。彼らは教科書検定問題、北朝鮮問題、国旗国歌問題などで国家主義を超えたウヨであることだ。

 もちろん、民主党にはかつて弁護士法違反で裁判中の西村慎吾代議士(現在は改革クラブ)や現役の代議士でも松原仁衆議院議員に代表される超がつくほど右寄りの代議士もいる(いた)。

 さらに彼らの共通項としてあるのは、多くが松下政経塾を卒塾していることである。もっぱら、卒塾生には現役閣僚にも前原氏、原口氏の2名がいる。

 逆説すれば、上記の民主党代議士から首長転出組は、民主党の小沢一郎など主流派が同じ保守政治家でも、米国盲従、追随でなく、とくに小沢氏が是々非々の対応をしてきたことへの不満をもち、かといって民主党の外交、防衛政策に大きな影響を与えるほどの力もなく、民主党の外にでていったと言える。

 本連載では、これら民主党代議士から首長に転じた「危ない」面々について論じてみたい。


つづく