エントランスへはここをクリック   


伊方原発事故時
放射性物質拡散シミュレーション
インタビュー
(NHK大分)


青山貞一
環境総合研究所顧問
掲載月日:2015年12月6日
独立系メディア E−wave Tokyo
無断転載禁


 2015年11月13日 NHK大分放送局(テレビ)が緊急特番「どう向き合う”伊方原発”〜大分への影響を徹底検証"」(全体で30分)という番組を放映した。

 この番組は四国電力伊方原発が事故を起こしたことを想定し、以下の原子力防御措置の全体的枠組み及び関連自治体が策定した原子力防災計画に基づき防災訓練を実施することに関連し、環境総合研究所(東京都目黒区、以下、環境総研)が研究開発し活用している地形と気象を考慮した3次元流体シミュレーションが活用された。このシステムは、”民間版SPEEDI”とでも言えるものである。

 もちろん、現在の我が国の原子力防御措置の全体的枠組み及び関連自治体が策定した原子力防災計画には気象、地形を考慮した放射性物質の拡散シミュレーションは存在していない。
 
 以下は青山が関わった北海道ニセコ町における枠組みだが、以下の枠組みは全国各地のUPZ自治体にほぼ共通に関わるものと考えられる。









 環境総研では全国の原子力発電所(福島県を除いた50機)を対象として、もし福島第一原発並みの過酷な事故が起きた場合、地形、気象などを考慮した3次元流体流体力学モデルによる本格的な放射性物質の移流、拡散、沈降のシミュレーションを2013月春までに完了している。

 さらに、より詳細地域あるいは逆により広域地域を対象としたシミュレーション、さらに対象地域を当初の位置よりずらした場合などのシミュレーションには、要望がある場合、随時対応してきた。

 以下は環境総合研究所(東京都目黒区)の原発事故時シミュレーションシステムのエントランス画面である。


シミュレーションシステム 出典:環境総合研究所(東京都目黒区)

 上記のシミュレーション結果のなかでも伊方原発事故時のシミュレーション結果は常識からは考えられない複雑なものとなっている。これは間違いなく瀬戸内海沿岸地域の地形の影響によるものと思われる。これは原子力規制庁が2012年秋に発表した簡易シミュレーション(正規プリュームモデル)ではまったく分からないものである。

◆前提


シミュレーションの前提条件 出典:環境総合研究所(東京都目黒区)


四国電力伊方原子力発電所外観


伊方原発周辺の地形 出典:環境総合研究所(東京都目黒区)


伊方原発周辺の土地利用


伊方原発周辺の道路網


伊方原発周辺の年間気象 出典:環境総合研究所(東京都目黒区)
元データ:気象庁アメダス


伊方原発周辺の月別気象詳細  出典:環境総合研究所(東京都目黒区)

 シミュレーションの手法は、定常、非正規モデルであり、いわゆる運動方程式の偏微分方程式を差分法により解を求める数値解析を用いている。コンピュータ計算モデルは、風洞模型実験で精度検証した3次元流体力学数値解析モデル(有限差分法)である。


出典:環境総合研究所(東京都目黒区)

 下は左が環境総合研究所が開発した3次元流体力学(数値解析)モデル、右が原子力規制庁が2012年秋、UPZとの関連で行った地形を考慮しない簡易モデルの結果である。


出典:環境総合研究所(東京都目黒区)

 以下は環境中の空間放射線量から原発事故時の発生源強度を推定するための逆シミュレーションモデルの概念図である。


出典:環境総合研究所(東京都目黒区)

参考;青山貞一、梶山正三、鷹取敦、環境大気濃度から排ガス濃度を推定する手法の研究
    −厚木米海軍基地に隣接する産廃焼却炉を事例として−
    http://eritokyo.jp/independent/etc/prtr/atsugi1.html
    出典:境行政改革フォーラム2001年度 研究発表会予稿集 2001年12月

 以下は、予測結果の評価に関する疫学調査情報。






◆NHK大分の取材

 以下は 2015年11月4日東京の環境総合研究所(東京都目黒区)に取材に来られたときに撮影した写真である。NHK大分の担当ディレクターは古本さんです。古本さんは、もともと高知の県立高校、高知大学を卒業されNHKに入社された女性ディレクターです。彼女は高校、大学と硬式野球でセカンドを守っていたという方で、大変闊達な方です。


NHK大分による取材時(2015年11月4日)の写真
撮影:鷹取敦 Nikon Coolpix S9900 2015-11-9


NHK大分による取材時(2015年11月4日)の写真
撮影:鷹取敦 Nikon Coolpix S9900 2015-11-9


NHK大分による取材時(2015年11月4日)の写真
撮影:鷹取敦 Nikon Coolpix S9900 2015-11-9


NHK大分による取材時(2015年11月4日)の写真
撮影:鷹取敦 Nikon Coolpix S9900 2015-11-9


◆NHK大分 ドキュメント
「どう向き合う”伊方原発”〜大分への影響を徹底検証"」ト放映


 四国電力伊方原発事故時の放射性物質の3次元移流、拡散、沈降のシミュレーションについては、すでに愛媛新聞、大分合同新聞、高知新聞が一面トップで報道しているが、NHKがが同シミュレーションを取り上げたのははじめてである。

 下は2015年11月13日に放映されたNHK大分の「どう向き合う”伊方原発”〜大分への影響を徹底検証"」の一場面である。


2015年11月13日放映
NHK大分の「どう向き合う”伊方原発”〜大分への影響を徹底検証"」


2015年11月13日放映
NHK大分の「どう向き合う”伊方原発”〜大分への影響を徹底検証"」


2015年11月13日放映
NHK大分の「どう向き合う”伊方原発”〜大分への影響を徹底検証"」


2015年11月13日放映
NHK大分の「どう向き合う”伊方原発”〜大分への影響を徹底検証"」


2015年11月13日放映
NHK大分の「どう向き合う”伊方原発”〜大分への影響を徹底検証"」


2015年11月13日放映
NHK大分の「どう向き合う”伊方原発”〜大分への影響を徹底検証"」


2015年11月13日放映
NHK大分の「どう向き合う”伊方原発”〜大分への影響を徹底検証"」


2015年11月13日放映
NHK大分の「どう向き合う”伊方原発”〜大分への影響を徹底検証"」


2015年11月13日放映
NHK大分の「どう向き合う”伊方原発”〜大分への影響を徹底検証"」