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@最新パソコンの性能と価格
青山貞一 Teiichi Aoyama
掲載月日:2011年10月11日 2012年9月20日更新
独立系メディア E−wave


 ひとことにパソコンと言ってもさまざまなものがあるが、ここでは仕事で使うデスクトップのパソコンの性能と価格について話してみよう。

 現在、インテルやAMD社のCPUを具備したパソコンは、いくらくらいしているのであろうか? といっても、日本の大手家電メーカーパソコンの話しではない。

 一言で言えば、日本の多くの家電大メーカーは、ほとんど使わない機能や不要な機能をたくさん付け、さらにお仕着せのソフト、それもバカ高いソフト、さらに今なら無料でいくらでも対応可能なウィルスチェックソフトなどをたくさん付けるため、結果的に高額なものとなる。

 ここで性能と価格を問題とするのは、「通」が購入するBTOパソコンの価格のことである。 BTOは、いうまでもなくBuild to Orderの略で、既製品ではなく、客の好みに応じてCPUやメモリー、ハードディスク、筐体などをトッピングし、それを廉価にいち早く顧客に提供することを意味する。

 パソコンの基本性能を決定するのは、何と言ってもインテル社やAMD社が次々に提供するCPU(中央演算装置)である。現在、インテル社は次世代型、Core i3、i5、i7などのCPUをせっせと売り出している。

 一方、AMD社は、Phenom II X4、Phenom II X6 と行ったCPUを次々に売り出している。

 パソコンを購入する際、気をつけなければいけないのは、同じCore i5のCPUでもその型番によっては、Core i3のCPUよりもトータルの性能で劣るものもある。たとえば、少し古い型番のCore i5より、新しいCore i3の方がトータルの性能が優れていることがある。

 したがって、格安、激安パソコンと宣伝し売られているパソコンで、Core i5だからとか、Core i3だからと買ってみたら、実はそこに使われているCPUは、同じCore i5やCore i3でも、相当古いCPUであることが多い。

 以下は、詳細は省くがインテルとAMDのCPUをトータル性能で表したものである。最後にある数字が大きいほどトータル性能が高いことを示す。表中、G..とあるのは、インテル社のペンティアムGシリーズである。
 
 表より分かるように、同じCore i5でも、2500Kと2300では、30%も性能が異なることが分かる。またCore i3 2120の方がCore i5の2400sや2300よりも性能が高いことも分かる。 またインテルのペンティアムGシリーズは、Core i3シリーズに比べ、価格が格段に安い割には、そこそこ検討していることも分かる。

 下の表にはないが、ペンティアムG860の最新CPUは、Core i3の2100より性能が高く、Core i5の2400より低い。おおよそ10000超と推察される。こG860の実売価格は7,500円前後であり、1万円以上するCore i3の2100Tより大幅に安い。

 このG860のCPUを使ったパソコンはほとんど売られていないのは至極残念である。それより廉価なG620やG630のCPUを使ったパソコンはぼちぼち売られているが、G620やG630も、Core i3の2100に比べ、2割もトータル性能は劣っていない。

 以下の表に第三世代のIvy BridgeのCPU及び第一世代のCPU を含めた。

 第三世代は省エネ性(77W)に優れている他は、それほど大幅に第二世代に比べ違いがない。基本的には 3770 = 2600〜2700  3570=2500  3550=2400  3450=2300というところか。

<主なIntel/AMD CPUのトータル性能比較>
Core i7 3930K 3.2GHz 49,980円
Core i7 3820 15,000 3.6GHz
Core i7 2700K 14000 3.5GHz 26,734円
Corei7 990X 14000 3.5GHz 83,000円
Core i7 3770 14000 3.5GHz 24,500円
Core i7 2600K 13500 3.4GHz 23,145円
Corei7 970 13500 4.0GHz
Core i5 3570 13200 3.4GHz 17,500円
Corei5 2500K 13000 3.3GHz 17,000円
Core i5 3550 13000 3.3GHz 16,500円
Corei5 2500 13000 3.3GHz 16,400円
Core i5 3450 12600 3.1GHz 15,000円
Corei5 2400 12500 3.1GHz 15,100円
Corei7 960 11500 3.7GHz
Phenom II X6 1100T 11500 3.3Ghz 16,000円
Corei7 950 11000 3.6GHz
Corei5 2300 11000 2.8GHz 14,300円
Phenom II X6 1090T 11000 3.2GHz
Corei5 2500S 10500 2.7GHz
Corei5 750 10500 2.66GHz
Phenom II X4 975 10500 3.6GHz
Corei3 2120 10500 3.3GHz 11,500円
Corei5 2400S 10500 2.5GHz
Core35 550 10000 3.2GHz 9,850円
G860 10000? 3.0GHz 7,500円
Corei3 2100 9800 3.1GHz 9,400円
Phenom II X4 965 9800 3.4GHz
FX-6100 9600 3.3GHz
Phenom II X6 1055T 9600 2.8GHz
Phenom II X6 1045T 9400 2.7GHz
Corei5 2500T 9200 2.3GHz
Phenom II X4 955 9200 3.2GHz 9,500円
G850 9000 2.9GHz 7,200円
Athlon II X4 650 9000 2.9GHz
G840 8800 2.8GHz 6,640円
Athlon II X2 645 8800 3.1GHz
G6960* 8600 2.9GHz
Corei5 2390T 9200 2.7GHz
Phenom II X4 945 8400 3.0GHz
G630 8400 2.7GHz 6,400円
Phenom II X4 940 8400 3.0GHz
Athlon II X2 640 8400 3.0GHz
G6950 8200 2.9GHz
G620 8200 2.6GHz 5,400円
Phenom II X4 940 6800 2.4Ghz
Phenom II X2 620 6800 3.1GHz
Athlon II X2 255 6800 3.1GHz
Athlon II X2 250 6600 3.0GHz
性能比較の出典
http://maximums.gatt.nobody.jp/cpu.html
*筆者現有PCのCPU、現在はG850に置き換えられている模様

