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真夏の上信越を行くH
群馬の砂防ダムと草津白根山

青山貞一池田こみち

4 September 2009 無断転載禁
初出:独立系メディア「今日のコラム」


 2009年8月20日、群馬県六合村(くにむら)の「花楽の里」で一休みした後、ひさしぶりに草津白根山に向かう。

 途中、品木ダムや多くの砂防ダムをみる。



 品木ダムは、真水をためるダムではなく、草津温泉、万座温泉など硫黄分を多く含む源泉掛け流しの水を途中中和工場で中和し中和化した水を発電用に用いるダムであるという。発電用に使った水や大降雨時に放流する水は白砂川に流れ込む。



品木ダム(しなきダム)

 群馬県吾妻郡六合村、一級河川・利根川水系湯川に建設されたダムである。

 高さ43.5メートルの重力式コンクリートダム。目的は他のダムと異なり日本屈指の酸性河川であった吾妻川の水質改善、河水の中性化を最大の目的としているダムであり、これに付随して水力発電も行う。施工は群馬県が行ったが、完成後建設省に管理が移され現在は国土交通省関東地方整備局が直轄で管理を行っている。ダムによって形成された人造湖は上州湯の湖(じょうしゅうゆのこ)と命名されている。

出典:Wikipedia


 吾妻川支流の各河川における酸性度を記す。河川名は上流からの吾妻川へ合流する順で掲載する。黄色欄は酸性度が高い河川。砂防ダムがあった大沢川も含まれている。

一次支川 二次支川 酸性度(pH)
湯尻川 (本川) 7.7~7.9
万座川 (本川) 3.6~6.7
遅沢川 (本川) 2.4~3.2
白砂川 本川上流部 4.9~5.6
湯川 1.8~2.7
大沢川 2.3~3.2
谷沢川 2.8~3.9
湯川合流点 2.2~3.0
温川 (本川) 6.9
四万川 (本川) 6.7~8.0
名久田川 (本川) 7.2
沼尾川 (本川) 6.8
出典:Wikipedia


品木ダム

 
この辺では各所に衆議院議員選挙のポスターが張っている。あの小渕優子の地盤だ。何しろ群馬県は、過去4人の総理大臣(いずれも自民党)を出している土地柄か、やたらダムや砂防ダムが多くつくられている。それにこれでもかというくらい、過剰に道路が整備されている。いわゆるスーパー林道のオンパレードだ。



 とりわけすごいのは、いうまでもない長野原町、東吾妻町で工事が進められている八ッ場ダム事業だ。このポスターのすぐそばにも砂防ダムがあった。
 


 
さらに草津側に292号線を登ると別の砂防ダムがあった。



 さらに六合村から草津町側に行くと、大沢川という一級河川があり、そのそばに大きな砂防ダムが横たわっていた。



 
このダムは砂防ダムとしては結構巨大だ。



 
ダムの下流は下の写真のように、コンクリートで河道がつくられている。



 
この後、草津町に入り志賀草津道路で名峰、白根山を目指す。


草津白根山。山頂はテーブルマウンテンとなっているが、火山活動により樹木はほとんどない。 出典:Wikipedia

     
 ちなみに独立系メディアのエントランス画面などにある左の写真は、その昔、草津白根山で撮影したもの。

 草津白根山は、フォトジェニック。どこから撮影しても絵になる。それだけ希有で秀逸な地形をしているということであろうか。

 草津白根山に到着する。

 いつも湯釜に登る登山道には立ち入り禁止の看板が立っている!

 何でも火口付近で火山活動が活発化しており当分の間、中央登山道からの登山は見合わせていると書いてあった!




 
下は中央登山道。これを頂上まで登ると湯釜を見れるが、誰一人として登っていない。過去4回来ているが、立ち入り禁止は今回がはじめてだ。



 休憩所で聞くと、もうひとつの登山道があるという。そこで、もうひとつの登山道を上る。それほど傾斜はない。

 残念ながら今日は花曇りで遠くの山々はよく見えない。下の写真はまるでアフガニスタンのカイバル峠みたいだ。この辺りの標高は2000mを遙かに超えている。




 下は頂上で撮影した草津白根山のエメラルドグリーンの湯釜。やはり白根山に来たらこの湯釜を見ないとね。



 
それにしても浅間山と言い白根山と言い、このところ火山活動が活発化しているのは、何かの前触れか? 下の写真はこの世の物とは思えない美しい自然景観だ! いつもみる角度と違うのみ新鮮みがある。



草津白根山(くさつしらねさん)

 群馬県吾妻郡草津町に位置する、標高2,160mの活火山。他の白根山と区別するため、草津白根山と呼ばれる。通常、この山を「草津白根山」と呼ぶが、近隣の逢ノ峰・本白根山を含めた三山の総称とする場合もある。

 山頂付近は白い山肌が広がっているのが特徴であるが、1882年の噴火以前は火口付近まで緑が広がっていたという。

 現在、山頂は硫化水素ガス発生のため立ち入りが規制されているが、山頂付近の湯釜と呼ばれる火口湖は観光地として有名。その他にも水釜、涸釜と呼ばれる火口湖がある。かつては周辺に幾つかの硫黄鉱山が存在し利用されており、現在は鉱山跡を見学することも出来る。

 東京工業大学火山流体研究センターは、主に草津白根山を研究対象として、「マグマ中の揮発性成分の挙動」、「火山体内部の熱水系」、「火山ガス放出量の連続測定法」などを研究している。

出典:Wikipedia


 下は東京工業大学火山流体研究センターの白根山頂データ中継施設。




 
下の写真は、頂上から登山道を降りる途中で撮影した上信越高原国立公園の自然公園。この自然公園には何度も足を運んでいるが、来る度に湿原が干上がっているように見える。



 
この後、私たちは万座高原、嬬恋高原を経由し、北軽井沢に帰った。


つづく