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LCC エア・アジア 搭乗記

青山貞一 Teiichi Aoyama 
Nov 23 2016
独立系メディア E-wave Tokyo
無断転載禁



出典:エア・アジア

 東南アジア諸国には、いままでマレーシア航空などを使っていましたが、今回初めてマレーシアを拠点とするLCCのエア・アジア航空を使ってみました。その結果、多くのことが分かりましたので、情報をシェアしておきます。ただし、以下の搭乗記はあくまでも青山貞一の私見です。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900

(1)運賃: 
 航空運賃はまさに時価なので、同一地点間での航空運賃でエア・アジアが一番廉価であるかどうかはわかりません。ただし、マレーシア航空など同一エリアを拠点としている航空会社の運賃に比べれば半額以下のようです。通常、インターネットなどで予約する場合の料金には超過燃料料金及び空港諸税が含まれています。ただし、セール中の航空券には、片道だけの料金となっていることがあるので要注意です。

 たとえば以下の料金はいずれも片道のものです。往復の場合、通常×2の価格となります。その場合には、マレーシア航空などLCC以外の料金にも類似の価格があります。LCCの場合、後述するように、荷物の持ち込み料金はじめさまざまな別途料金がかかるので、結果的にLCCの方が高額となる可能性もあるので要注意です。


出典:エア・アジア

 さらに後述するように、クアラルンプール経由で他の国に行く場合、クアラルンプールでトランジットすることになりますが、場合により、このトランジット時間が10時間を超えることがあります。そうなるとトランジットホテルを使うことになり、結果的に金と時間を考慮するとLCCの方が高くなることがありますので、セールの料金に惑わされることなく、比較することが大切です。

 なお、エア・アジアのメインとなるカバレージは、以下の地図の通りです。マレーシアをフランチャイズとしており東南アジア諸国の諸都市をカバーしており、東は東京、西はジェッダ、南はメルボルン、北は北京となっています。


出典:エア・アジア

(2)乗り換え時間: 
 羽田−マレーシア(クアラルンプール)往復の場合はまったく問題ありませんが、マレーシアを経由して他都市に行く場合、クアラルンプールでのトランジット時間がかなり長時間になる可能性があります。これは行き先、時間などによります。

(3)乗り換え空港
 クアラルンプールにおけるエア・アジアの空港ターミナルは、マレーシア航空が使う空港ターミナルと異なります。マレーシア航空の場合は、同じクアラルンプール空港ターミナルでもKLIAという空港ターミナルであるのに対して、エア・アジア航空の場合は、KLIA2という空港ターミナルとなります。いずれも巨大ないわゆるハブ空港です。 


出典:KLIAとKLIA2利用ガイド

 下の地図は、KLIAとKLIA2の位置関係を示したものです。両空港ターミナルは同一ビルにはなく、離れており行き来する場合はいったん空港ターミナルビルを出ないと行けません。


出典:KLIAとKLIA2マップ

 以下はKLIAとKLIA2の位置関係です。


出典:グーグルマップ

 以下がエア・アジアなどのLCCが使うKLIA2空港の全景です。ご覧のようにピアが5つある巨大ハブ空港です。


出典:https://matome.naver.jp/odai/2139319997084047701
 
 下はKLIA2空港ターミナルのピアです。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900

 以下はKLIA2空港ターミナのピアPの例です。 


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900

(4)トランジットホテル:
 エア・アジアを使用してクアラルンプールに行く場合は別として、たとえばインドネシアなどマレーシア以外の諸国に行く場合、クアラルンプール空港ターミナルでトランジットを行います。トランジット時間が5時間程度の場合はよいとして、10時間を超える、さらに17時間などとなる場合、ターミナルビル内の椅子やソファで過ごすのは、かなり厳しくなります。

 ただし、若者などは、ソファ、さらには床で寝ています。クアラルンプールのKLIA及びKLIA2のターミナルビル内には、トランジットホテルがあります。これはいったん空港の外に出ることなく、宿泊が可能なホテルを指します。トランジットホテルには、比較的高額なものから、カプセルホテルまであります。ちなみにSAMA SAMA EXPRESS2 HOTELは、一室で12時間一室当たり約1万円となります。予約は日本から可能で24時間営業しています。

 このホテルはKLIA2だけでなくSAMA SAMA EXPRESS2 HOTELという名称でKIRIAにもあります。紛らわしいので、予約時に注意が必要です。


出典:SAMA SAMA EXPRESS2 HOTEL


出典:SAMA SAMA EXPRESS2 HOTEL

 なお、ターミナルビル内には、スマホやデジカメなどのバッテリーを充電するコンセントがありますが、マレーシア仕様から日本仕様に変換する簡単なプラグが必要となります。ちなみに、上記のSAMA SAMA EXPRESS2 HOTELの場合は、各国仕様に対応しているので、日本仕様のACプラグをそのまま使えます。

(5)荷物(重要): 
 機内持ち込み可能な大きさの荷物は、2つまで上記の運賃に含まれますが、持ち込み範囲を超える大きさの荷物については、20kgまで片道で12000円、往復で24000円の超過料金を徴収されます。20kg以上は5kg刻みでさらに超過料金を取られます。

 超過料金はあらかじめインターネットで予約した場合は半額となります。ただし、行き先により上記は異なる可能性があります。したがって、エア・アジアを使用する際は、機内持ち込み可能な2つまでのスーツケース、リュック、バッグに限定すべきです。


出典:エア・アジア

(6)食事・飲料: 
 食事、それにあらゆる飲料、あらゆるお菓子は、すべて有料です。あらかじめインターネットで予約するか、機内でも購入可能です。値段は市価より少し高め程度です。


出典:エア・アジア


出典:エア・アジア

 支払いは、メニューにあるように原則としてマレーシアリンギット(MR)ですが、持ち合わせがない場合には、その他の通過でも払えます。例えば、インドネシア便であれば、インドネシアルピア(INDR)など。

(7)ひざ掛け: 
 機内の冷房による寒さを防ぐためのひざかけは廉価ですが有料です。

(8)AV装置: 
 機内の座席にはDVD,ゲーム、音楽などは有料、無料を問わずありません。

(9)乗り心地: 
 エコノミーの場合も前の座席との間隔が広めであり、また椅子がリラックスや就寝に適しています。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900

 なお、エア・アジアでは、エアバスの320と330を使用しています。以下は320の場合の3−3の座席配列です。


出典:エア・アジア

 エアバス330の場合は、以下のような3−3−3の座席配列となります。いずれも、他の航空会社よりも前後の間隔が広めで乗り心地はグーです。


出典:エア・アジア

(10)客室乗務員: 
 若いスタッフで態度もよく、親切です。また私語もほとんどなく、よく働いているので好感をもちました。


出典:エア・アジア

(11)乗客層: 
 圧倒的に若者が多いと感じました。やはり運賃が格安なためでしょう。

(12)操縦: 
 今回の便は往復ともに非常にすばらしい操縦で、とくに着陸時(ランディング)はすばらしかったです。