 次に、費用対効果を考慮したとき、現状で最高と思えるインテル社のCore i5の2300〜2500を使用したBTOパソコンの価格を調べてみた。ただし、条件をできるだけ同じにするため、主記憶(メインメモリー)は4GB、内蔵ハードディスクは500GB、筐体はミドルタワーを標準としている。また原則として税込み、送料無料の価格を示している。

会社名 CPU メモリー HDD PC価格
PCショップSEVEN Corei5 2500K 4GB 500GB 54,800円
PCショップSEVEN Corei5 2500 4GB 500GB 52,800円
ドスパラ Corei5 2500 4GB 500GB 52,980円
HP Corei5 2500 4GB 1TGB 59,424円
パソコン工房 Corei5 2500 4GB 500GB 62,980円
ドスパラ Corei5 2400 4GB 500GB 49,980円
九十九電機 Corei5 2400 4GB 500GB 61,980円
マウスコンピュータ Corei5 2400 4GB 500GB 47,880円
Faith Corei5 2400 2GB 500GB 49,980円
PCショップSEVEN Corei5 2400 4GB 500GB 48,800円
ドスパラ Corei5 2400T 4GB 500GB 49,980円
HP Corei5 2400S 4GB 500GB 55,860円
ドスパラ Corei5 2400S 4GB 500GB 47,980円
PCショップSEVEN PhenomU×6 1090 4GB 500GB 48,800円
HP PhenomU×6 1065 4GB 500GB 48,800円
PCショップSEVEN PhenomU×4 950 4GB 1TB 43,800円
レノボ Corei5 2310 4GB 500GB 45,500円
パソコン工房 Corei5 2300 4GB 500GB 45,980円
レノボ Corei5 2300 4GB 500GB 57,880円
ARK G860 4GB 500GB 48,640円
PCショップSEVEN Corei3 2120 4GB 500GB 46,800円
レノボ Corei3 2100* 4GB 500GB 41,800円
レノボ Corei3 2100 4GB 500GB 35,623円
PCショップSEVEN Corei3 2100 4GB 500GB 41,800円
PCショップSEVEN G850 16GB 1TB 47,800円
PCショップSEVEN G850 4GB 1TB 41,800円
PCショップSEVEN G850 2GB 500GB 39,800円
ARK G630T 4GB 500GB 47,203円
PCショップSEVEN G620 4GB 1TB 38,800円
パソコン工房 G620 4GB 1TB 39,980円
九十九電機 G620 4GB 500GB 46,030円
上記の販売価格には、特定期間セールも含まれます。
*液晶モニター付き

 上記を見ると、円高を背景に海外で生産し、日本に輸入しているレノボと国内BTOのPCショップSEVENが価格・性能比で他を凌駕していることが分かる。レノボのCorei3 2100*モデルは21.5インチの液晶モニター付きで41,800円と、価格コムでも堂々第一位を獲得している。PCショップSEVENは、Corei3 2100を凌駕するペンティアムG850を用い16GBの主メモリー、1TBのHDDを付け、47,800円、2GB、500GBモデルでは39,800円と、他社のG20並の価格を実現していることが分かる。

●マルチコアCPUについて

 Core i3とかCore i5などにおける「コア」とは何だろうか? 

 元来、CPUのコアは、1 CPU に1つしかなかったが、 2006 年から1 CPUに2つコアのCPUが誕生した。これをデュアルコア(Core i3, Core i5)と呼ぶ。翌2007 年には4コアのクアッドコア(Core i7)が登場した。
 
デュアルコア クアッドコア
Core i5 600
Core i3
Core 2 Duo
Pentium Dual-Core
Pentium G, D
Athlon II X2
Core i7
Core i5 700
Core 2 Quad
PhenomnUX4
Phenom II X4
Athlon II X4

 デュアルコアやクアッドコアをもつCPUでは、コンピューターが複数のソフトを同時に稼働させるときにコアで作業分担できる。これによりパソコンの作業効率が飛躍的に高まることになる。

 ソフトが複数コアに対応してつくられたソフトなら、あるソフトを複数のコアで効率的に動かす事も可能となる。

 環境総合研究所の場合、膨大な計算量をもつ3次元の流体計算を行っているが、通常、風の向き毎に計算を行う。4コアのクアッドコアのCPUなら1台のパソコンで4つの風向を同時に計算させることが可能となる。しかも、4つ同時に計算させたからと行って、計算速度が大きく落ちることがない。

 当然、コアが増せば、CPUの発熱が増すが、最近のCPUでは消費電力が抑制され、発熱が少なくなる技術開発が進んだため、マルチコアでも発熱量が著しく高まることがなくなっている。

つづく