エントランスへはここをクリック   

イラク高等法廷の違法性

を国際社会に訴える


ラムゼイ・クラーク
(元米国司法長官)


原文初出:2006年10月10日

掲載:2007年1月4日

 以下は一次翻訳素原稿受領後、修正、推敲中のものである。ことの重要性に鑑み、暫定訳文を掲載する。巻末に英文原文を示す。 青山貞一 

ラムゼー・クラーク(William Ramsey Clark)は、1927年12月テキサス州ダラス生まれ。テキサス大学オースチン校でで学士、シカゴ大学で修士及び法学博士(1950年)を取得。弁護士で1967年〜1969年、リンドン・ジョンソン政権時代時のアメリカ合衆国の司法長官人権派弁護士としてベトナム戦争、湾岸戦争、ユーゴスラビア戦争など国際的舞台での司法で活躍。現在79歳。
青山貞一ブログ版  英語の原文

<イラク高等法廷のサダム・フセイン大統領およびその他の被疑者に対する非合法で不公正な審理は、国際法を脅かしている>

 被疑者の身柄を現在のイラク政府に引き渡す前に、国連機関によるイラク高等法廷の法にのっとった公平な調査が不可欠である。

 暴力の応酬で不安定となっている現在、ドジャイル事件の公判に基づいて被疑者をイラク政府に引き渡せば、国際法の将来が脅かされ、イラクを死に導く内戦を引き起こすおそれがある。

◆各国国連大使各位◆

 6月に行われたイラク高等法廷(以下、ISTと略)は、2006年10月16日に最初の事件(ドジャイル事件)に関し、最終判決を下すことが予定されている。法廷の報道官は2006年10月2日、この日程に言及したが、確実ではないと理由をあげて述べた。

 米国の法律家とイラクの政治家は今のところ判決が2006年10月25日に言い渡されるだろうと述べている。

 ブッシュ政権は11月7日の米国議会選挙(中間選挙)の前に判決が下されることを望んでいる。その日は早晩来る。有罪判決が下されたら、刑の執行はすぐに下されるであろう。

 検察官は8人の被疑者のうち、サダム・フセイン大統領、タハ・ヤシン・ラマダン副大統領を含む5人に死刑を求刑した。

 裁判長は、サダム・フセインの審理の前に、はしばしば被疑者に対する憎しみを露わにし「裁判など必要ない。すぐ絞首刑にせよ」と述べている。

 また、裁判のなかで、全被疑者に対し「彼らの手は生まれつき血まみれである」と言い放っていた。

 適用される法規では、死刑は判決確定後30日以内に執行されなければならないこととされているが、数日あるいは数週間で直ちに確定することもある。 註:イラクの司法制度では、裁判は二審制となっている。

<イラク高等法廷(IST)は、米国の政策の道具そのものである。それは合法ではありませんし、独立しておらず公平でもない>

 ISTの設置と運営は、米国の政治的意図を忠実に実行することを目指している。ISTは、2003年来、米国がイラクに侵略戦争をしかけ、不法占領を続けていることによる産物であると言える。

 この法廷は合法でない。審理自体が不公平なのは明らかである。その決定は、米国とその追従者など、勝者のための勝者による裁きとなる。

 IST設立の法律の下案をつくったのは米国の法律家たちだ。ISTには、米国が資金を提供している。司法関係者も米軍が選出している。その司法関係者は、米軍が訓練・研修を受けさせ、米軍のもとで保護されている。米国はISTの動きを直接指示している。

 ISTが侵略戦争にはじまり、その後、イラクを不法に占領をしている米国の政策を支援していることをみればも、ISTが合法ではないことが分かる。

 ISTは公平性にとって不可欠な独立性がない。それは米国と米国が支援するイラク政治指導者たちの外部圧力に曝されている。裁判官3人は重要審理の項目設定に関する判断が、外部圧力グループの意に沿わなかったとして更迭されている。

 さらに、弁護団のうち4人が誘拐され、拷問に遭い、殺害された。法廷職員と彼らの家族も殺された。このようにバグダッドとイラク全土を恐怖で覆いつくしている無秩序で壊滅的な暴力は公正な裁判を不可能としている。

