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東京23区南部の大気中

ダイオキシン、重金属濃度が上昇

生活クラブの松葉調査で判明


掲載月日:2013年6月7日
独立系メディア E−wave Tokyo
無断転載禁


 昨日は、東京都世田谷区で生活クラブ主催の松葉を生物指標として大気中のダイオキシン類及び水銀など重金属類を市民参加で測定関する活動の調査報告会がありました。報告は1999年の調査開始以来この活動の事務局長をつとめている環境総合研究所顧問の池田こみちです。

 世田谷区三軒茶屋の会場は生活クラブ東京23区の組合員、一般参加者、23区行政関係者らで超満員となりました。

 広島県や山形県からも参加されました。今回、青山貞一と鷹取敦が2台の超小型ハイビジョンカメラを会場に持ち込み、池田の調査報告、その後の質疑応答のすべて収録しました。これについては後日、独立系メディア E-wavet Tokyoで公表する予定です。


撮影:青山貞一 Victor GZ-265E 2013-6-6

 本生活クラブの松葉調査の大きな目的は、東京都が廃プラスチックを焼却処理する前後に松葉を生物指標として大気中のダイオキシン類や重金属類の年平均濃
度を測定することによって、汚染レベルがどう変化したを定量的に分析、評価することにあります。対象は東京23区南部地区(世田谷区、大田区、品川区、目黒区、江東区、江戸川区)を対象に評価することにあります。

 調査結果の詳細は動画にゆずりますが、結果を要約すれば、東京23区南部地域の大気中のダイオキシン類濃度及び12種類の及び重金属類濃度の多くが廃プラスチック焼却後大幅に濃度が上昇しています。

 ここ数年、東京都ががれき広域処理で大量の震災廃棄物を焼却していますが、その影響を定量的に把握することは困難ですが、廃プラ焼却の影響はほぼ間違い
のないところです。とりわけ東京都大田区、江東区などでの濃度の上昇が顕著となっていました。

 ここ3年、3.11による福島原発事故の影響が重要なものとなっていますが、その影で間違いなく大気中のダイオキシン類(PCDD, PCDF, Co-PCB)そして水銀はじめ各種の重金属類濃度が上昇していたことが定量的また異性体、同族体などのパターンとして把握されたことになります。


撮影:青山貞一 Victor GZ-265E 2013-6-6

 ご承知のように空気は水のように選択して摂取することはできず、毎日一年365日吸い続けるものであり、濃度上昇はそのまま私達の健康リスクを高めることになりかねません。

 環境総合研究所(東京都目黒区)では、1999年以降、カナダ・オンタリオ州トロント郊外にありますカナダ最大の分析機関と技術、業務提携を締結し、全国規模で行われている日本の松葉を用いた大気中ダイオキシン類の測定監視活動を測定分析、技術面で全面サポートしてきました。

 この間、全国で一連の松葉調査で参加された市民の数は10万人を超えています。また分析結果は、国際会議、国内外の学会にも多数発表しています。

 なお、池田が作成し昨日会場で配布しましたカラー版の詳細調査報告書は、A4で40頁弱に及ぶもので、学術的にもオリジナリティーがあるものです。

 池田こみちから別途、正式な報告がありますが、この間、松葉の採取、費用のカンパなどにご尽力されました23区南生活クラブ生活協同組合の皆様には、この場をお借りして感謝申し上げます。