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信じられない!

肝心な地点の地震計、

 昨夏から故障放置

青山貞一 Teiichi Aoyama

September 30, 2014
Alternative Media E-wave Tokyo


 何と、御嶽山頂の一番重要な地点(御嶽山山頂、剣ガ峰近く)に設置されていた地震計が昨夏から故障していて噴火時、観測できなかったことが分かりました。さらに、望遠カメラが設置されている御嶽山滝越の地震計も昨年6月に故障していたそうです。これが事実だとすると「過失」そのものではないかと思われます。

 心肺停止となっている方々の親族はこれを聞いて愕然とするでしょう。


出典:朝日新聞

 下の4つの断面、平面地図を見ても、<御嶽山山・頂剣ヶ峰>地点がいかに重要な地点であるかが分かります。

 この地点は火山噴火の初期微動の震源地のような場所です。そこにある地震計が昨年の夏以来故障となっていたというのですから、唖然とします。


出典:御嶽山登山マップ(部分)


出典:御嶽山登山ルート図


出典:日刊スポーツ


出典:長野県王滝村

 ひょっとしたら、予知連絡会や気象庁が「想定外」とか「検知は不可能」など言っていたのは、この事実をあらかじめ知っていたからではないかと勘ぐりたくなります。

 もっぱら、故障中の測定器は長野県の物ですが、これが事実だとすれば、いずれにしても30人以上が亡くなる可能性が高い火山噴火事故における原因追及における大きな争点、論点となると思います。

  以下が朝日新聞の記事の全文です。

◆御嶽山頂の地震計、昨夏から故障 噴火時、観測できず(朝日新聞)
http://digital.asahi.com/articles/ASG9Y76JCG9YULBJ01X.html
熊井洋美 2014年9月30日15時02分

 御嶽山の山頂付近に長野県が設置した地震計が、昨年8月から故障で観測できない状態だったことが30日、わかった。老朽化で故障したが、火山観測で連携している名古屋大が秋にも山頂に新たに地震計の設置を準備していたため、県単独の更新を見合わせていた。

 気象庁火山課によると、御嶽山では1979年の有史以来初めての噴火を受け、88年に常時観測を開始。現在、同庁のほか長野、岐阜両県、名古屋大、防災科学技術研究所などが12カ所に地震計を設置、他にも傾斜計や空振計、衛星測位システム(GNSS)など複数の計器が備えられている。データは、気象庁に常時提供され、活動の監視に使われている。



 地震計のうち火口に最も近いのが、長野県が管理する「御嶽山頂」観測点だ。県砂防課によると、84年の長野県西部地震による土砂災害を受けて、土砂災害を防ぐ目的で97〜00年度に山頂を含めた3カ所に地震計を設置。補修を繰り返して使ってきたが、昨年6〜8月、うち山頂を含む2カ所が故障した。

 山頂は、寒暖差が激しく、雷などの被害にも遭い、一般的に機器の維持管理は難しいという。

 1年以上も新しい地震計が設置されなかった理由について、県砂防課は「連携する名古屋大と協議を続けていた」と話す。故障した地震計のうち、入山規制区域外にある1カ所は、名大と協力して、10月上旬にも設置が完了する見込みという。

 御嶽山の観測データは、気象庁が24時間態勢で監視している。火山課の担当者は「山頂の地震計が観測できていれば、いくぶん精密に変化がわかったかもしれないが、噴火警戒レベルを上げることができた可能性は低い」と話している。

 研究者からは「山頂の地震計があれば、もう少し早い段階で噴火の予兆がつかめたかもしれない」という声があがる一方、「故障の放置は好ましくはないが、大切なのは監視にあたる職員がデータを読み取る力を向上させることだ」と指摘する。(熊井洋美)

 気象庁火山課の担当者が「山頂の地震計が観測できていれば、いくぶん精密に変化がわかったかもしれないが、噴火警戒レベルを上げることができた可能性は低い」と話している、とありますが、これは相手をかばってのことでしょう。

 そもそも、気象庁は来るべきデータが来ないとしたら、長野県側に何度もその旨を連絡しなければならないでしょう。連絡したという証拠が残っているのでしょうかね?
 
 長野県は、 危機管理以前に、「機器管理」ができていなかったことになります!冗談ではありません。

 さらに、ひょっとしたら国は欠測であることが分かっていて、1年のブランクを甘く見ていたのではないかとさえ思えます。

 これが事実であり、昨年から頂上の地震計からデータが来ないことを気象庁や予知連絡会の面々が知っていたとなると、いくら言い訳をしても、近い将来30人を遙かに超すであろう遺族が国会賠償訴訟や民法の不法行為の損害賠償訴訟を起こした場合、行政側が負ける大きな証拠となるでしょう。