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シルクロードの今を征く
Now on the Silk Road

炳霊寺石窟

(甘粛省臨夏回族自治州)


青山貞一 Teiichi Aoyama  池田こみち Komichi Ikeda 共編
掲載月日:2015年1月24日 更新:2019年4月~6月 更新:2020年4月1日
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天水市(甘粛省) 麦積山石窟群   麦積山石窟群2   麦積山石窟群3 
積山石窟群4
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炳霊寺石窟 炳霊寺石窟2  炳霊寺石窟3  炳灵寺石窟  炳灵寺石窟2

 本稿の解説文は、現地調査や現地入手資料、パンフなどに基づく解説に加え、百度百科中国版から日本への翻訳、Wikipedia 日本語版を使用しています。また写真は現地撮影以外に百度百科、Wikimedlia Commons、トリップアドバイザーさらに地図はグーグルマップ、グーグルストリートビュー、百度地図などを使用しています。その他の引用に際しては、その都度引用名を記しています

 次は甘粛省臨夏回族自治州の炳霊寺石窟です。

炳霊寺(中国・甘粛省臨夏回族自治州)

 以下は河西回廊における蘭州市の位置です。甘粛省臨夏回族自治州は蘭州市の南西140kmにあります。


出典:2020-01-20 NHK シルクロード・美の回廊Ⅱ「“微笑み”がきた道」

 臨夏回族自治州は甘粛省の中心から南西に位置し、西は青海省に接します。地形は高地、山岳、黄土高原からなります。黄河はこの県の北西部の黄土地帯を通り、濁った黄色になります。

 平均海抜は2000m。平均気温は8℃で、無霜期間は年間155日に過ぎません。年間降水量は442mmで半不毛地帯です。臨夏回族自治州(りんかかいぞくじちしゅう)は回族、チベット族、サラール族、保安族、東郷族他の少数民族が居住しています。

 炳霊寺石窟はその自治州の北側にあります。

歴史

 炳霊寺石窟(へいれいじせっくつ、拼音: Bǐnglíng Sì)は、中華人民共和国の黄河沿いの渓谷にある仏教石窟。自然の洞窟やそこに彫刻された仏像群で構成されています。

 黄河流域にある劉家峡水力発電所の北岸にあります。所在地は、蘭州から南東に100キロ離れた甘粛省臨夏回族自治州永靖県です。

 炳霊寺石窟は以下のグーグルマップにあるように、川の中洲の崖にあるため、夏以外は見学ができません。行くためには下流にあるダムから出る船を利用します。


出典:グーグルマップ衛星写真


出典:グーグルマップ衛星写真


炳霊寺石窟告示
出典: SANGHYUN LEE、グーグルマップストリートビュー

 この遺跡は「シルクロード:長安-天山回廊の交易路網」の一部として世界遺産に登録されています。


小型のレリーフ群
Source:Wikimedia Commons 
コンピュータが読み取れる情報は提供されていませんが、Mrfish33~commonswikiだと推定されます(著作権の主張に基づく) - コンピュータが読み取れる情報は提供されていませんが、投稿者自身による作品だと推定されます(著作権の主張に基づく), CC 表示 2.5, リンクによる



弥勒大仏
Source:Wikimedia Commons 
Bernard Gagnon - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 4.0, リンクによる



27mを超す弥勒菩薩と木製階段
出典:2020-01-20 NHK シルクロード・美の回廊Ⅱ「“微笑み”がきた道」


27mを超す弥勒菩薩と木製階段
出典:2020-01-20 NHK シルクロード・美の回廊Ⅱ「“微笑み”がきた道」

 石窟は1000年以上前から開かれており、最初の岩屋は西秦末期の420年頃に作られました。北魏・北周・隋・唐・宋・元・明・清の各王朝で石窟の拡張が続けられました。

 それぞれの石窟寺院の様式は、王朝ごとの典型的な美術様式と容易に結びつけることができます。

炳霊寺は様式的にも地理的にも、アフガニスタンのバーミヤンの石仏群と中国中央部の石窟寺院群、大同付近の雲崗石窟、洛陽付近の龍門石窟の中間に位置する。


 何世紀にもわたって、地震・浸食・略奪者が石窟や内部の芸術的な宝物の多くを損壊・破壊してきました。現在では、183の石窟、694体の石像、82の粘土彫刻が残っています

 仏像やフレスコ画で満たされた石窟およびレリーフ群は、約200メートルにわたって峡谷の北側に並んでいます。それぞれの石窟は、数々の仏像が収められた小寺院のようなものです。これらの石窟群は、崖側に隠れた洞窟や、高さ27メートル以上もある巨大な弥勒菩薩像に向かって、木製の歩道が不安定に岩面に取り付いている巨大な天然洞窟でクライマックスを迎えます」。


五仏座像
出典:2020-01-20 NHK シルクロード・美の回廊Ⅱ「“微笑み”がきた道」


炳霊寺碼頭
出典: daibo liang、グーグルマップストリートビュー

観光

 現存する彫刻やフレスコ画は、仏教美術の優れた例であり、世界中から訪れる人々を惹きつけています。

 都市部から隔絶された僻地にあるため、夏季と秋季の間のみ水力発電所を経由して船で行くことができます。船は、劉家峡ダム付近 (永靖県) から出ており、ダム内の他の港からも出ることがあります。夏秋以外の時季には、陸路が存在しないため、遺跡に近づくことは出来ません。


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