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  北朝鮮の瀬戸際外交と

日本の原発・米軍基地


青山貞一 Teiichi Aoyama

掲載月日:2013年4月8日
独立系メディア E−wave



 北朝鮮は、オバマ政権に対し執拗にいわゆる瀬戸際外交を行っている。その延長で、多数の米国の基地がある沖縄県、青森県など日本各地も標的にする旨を言明している。

 内閣、国会やマスコミは、ほとんど問題にしていないが、私は過去何度か、北朝鮮がその気になると米軍基地だけでなく、日本海側にズラリと並んで立地されている原発を標的にする可能性について言及してきた。

 何と言っても、原発に関連した最大のテロは、ミサイルの撃ち込みであるが、北朝鮮は過去、日本の原発を標的としたミサイル攻撃についても言及している。

 これについては、過去2度にわたってブログを書いているので参考にして欲しい。

 この場合、石原慎太郎氏なら、日本は軍事大国になって、さらに核武装し、と続くのだが、私の考えは、であるからこそ、日本の原発はすべて廃炉とし、ゆくゆくはすべて撤去すべきであるということになる。

 ところで、ミサイル攻撃に関しては、沖縄本島の普天間基地の名護市辺野古沖への移転についても言える。

 普天間基地の名護市辺野古沖への移設の主軸は沖縄に駐留する米国の海兵隊であるが、その海兵隊は、戦時に最初に敵国に上陸することで有名である。米軍のグローバルな再編成のなかで、沖縄の海兵隊はグアムのアンダーセン基地の一角に移転することが決まっている。

 しかし、自民党時代、ここに普天間基地を移設するという日米ロードマップを合意しているという理由で、米軍はグアムのアンダーセン基地にオスプレイを含めた海兵隊の基地を移設しているが、同時に日本政府は、さまざまな既得権益、利権などもあり、県外、海外移設ではなく、あくまでも名護市辺野古沖にこだわってきた。

 私の考えは、こうだ。

 北朝鮮のミサイル攻撃と原発問題と同様、時代は変わり、有事には、沖縄の基地から海兵隊が北朝鮮に向かう途中に、北朝鮮は沖縄本島や日本各地にある米軍基地にミサイルを撃ち込んでくるだろう。

 したがって、沖縄の海兵隊は、中国や北朝鮮に近いというミニマムパス的な動線論議は、もやは通用しないと思う。

 我が国がこの種のリスクを減らすためには、原発同様、日本の米軍基地を減らすしかなく、集団的自衛権のために憲法を改正するなどというのも、時代錯誤な方策であるとしか思えない。

 日本政府は、ミサイル攻撃に対しては、イージス艦、PAC3など、ハード面の防衛ばかりに力を入れているが、かつて自民党の代議士が述べたように、「ピストルの弾をピストルで撃ち落とせるのか?」というように、この種の対応は巨額の費用がかかるだけで、何ら打ち落とせるという確証はない。

 米国の軍事産業企業や日本の防衛産業企業を喜ばせるだけである。

 本来あるべきは、原発にせよ、基地にせよ、リスクの元を取り除くことではなかろうか?