 ISTの裁判官は公平ではない。裁判官たちは、サダム・フセイン政権下での犠牲者であると主張するフセインの敵であることを自認している。

 ドジャイル事件に関連した裁判の裁判長は、ハラジャのクルド人の村で生まれ育った。裁判長は彼の血縁者や友人が1988年の毒ガス攻撃で多くの人とともに殺されたと主張している。

 そもそも彼は、イラク政府(フセイン政権)への暴力行為を理由にイラク法廷(バーシスト法廷)で2度にわたり死刑宣告を下されている。このようにISTは有罪判決を意図して設置されたものである。

 裁判の審理では正義が腐敗してており、不公平かつ適正手続から著しく逸脱したものとして国際的に認知されている。暴力により弁護団が資料や目撃者の居場所を調査、発見する機会は得られなかったのである。そもそも、それらの情報などはすべて米国に握られ、弁護団は証言や審理記録の転載さえ許されなかった。

 検察当局は、7ヶ月の時間をかけてゆっくり事件を陳述してきたが、弁護団はその後すぐさま弁護を強いられた。

 5週間の審問が続いた後、「あなた方が34人の目撃者の証言で無罪を証明できないなら、100の証言は必要ない」と裁判長が述べ、重要な目撃者の証言そのものが切り捨てられた。

 副首相タリク・アジズはサダム・フセイン大統領を強く支持する証言をおこなったため、タリク氏自身が生命の危険にさらされている。彼は何の容疑も明かされないまま米軍に拘束されているのだ。

◆ドジャイル事件◆

 ドジャイル事件の罪状は1982年夏、イラン・イラク戦争中、ドジャイルという名の村で、サダム・フセイン大統領及び他の場所でのタリク・アジスを含むイラクの指導者の暗殺が試みられたことへのイラク政府の対応に関するものだ。

 イランはイラクの3.5倍の人口と1972年から76年の間、シャーが米国から購入した240億ドルの武器で、イラン領土からイラクを攻略し、イラクとの長い国境の一部に沿って、イラク領に侵入した。

 イラン国境とバグダッドの双方に近いドジャイルは、イランで創設されイラク政府打倒を公約したダーワ党の地下組織の中心地であった。ダーワ党は共産党同様イラク国内では非合法とされていた。

 フセイン大統領が乗った車は、ドジャイルを通過中に発砲、被弾した。何人かがイラン側に向け逃走すのが目撃された。

 その地域では、数日間銃撃戦と小規模の戦闘が続いた。イラクのヘリコプターは、暗殺者らが隠れた道に隣接する果樹園を爆撃した。その道はバグダッド北部からドジャイル、ティクリート、サマッラ、モスルそして戦時中重要な輸送ルートだったトルコ国境へとつながる幹線自動車道だった。

 何日かたち、ドジャイルで数百人が逮捕され取調べを受けた。その人数は村の人口の2%以下であった。拘留施設を確保するため、逮捕者はバグダッド近くのアブグレイブに移送された。

 今のアブグレイブ刑務所は、その後に建設されたものである。大部分の収容者は、子ども達が両親と切り離されないよう、数ヶ月のうちにドジャイルとイラン国境から離れた西にある砂漠の中の拘置所に家族ごと移された。彼らの大部分は2003年に解放されドジャイル村に帰えされるまでそこに抑留されていた。

 米国は1941年12月7日の日本軍の奇襲攻撃後、1942年の2月から3月にかけ西海岸の日本人と日系アメリカ人11万人を逮捕した。彼らの所持品はすべて没収され、1945年まで拘置所に監禁し続けた。

 ドジャイルの中の道に隣接した果樹園は、大統領の乗った自動車に発砲した人々の姿やイラン人、それにイランに同調する人々を隠す場所ととなるため伐採された。

 皮肉にもドジャイルの住民だった被疑者の2人は、破壊された果樹園の所有者だったが、すべての所有者はその損害を補償された。

 イラクの司法制度に基づき2年間の調査を終了した後、ダーワ党と自白した148人が戦時中イランに武力支援を提供するために武装蜂起した反逆罪で告発された。2週間以上にわたり当時のイラク法廷は、調査記録と自白を照査し有罪判決を下し、死刑が求刑された。

