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シルクロードの今を征く
Now on the Silk Road

パドヴァPadova、イタリア)

サンガエターノ教会
(Church of San Gaetano, Padova)

青山貞一 Teiichi Aoyama  池田こみち Komichi Ikeda 共編
掲載月日:2020年10月10日
独立系メディア E-wave Tokyo
 無断転載禁

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 本稿の解説文は、現地調査に基づく開設に加え、Veneziaイタリア語版を中心にVenice英語版からの翻訳及び日本語版を使用しています。また写真は現地撮影分以外にWikimedlia Commons、さらに地図はグーグルマップ、グーグルストリートビューを使用しています。その他の引用に際しては、その都度引用名をつけています。 
◆サンガエターノ教会
(Church of San Gaetano、Padova)


 以下はパドヴァのサンガエターノ教会の位置です。スクロヴェーニ礼拝堂の南東にあります。


出典:グーグルマップ



サン・ガエターノ教会(Chiesa di San Gaetano) - 16世紀。
ヴィンチェンツォ・スカモッツィの設計。
Source:Wikimedia  Commons
CC BY-SA 4.0, Collegamento


 サンガエターノ教会は、1574年から1586年にかけて、以前その場所にあった礼拝堂(聖フランチェスコ・ピッコロに捧げられた古い教会)の跡地に、Theatinesの指導の下で八角形のレイアウトで建設されました。

 Theatinesとは、パドバ北部ティエネ(地名、Thiene)の聖カジェタン(ガエターノ・ディ・ティエーネ=聖ガエターノ)によって創設され、後に教皇パウロ4世となった枢機卿ピエトロ・カラファ(Cardinal Pietro Carafa)に支持されたカトリックの秩序(命令)を指します。

 注)Theatines
  神の摂理の規則的な聖職者の会衆
これは聖カジェタン(Saint Cajetan)
  により始められました。


 教会内部は八角形で、花崗岩(ポリクローム)の大理石で豪華に装飾されています。

 以下の写真にある「楽園」を描いた天井のフレスコ画は、ルイージ・グイド・ヴェルナンサル(Guido Luigi Vernansal)によって制作されました。内装には、もともとウミリアーティ教会(屈辱の教会とも、the church of the Umiliati)のアンドレア・ブリオスコによる「聖母マリアとキリスト(マドンナとチャイルド)」が含まれています。


パラダイスを描いたルイージ・グイド・ヴェルナンサルのドームフレスコ画
Source:Wikimedia Commons
CC BY-SA 4.0, Link


主祭壇に向かって見た写真です。
Source:Wikimedia Commons
CC BY-SA 4.0, Link

 16世紀後半の祭壇画は、長老のダリオ・ヴァロタリによるコンピアント・ス・クリスト(Compianto su Crist Morto=キリストの死への嘆き)を描いたものです。

 祭壇画に沿って、17世紀の絵画には、パドヴァと関係のある聖人が描かれています。聖人にはプロスドシムス、アントニー、ジュスティーナ、ダネイエレなどが含まれ、またTheatinesの序列でカジェタン((Cajetan)とアンドレア・アヴェリーノ(AndreaAvellino)が含まれています。

 聖カジェタン(St Cajetan)の礼拝堂には、ピエトロダミニ(Pietro Damini)による2つの絵画があります。「Theatine Saints(テアティンの聖者たち)による変容」と、サンカルロボッロメオ(San Carlo Borromeo)による「病気の女の子を癒す」絵画です。

 クレメント八世(1622)以前のサンカルロのキャンバスはジョバンニバティスタ・ビッソーニによって描かれました。マドンナ・デッラプリタの礼拝堂には、パルマイルジョヴァンとアレッサンドロマガンザのキャンバスがあります。

 純潔の聖母マリア礼拝堂(Cappella del Santo Sepolcro)または十字架のキリスト磔刑の礼拝堂(del Crocifisso)には、ヴァーナンサル(Vernansal)による「キリストの鞭打ち」とアゴスティーノ・タンニーニ(AgostinoTannini)による17世紀の「十字架にはりつけられたキリスト像=キリストの磔刑」が描かれています。

 教会の西側の聖具保管室には、ピエトロ・ダミニによる聖シモーネ(目を潰す)と聖ユダ・サデウス(殴打による)の殉教を描いた絵があります。聖具保管室にある浅浮き彫りの大理石のピエタはバルトロメオ・ベラノによるもので、庭の祈りを描いた木製の祭壇画はミケーレ・ファブリスによるものです。

 隣接する17世紀の修道院は、近代的な博物館と文化の中心地に改装されました。


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