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これも、おそらく氷山の一角A
〜CO・OP 牛肉コロッケ〜


青山貞一

掲載月日:2007年6月23日

 
 以下の朝日新聞の2007年6月23日付け記事にあるように、日本生活協同組合連合会(東京都渋谷区)が「CO・OP 牛肉コロッケ」として、ミートホープ社の製品を各地の生協に流通していたことが分かった。

 まず、消費者は生協に対し安全、安心を期待しているはずだ。にもかかわらず、大事件に発展するであろう加工食品問題について、天下の日本生活協同組合連合会が事前に何の情報も把握できなかったのだろうか、相手方組織から内部告発がこなかったのか、という疑問が残る。

 おそらく今回の一件で消費者の多くは、日本生活協同組合連合会傘下の
生協がスーパーと何ら変わりがないのではないかと思うのではないだろうか?これが素朴な消費者の感覚である。

 今回の問題は、日本の生産者のモラルハザード、犯罪的行為だけでないと思う。毎日、膨大な食品、加工食品を扱いながら、これほど重大な問題を見抜けなかった巨大な食品流通業のあり方も大きく問われなければならない、と思う。

 事後的にDNA鑑定するのもよろしい。しかし、消費者の立場を考えれば、たとえ費用かかかろうとも、事前にこの種の偽装を全力でチェックし、同時に行政とは別に、生産者への「立ち入り検査」的なことを実施すべきでは無かろうか? 未然防止にどれだけのことをしてきたか、しているのかについて情報開示をお願いしたい!

 ....

 他の新聞記事によれば製品を買っていた組織が、今後ミートホープ社に対して損害賠償を請求するという。一般論としてそれは当然だ。

 だが、より本質的には、流通業者がいかにして食の安全に関する
信頼性を得るかであろう。これは生協でとくに重要なことだ。

 今後、生産者と流通業者にこの種の問題で無過失連帯責任を負わせる法改正の検討も必要かも知れない。

 いずれにしても、「これも、おそらく氷山の一角」であると思えるがいかがなものであろうか?


各社鑑定でも豚検出 偽ミンチ

朝日新聞 2007年06月23日01時31分

 北海道苫小牧市の食品加工卸会社ミートホープの「牛ミンチ」を製品化していた企業・団体が、それぞれDNA鑑定に乗り出し、次々に結果が公表されている。22日までの判明分のほとんどに、豚が混入されていた。

 北海道加ト吉は、ミート社から納入された「牛ミンチ」を使い、32品目を製造していた。親会社の加ト吉(本社・香川県観音寺市)は同日、外部検査機関にDNA鑑定を依頼していた結果の一部を明らかにした。

 同社によると、32品目をそれぞれ1品ずつ鑑定に出したところ、この日までに結果の出た30品のうち、23品は牛肉に豚肉が混入されていた。豚肉が確認されなかった残りの7品については、鶏肉や羊肉の混入の疑いもあるとみて再検査する。

 北海道加ト吉がミート社の肉で製造していた一つが、日本生活協同組合連合会(東京都渋谷区)が販売していた「CO・OP 牛肉コロッケ」。

 日本生協連も、北海道加ト吉に保管していた同商品約30品を検査機関に送り、遺伝子レベルでの検査を依頼。同日までに12品の結果が判明した。

 それによると、12品すべてに豚肉などが混ざっていた。

 生協連は同日、ミート社の原材料を使った春巻きやシューマイなど4商品の供給停止を決めた。

 一方、大豆関連製品大手の旭松食品(大阪市)の製品に使われたミート社の「牛ミンチ」も豚だったことがわかった。

 旭松食品が全国販売している介護食の冷凍食品「やわらか百菜」シリーズの原料として、製造委託先の秦(はた)食品工業(滋賀県竜王町)が、ミート社から「牛ミンチ」を仕入れていた。

 今回の問題を受け、旭松食品が1キロ分の在庫を検査機関で鑑定したところ、牛の反応はなく、すべて豚だった。同シリーズの、肉じゃが(2種)▽すき焼き煮▽ビーフシチュー▽牛肉の柳川風――の5品目について、自主回収を決めた。