 1年後の1985年、裁判官と法の専門家による調査と法に基づく大統領署名にもとづく執行命令により死刑が確定され、何人かの被疑者の死刑が執行された。

 刑務所で亡くなった者もいた。反逆を犯した時点で何人かは18歳未満だった可能性もある。

 フセイン大統領の弁護側証人は、最近ファルージャで生存している被疑者の何人かに会ったと証言している。

 ISTが1982年から85年の裁判記録の見直しを命令することも、弁護人に資料を引き渡すことも拒否したため、司法の独立が保たれ、裁判が公正に進められたことを示す文書の証拠を記録に見つけることはできなかった。

 この事件に関するISTの裁判長は、ドジャイル裁判での8人の被疑者のうちのひとりだった。彼は議事進行の信頼性を証明するため、ISTの裁判記録を常に擁護したが、実態は裁判官が大声で黙らせているだけのものだった。

 ジョージ・W・ブッシュは、テキサス州知事任期中、152人の死刑執行に署名した。女性、発達障害の人、ウィーン条約に違反した外国人、犯罪を犯した時点で18歳未満の人などがそのなかにいた。

 ブッシュは一切、刑執行の恩赦も減刑もしなかった。これについては、ニューヨーク・レビュー・オブ・ブックス2005年1月13日のHelen Prejean氏の記事「Death in Texas」を参照のこと。http://www.nybooks.com/articles/17670

 ドジャイル事件が持ち出されたことにで失望を招いた。なぜなら、それは司法の問題であり、100万人が死んだ戦争中の事件であったからだ。

 この暗殺計画はイラク国外では知られておらず、国内では忘れられた事件であったのである。

 イラン・イラク戦争の指導、クウェート侵攻、湾岸戦争の勃発時に蜂起したシーア派とクルド人に対するイラク政府の対応、1984年から86年にかけ北部クルド人居住地でのイラク軍とイラン軍の毒ガスの使用こそが主なできごとである。

 それは国際的にも認知され、それぞれ数万人規模の死をもたらした。ドジャイル事件を最初の法廷事件に選ぶとは信じられないと法学者jから広く批判されてきた。

イラク高等法廷のサダム・フセイン大統領およびその他の被疑者に対する非合法で不公正な審理は、国際法を脅かしている

 ドジャイル事件を最初の法廷事件に選んだ理由はきわめて政治的なものである。

 バース党のメンバーが排除され、旧政府に反対する候補者が公職につくことができる選挙を米国が支援している間、サダム・フセイン政権に反対する米国の一部でもあるシーア派とクルド人の指導者らは、米国から資金を供与され、表舞台に立つことで、大衆に知られるようになった。シーア派とクルド系以外の候補者は、彼らが住む村や部族など個人的な知りあいの範囲でしか知られることはなかった。

 新議会でダーワ党は他の政党よりも大きな力を持った。

 そして政治権力を持つ最も高い公職にそのメンバーを選出した。選挙後、新イラク初の首相、ジャファリそして2代目で現職の首相、マリキは、いずれも、イランで創立され、バース党を打倒すると公言し20世紀最後の10年間と21世紀初にイラク政府への暴力闘争(今の定義で言えばテロ行為)に従事していたシーア派政党ダーワ党の指導者である。

 ドジャイル事件は、これまで述べてきたように、戦争中にサダム・フセイン、タリク・アジスや他の人物の暗殺未遂を含む、イラクの政府を倒すためのダーワ党の暴力行為に対して、3年間にわたる公正手続に基づいてなされている。

 1982年、イラク政府がダーワ党の活動を阻止したり暗殺計画に復讐しようと思っていたなら、調査や審理なしでダーワ党のメンバーを即刻公式に絞首刑にすることも、バージニア、サウサンプトン・カウンティで奴隷解放運動を起こしたナット・ターナーを見せしめにしたように、頭をくいに串刺しにすることもできたであろう。

