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特定秘密保護法と原発問題


青山貞一

東京都市大学名誉教授
掲載月日:2013年10月27日
 独立系メディア E−wave Tokyo

 
みなさま

青山貞一です。

 安倍政権が「特定秘密保護法案」と「日本版NSC創設法案」を急ぐ大きな理由は、福島第一原発関連の情報ではないかというブログです。近い将来、これにいわゆる「共謀罪」創設法案が加われば、日本は間違いなく戦前の治安維持法の世界に舞い戻り、国民の知らぬ間に「原発再稼動」が着々と進められるのではないかと述べています。

◆特定秘密保護法案:原発関連情報が「特定秘密」となる可能性が大http://blog.goo.ne.jp/tarutaru22/e/15c86dbf2e4f29f6c530f265fa205feb

では、原発に関して政府は一体何を秘密にしようとしているのであろうか?

答えは簡単、それは、フクシマ原発の汚染水の状況であり、事故収束の見通しであり、放射能汚染の実態であり、放射線被曝による人体への影響等々、「フクシマの現実」の隠蔽目的であることは自明であろう。

同法案については、”意図的”に明確な規定がなされず、政府の裁量次第で恣意的に何とでもできるようにようになっているのである。

即ち、同法案が成立すれば、安倍汚染水ブロック発言が「特定秘密」とされ、誰もこれを追求できない他、東京五輪の対テロ警備を理由にフクシマ原発の話題自体が「特定秘密」に指定され、これに触れることすら禁止されても何ら不思議ないということである。

早い話、同法案が成立すれば、フクシマ原発に関する報道が大きく制約されることで「情報鎖国」さながらの状態となり、我々一般市民は何も知らされないままに日々過ごしていく世の中になるということである。

更には現在停止している全国の原発についても、その”欠陥”についてはテロの危険があるとしてすべて秘密扱いとされ、我々国民の知らない間に「原発再稼動」
を着々と進めることも可能となるであろう。

つまり、安倍政権が「特定秘密保護法案」と共に「日本版NSC創設法案」の成立を急ぐ真の目的は、一般市民が一切疑うことを許されない、小説「1984」さながらの「秘密警察国家化」である。


青山先生 (みなさま)

●●●●です。

ブログのご転送ありがとうございました。

 原発関連情報が特定秘密となることは確信しております。

 その内容としてはもちろん汚染水を始めとした放射能汚染の状況もあるでしょうが、既に危険視されている通り、プルトニウムつまり核兵器関連にも及ぶと思われます。

 政府には二重三重にもとにかく原発を再稼働させなくてはならない事情があり、そのうちの一つがプルトニウムを含む核のゴミ問題です。いま再稼働を辞めると言ってしまえば六ヶ所で引き取ってもらえなくなるので、少なくともプルトニウムをどうするかのメドがたつまでは(メドがたっても、ですが)再稼働を強行するはずです。

 特定秘密は既に41万件と膨大です。これらの情報は私たち国民が知り得なくなるだけでなく、日本の中枢においても共有されることが無くなり、日本はブレーン(脳)を失い歴史すら失ってしまう危険性があります。アメリカには好都合です。

> 兎にも角にも、一見、バラバラにみえる各法案が、実は根っこの部分で複層的に> 相関しているという視点でこれらを俯瞰することが重要である。

 上記の視点は極めて重要だと思います。丁度昨日、岩上安身さんの講演会が地元であり、そこで自衛隊とアメリカ軍の共同軍事演習の資料の一端を見ました。その資料では、軍事演習は対中国で、戦場は丸ごと日本でした。シミュレーションでは若狭湾からの上陸を想定しているとのことで、原発はどういう扱いなのかと具に資料を読んでも、原発には全く言及無く、無いものとされていた、とのことでした。

 昨今の集団的自衛権(自民党の憲法改正法案)、TPP、特定秘密保護法案の動きから、日本の明確かつ急速な軍事国家化、植民地化を訝しく思っておりましたが、日本を戦場とした戦争のシナリオもあるのだ(実際にそうなるかどうかはわかりませんが)とわかり、ジグソーパズルの最後の一ピースがはまったように合点がいきました。心底恐ろしいです。

 今ほど、私たちが何をなすべきかを問われている状況は日本史上無いのではないか
と危機感を募らせています。

●●●●



●●●●さま、みなさま

青山貞一です。

 貴重なコメントありがとうございます。

 民主党の瓦解により自民党が衆参両院で、前回とさして変わらぬ得票数で第一党、それも圧倒的多数の第一党になり、マスコミが言ういわゆるネジレもなくなったことで、安倍政権は一気に「普通に戦争ができる国」のための法制度面のインフラを仕掛けてきたと言えます。

 もちろん、最終仕上げは憲法改正だと思います。

 もうひとつは、やはり原発関連だと思えます。おそらく今のままだといつになっても、再稼働はむろんのこと核廃棄物の最終処分ができないことがあり、自民党右派の突き上げで、外交、防衛などの機密にかこつけて「テロ」による核施設破壊を口実に、当該分野の情報を機密に指定し、脱原発、反原発の国民のうねりを萎縮、沈静化させることに今回の法案のひとつの柱があると思えます。

 周知のように、日本には国家公務員法、国会公務員服務規程、自衛隊法、日米共同機密保持に関わる法律などがあり、本来ならせいぜい国家公務員法の罰則規定を1年から数年に増やすだけでよいはずです。

 あえて出入り業者、国民まで処罰の対象としたのは、間違いなくこの法が戦前の治安維持法のように昨日、作用し、国民を萎縮させることに主眼があると思います。私が言うところの、ジョージ・オゥエルの「1984年」効果です。

 次に立法化に向かうのは、一端政府が断念した「共謀罪」でしょう! この法律は、凶器準備集合罪などと同じように、ある目的のために『集まった』というだけの理由、すなわち実行を処罰する刑法を超え刑事罰を一般人に適用する法律です。

 おそらく、今後、特定秘密保護法、日本型NSC法、共謀罪法を立て続けに立法し、その上で一方で集団的自衛権を明記する憲法改正に向かい、他方で原発再稼働、核廃棄物処理処分場の強行建設へと向かうのではないでしょうか?