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火山の噴火・地震・観測の基礎情報

監修:青山貞一 Teiichi Aoyama

October 5, 2014
Alternative Media E-wave Tokyo


<火山噴火と地震に関する解説>

 御嶽山の火山噴火、地震、観測などに関連し、主な基礎知識、基礎情報を監修した。参考にして欲しい。

◆火山噴火の種類

  火山の噴火にも、いろいろ種類がある。マグマには水蒸気や二酸化炭素などの気体成分が溶けこんでいるため、マグマが地表近くまで上昇して圧力が低下すると、気体成分が泡となってマグマの中の圧力が大きくなり、噴火を起こす原因となる。

・マグマを伴う噴火
 マグマが液体として火口から流出したり,火砕物とガスの混合物として噴出するもの。

・水蒸気爆発
 地中で熱せられた地下水が水蒸気となって爆発することを意味する。

・マグマ水蒸気爆発
 マグマが直接、地下水や海水に接触して水蒸気となり爆発することを意味する。

出典:http://www.jaea.go.jp/04/tono/kenkyusitu/web/earth/e0307.html


出典:BSフジ FNN 2014年9月28日

◆火山性微動

火山性脈動とも呼ばれる。短いものから数日以上続く長いものまである。

・火山性連続微動
比較的長期間続き、活動的な火山では常時発生している。振幅は非常に小さい。火山活動が活発になると、振幅が大きくなったり、微動がとまったりすることがある。

・孤立型微動
阿蘇山特有の、突発的に発生する短い微動。火山性連続微動とは周期が少し異なる。振幅はやや小さい。

・孤立微動
やや長時間続く微動。振幅は大きい。


出典:Wikipedia


地震の4タイプ。×が火山性地震    出典:Wikipedia

火山性地震について

 厳密には、火山性地震は「火山の近くで発生する、震源の深さが10km以浅の地震」と定義される。A型地震10km以浅の中で比較的深いところで発生する。地震の波形は最初の波が一番大きくて次第に小さくなり、ほぼ三角形となる。P波とS波の区別がしやすい。震動の周期は短い傾向にある。

B型地震
多くが震源は1kmより浅く、非常に浅いところで発生する。地震の波形は一定のリズムで大小を繰り返すような紡錘形となる。P波とS波の区別がしにくい。震動の周期は長い傾向にある。

爆発地震
地震の波形は最初の波から急激に大きくなってその後大小を繰り返しながら次第に小さくなり、紡錘形に近い三角形となる。震動の周期がほぼ一定となる。D型地震、噴火地震などとも呼ばれる。

T型地震
はじめは周期が短く、だんだんと周期が長くなるとともに周期が一定して長時間継続する。安山岩質の火山に多い。N型地震とも呼ぶ。

深部低周波地震
比較的深いところを震源とする。地震の波形は、周波数の低い波を含む波形(低周波)となる。


出典:Wikipedia

◆気象庁|各種の火山観測(常時観測・機動観測
 http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/kaisetsu/volmonita/volmonita.html

 気象庁による各種の火山観測の実際を写真を入れて示している。


浅間山の火山性地震の事例
出典:気象庁


浅間山と鬼押出し園の位置関係  出典:グーグルマップ


浅間山を背景に 左が斎藤真実、右が池田こみち
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8 2014-7-17


◆地震計について
 出典:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E9%9C%87%E8%A8%88


出典:Wikipedia


3成分を同時に測定できる地震計の内部。この地震計のように、外形は円筒形のものが多い。
出典:Wikipedia


気象庁精密地震観測室(松代)大坑道に設置されている地震計(STS-1,STS-2,etc)
出典:Wikipedia


火山活動連続監視網データ

 以下に実際のデータがあるが、御嶽山は含まれていない。
 出典: http://vivaweb2.bosai.go.jp/viva/v_rsam.html#

 以下は那須岳の事例

 
 出典: http://vivaweb2.bosai.go.jp/viva/v_rsam.html#


火山用長周期地震計によるマグマの動向把握に関する研究
  論文(PDF)
  http://www.mri-jma.go.jp/Publish/Technical/DATA/VOL_12/12_101.pdf


草津白根山の監視測定の種類と位置

  以下は、「草津白根山の火山活動(pdf)」にある草津白根山の監視測定の種類と位置である。気象庁、国土地理院、防災科学技術研究所、東京工大、東京大学の監視測定機器が備え付けられていることが分かる。


「草津白根山の火山活動(pdf)」における火山活動監視測定
http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/souran/main/44_Kusatsu-Shiranesan.pdf


◆実際の登山者への警報レベル(浅間山に対する軽井沢町)の例

 以下は長野県軽井沢町による浅間山の噴火警報周知の例である。


出典:軽井沢町

 ※  浅間山の火山活動解説資料(東京大学) pdf