 今回の事件は、イラクに対する米国の侵略戦争と不法な占領で現在権力を握ったダーワ党がその力を誇示し、復讐を実行するための、復讐劇にほかならない。

◆現状で被疑者をイラク政府に引き渡せば、国際法の将来を脅かし、悲惨な内戦を引き起こすであろう◆

 イラクの現政府へサダム・フセイン大統領と他の元職員を引き渡せば、イラクが分裂することは不可避だ。

 タラバニ大統領、マリキ首相を含むシーア派とクルド人のすべての指導者は刑執行の委任を言明した。

 死刑はまぬかれないだろう。身体的虐待と拷問が懸念されるす。国際法と正義に拭うことのできない汚点を残すことになる。

 2006年の9月2日、300人のイラクの部族指導者の連合は、サダム・フセインが大統領に復帰し米国が主導する軍隊に武力抵抗を呼びかけるため、サダム・フセインの解放を要求した。

 大部分がスンニ・アラブ人の一族首領は150万人を擁するアル・オベディ族も含んでいる。彼らはサダム・フセインと彼の共同被疑者に対する容疑を放棄するよう要求している。これについては例えば、ワシントン・ポスト紙2006年9月3日の記事を参照のこと。

 もし、サダム・フセイン大統領と副大統領タハ・ラマダンを含む、ドジャイル事件の被疑者が、彼らの「公然の」敵の保護下に移送されれば、その運命を一蓮托生と考えるスンニ派とその他のイラク人の大部分は、最後までたたかい続ける以外、その対案はないだろう。

 米国が保護している刑事被告人達を、彼らを保護するはずのないイラク現政府に引き渡す前に、国連の適切な機関がISTの適法性と公正性について再調査を決めなければならない。

 それがいかに危険なことかを理解するには、イラク政府機関によるイラクでの拷問に関する2006年9月21日、ジュネーヴの国連人権委員会前での国連特別調査官の報告を思い出すだけで充分である。

 国連がISTやこの事件に関する一連の行為が不当であり、公正に対する国際基準を破るものであると判断すれば、ISTが下したいかなる有罪判決や宣告も、無効とされなければならない。

 公正さに対する国際基準に深刻な損害、国際法の屈辱的な失敗、そして、すでに人々を耐え難い恐怖、暴力、死で苦しめている内戦という二重の困難をさらに悪化させる危険に直面し、 国際基準によってISTとその審理が適法で公正に行われていると判断できるまで、米国によって肉体的に拘束されているこれらの刑事被告人を現イラク政府に移送されるのを防ぐため、国連に加盟するすべての国と団体とともに、貴殿の国の政府も行動するよう貴殿を通じて、謹んでお願いしたい。

 国際司法裁判所に、国連総会でドジャイル事件の審理の適法性に助言的意見を与えるよう要求するべきだ。

 このような要求の枠組みをつくり、他の国連加盟国に協力を求めるよう支援して欲しい。

 さらに、国連人権委員会が、ドジャイル事件の審理の独立性、公平性そして
公正性を決定し、その進行において基本的人権のあらゆる違反を検証するよう請願する枠組みづくりを支援して欲しい。

 貴殿のイニシアティブと行動が、平和、国際法、そして正義のために重要である。


 以下は英語の原文

RAMSEY CLARK
37 West 12th Street 2B
New York, N.Y. 10011
212-979-1583 fax

October 10, 2006

Memorandum with Exhibits

for Each Member of the United Nations

Submitted to its Ambassador to the United Nations

Re:

Illegal and unfair trials of President Saddam Hussein and othersby the Iraqi Special Tribunal threaten international law.

Review of the legality and fairness of Iraqi Special Tribunal trials by U.N. agencies is essential before the transfer of physical custody of the accusedto the present government of Iraq.

The consequences of surrender of the accused to Iraq on the basis of the Dujail trial, or during the present violence and instability will threaten the future of international justice and civil war to the death for Iraq.

Dear Ambassador

The Iraqi Special Tribunal (IST) in June scheduled October 16, 2006 for the announcement of its final judgment in its first case, the Dujail case. On October 2, 2006 a spokesman for the Court stated the IST would meet on October 16, 2006 but not decide the case that day, giving reasons that are not credible. Both U.S. lawyers and Iraqi political figures have now stated the decision will be announced on October 25, 2006. The Bush Administration wants the decision before the U.S. Congressional elections on November 7. The decision can come any day. If there are convictions, the sentences will be imposed at the same time. 

The Prosecutor has asked for the death penalty for at least five of the eight defendants, including President Saddam Hussein and Vice President Taha Yassin Ramadan. The Chief Judge has frequently expressed his hatred for the defendants saying before the trial that for Saddam Hussein "a trial is not necessary, just a hanging" and during the trial, of every defendant, "they all have had blood on their hands since childhood".

Under the law applicable to this special Iraqi court, a death sentence must be carried out in thirty days. An appeal may be taken within ten days of the sentence, but can be decided immediately, in three, or four days, or several weeks.

The IST is an Instrument of U.S. Policy.

It is not Legal, Independent or Impartial

The creation and operation of the IST is designed and controlled to implement the political will of the United States. The IST is a creature of the 2003 U.S. war of aggression against Iraq implemented during the illegal occupation by the U.S. The Court is illegal. The trial itself is palpably unfair. Its verdict will be victor’s justice for the U.S. and its proteges.

U.S. lawyers wrote the statute creating the IST. The IST is financed by the U.S. Its personnel were selected, trained and are protected by the U.S. military. The U.S. directly influences the conduct of the IST. The Court is not legal, in part because it is an instrumentality of U.S. policy born from a war of aggression, functioning in an illegal occupation.

The IST lacks independence essential to justice. It is subjected to controlling external pressures by the U.S. and by U.S. supported Iraqi political leadership. Three of the Chief Judges of its Trial Chamber have been removed at critical points in the trial by overt external political pressure because the Judges conduct in Court displeased political groups.

Four defense attorneys have been kidnapped, tortured and executed. Court personnel and their families have been killed. The uncontrolled devastating violence in Baghdad and most of Iraq with the resulting pervasive fear, by themselves, make a fair trial impossible.

Judges of the IST are not impartial. They are avowed enemies of Saddam Hussein who claim to be victims of acts by his administration. The Chief Judge in the Dujail case was born and raised in the Kurdish village of Halabja. He asserts his relatives and friends were among those killed in poison gas attacks in 1988. He was twice convicted and sentenced to death by Baathist Courts for violence against the government of Iraq. The IST was created and directed to convict.

The trial has been a corruption of Justice, notoriously unfair and internationally recognized as failing to meet every standard of fairness and due process. The defense has had no opportunity to investigate, find documents (all seized by the U.S.), or locate witnesses because of the violence. The defense has been given no transcript of the raucous testimony and trial proceedings. 

The prosecution presented its case leisurely over a period of seven months. The defense was forced to begin immediately and after five consecutive weeks of hearings was cut off from presenting more important witnesses by the Chief Judge who said "If you cannot prove your innocence with 34 witnesses, 100 will not help." Tariq Aziz gave powerful supporting testimony for Saddam Hussein risking his life to do so. He remains in U.S. custody without charges against him.

The Dujail Trial

The charges in the Dujail case involved the reaction of the government of Iraq to an attempt to assassinate President Saddam Hussein in a town named Dujail, and other Iraqi leaders including Tariq Aziz at other places, during the Iran-Iraq war in the summer of 1982. Iran with three and a half times the population of Iraq and $24 billion dollars of weapons purchased by the Shah from the U.S. between 1972 and 1976 had succeeded in forcing Iraq back from Iranian territories and crossed into Iraqi territory along parts of their long common border. Dujail, close both to the border with Iran and Baghdad, was a center of the underground Dawa party which was founded in Iran and committed to the overthrow of the government of Iraq. Like the communist party, the Dawa party was illegal in Iraq.

The car in which President Hussein was traveling through Dujail was fired on and hit. Some persons were seen to flee toward Iran.  There were fire fights and skirmishes in the area for several days. Iraqi helicopters bombed the orchards adjacent to the road in which assailants had hidden. The road was the main highway from Baghdad north through Dujail, Tikrit, Samarra and on to Mosul and the border with Turkey, a vital transportation route in wartime.

After several days several hundred people from Dujail were arrested, and interrogated. They were a very small part, not 2%, of the population of the town. Those arrested were transferred to secure detention facilities, first to Abu Graib near Baghdad. The present Abu Graib prison was built later. Most prisoners, often whole families, so the children would not be separated from their parents, were transferred within several months to detention centers in the desert to the west, far from Dujail and the Iranian border. There most remained until 2003, before they were released and returned to Dujail.

The U.S. seized 110,000 Japanese and Japanese-Americans in its West Coast states in February - March 1942, after Japan’s attack on the U.S. on December 7, 1941. It confiscated all their property and held them in desert detention camps until 1945.

The orchards adjacent to the road in Dujail that had provided cover for those who fired at the President’s car, and potentially for Iranians and Iranian sympathizers in the future, were leveled. Ironically two of the defendants, residents of Dujail, owned orchards that were destroyed. All owners were compensated for their loss.

After two years of processing investigations through the Iraqi Judicial system, 148 men, Dawa party members who had confessed, were charged with treason for taking up arms in providing armed support for Iran in the war. Over a period of two weeks the Iraqi Court reviewed the investigative records and the confessions, the equivalent of guilty pleas, and entered judgments of guilt. The death penalty was mandatory.

A year later, in 1985, the death penalties were affirmed after a review by judges and legal experts and orders for execution were signed by the President as required by law. Several defendants had died in the meantime. Others were lost in the prison system. Several may have been males under 18 at the time of the offense. Witnesses for the defense testified they had seen some of the defendants alive in Falluja in recent years.

Because the court refused to order the Court records from the case 1982-85 reviewed, or turned over to the defense, documentary evidence which would have established the judicial independence and fairness of the proceeding was not in the record. The President of that Court was one of the eight defendants in the Dujail trial. He pleaded constantly for the Court records to prove the bona fides of the proceedings only to be shouted down by the Chief Judge.

As Governor of Texas, George W. Bush signed death warrants for 152 persons, including women, retarded persons, aliens in violation of the Vienna Convention on Diplomatic Relations and persons under the age of 18 at the time of the offense. He never granted a pardon, or commutation. See; Helen Prejean, Death in Texas, New York Review of Books, January 2005.

There was general dismay that the Dujail case was even brought, because it was a judicial matter and in wartime in which a million men died. The assassination attempts were minor incidents unknown outside Iraq and unremembered within Iraq. Conduct of the Iran-Iraq war, the invasion of Kuwait, Iraq’s reaction to the Shia and Kurdish uprisings in the wake of the Gulf War and the uses of gases by Iraqi and Iranian forces in the northern Kurdish areas during 1986-88, were major events, internationally known, involving thousands of deaths each. That Dujail was the first case appears incredible and was widely criticized by legal scholars.

The reason the Dujail case was brought at all and as the first case is clearly political. 

During the U.S. supported elections in Iraq in which Baath party members were excluded and only candidates opposed to the former government could seek office, Shia and Kurdish leaders who had been part of the U.S. opposition to the government of Saddam Hussein were funded, publicized and made known to the general public. Other candidates were generally unknown outside their villages, tribes, or personal acquaintance.

The Dawa Party held more power in the new parliament than any other party and it elected its members to the highest offices of political power. Both the first Prime Minister after the elections, Jaafari, and the second and present elected Prime Minister Maliki, are leaders of the Dawa Party, the Shia party founded in Iran, which was committed to overthrow the Baathist government and engaged in violent action (terrorist acts by present definition) against the government of Iraq in the last decades of the last century and first years of this century.

The Dujail case, as stated, is based on a three year judicial proceeding during a major war for acts of violence by Dawa Party members, including the attempted assassination of Saddam Hussein, Tariq Aziz and others to overthrow the government of Iraq. 

Had the government of Iraq in 1982 sought to deter Dawa Party activity, or wreak vengeance on it for the for its assassination attempts it would have publicly hanged Dawa Party members immediately without an investigation and judicial proceedings, or stuck their heads on posts for all to see, as was done with Nat Turner after his slave rebellion in Southampton County, Virginia. The case is pure vengeance by the Dawa Party now placed in power by the U.S. war of aggression and illegal occupation of Iraq to show its power and exact its revenge.

The Surrender of the Accused to Iraq under Existing Circumstances Will Threaten the Future of International Law and Civil War to the Death

The surrender of President Saddam Hussein and other former officials to the present government of Iraq under existing circumstances will irreconcilably divide Iraq. All the Shia and Kurdish leadership, including President Talabani and Prime Minister Maliki have stated their commitment to executions. Death would be assured. Physical abuse and torture is a threat. The stain on international law and justice would be indelible.

A coalition of 300 Iraqi tribal leaders on September 2, 2006 demanded the release of Saddam Hussein so he could reclaim the presidency and also called for armed resistance against U.S. led forces. The clan chieftains, most of them Sunni Arabs, included the head of the 1.5 million member al-Obedi tribe. They demand that the charges against Saddam Hussein and his co-defendants be dropped. See, e.g., Washington Post, September 3, 2006.

If the defendants in the Dujail case, including President Saddam Hussein and Vice President Taha Ramadan are transferred to the custody of their avowed enemies, the great majority of the Sunni population and other Iraqis who identify with its destiny will see no other alternative than war to the end.

The legality and fairness of the Iraqi Special Tribunal must be reviewed and determined by appropriate organs of the United Nations before the United States surrenders the prisoners it holds over to the present government of Iraq, which cannot protect them if it chose to do so. One needs only consider the report on September 21, 2006 of the U.N. Special investigator on torture before the U.N. Human Rights Council in Geneva on Iraq, which included references to uncontrolled torture by Iraqi government agencies, to understand the danger.

If the U.N. bodies find that the Iraqi Special Tribunal or its actions in this case are illegal, or violate international standards for fairness, then any judgment of guilt and sentence imposed by it must be voided.

At risk are severe damage to international standards of justice, a humiliating failure of international law and irreversible descent into the double scourge of civil war among a people already afflicted with unbearable fear, violence and death.

You are respectfully urged and through you, your government together with all Member States and institutions of the United Nations to act to prevent the transfer of custody of these prisoners who are physically held by the U.S. to the present government of Iraq until a determination by international standards can be made of the legality and fairness of the IST and its trials. 

            The International Court of Justice should be requested by the General Assembly to render an advisory opinion on the legality of the Dujail trial.  You are urged to assist in framing such a request and in enlisting other U.N. Members to that cause. 

            You are further requested to assist in framing a petition to the U.N. Human Rights Council to determine the independence, the impartiality and the fairness of the Dujail trial and to identify all violations of fundamental human rights in that proceeding.

            Your initiative and action are important to peace and international law and justice.

                                                                                                Sincerely,

                                                                                                 Ramsey Clark

Enc.

1.  Excerpts from selected commentary by scholars, experts and the media on the illegality of the IST.Included are the IST’s lack of independence and impartiality, and the unfairness and lack of due process of the Dujail trial.  Also, the present escalating violence  in Iraq and the consequences of transferring the accused to the custody of the present government of Iraq, entitled Selected Commentary and Media Reports Relevant to the Dujail Trial, 19pp.

2.  English language original of one of defendants Closing Memoranda to the IST in the Dujail case, entitled A Corruption of Justice, 128 pp., 208 footnotes.

These enclosures contain vital information you will want to have available to compare with the IST decision which will probably be made later this month.       

 

International Action Center
5C - Solidarity Center
55 West 17th Street
New York, NY 10011

email:mailto:iacenter@action-mail.org
En Espanol: iac-cai@action-mail.org
Web: http://www.iacenter.org
Support Mumia Abu-Jamal:
http://www.millions4mumia.org/
phone: 212 633-6646
fax: 212 633-2889
Make a donation to the IAC and its projects

 

The International Action Center
Home     ActionAlerts    Press