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  3.11以降の日本I
  
  日本国民は

  なぜ不幸か
            青山貞一
             政策学校一新塾代表理事
            掲載月日:2012年3月21日
                  独立系メディア E−wave Tokyo

             無断転載禁

 以下は、2012年3月20日、東京都港区にある政策学校一新塾で代表理事、青山貞一が行った基調講演の一部である。今後、何回かに分けて基調講演の内容をお伝えしてゆきたい!




ミニ講義をする青山貞一、東京港区に政策学校一新塾にて
2012.3.20

●政策学校一新塾、塾生の入塾動機の変化

 過去おそらく5年間、政策学校一新塾の門をたたいてくる市民の多くが入塾後、政策提言のテーマに選ぶ内容が昔と大きく様変わりしてきた。

 ※政策学校一新塾(正式には非営利活動法人一新塾)は、過去、
  3,000人以上の塾生を社会に輩出しており、国会議員、都道府県会
  議員、市町村長、市町村議会議員らを100人以上、同時に社会起業、
  ソーシャルイノベーションの主体となる人材も多数輩出してきた。


 以前は、日常的なテーマより政治制度や道州制など国家論など大きなテーマが塾生の関心として多かった。

 しかし、この5年、入塾者の関心の多くは日本社会の劣化、国民の不幸にかかわる問題が圧倒的に多くなってきたのである。そのなかでの東日本大震災、津波、原発事故である。

 私自身が、ミシガン大学やOECDの幸福度調査に強く関心を持つようになったのは、3年前の春からだが、塾生の関心領域がその前後から大きく変わってきたのである。

 とくにこの5年は、リーマンショックがあり、日本でも格差社会が各地に蔓延し、若者の雇用状況が極度に悪化している。そんな中で2011年3月11日の大震災、津波、原発事故が起きた。


●ミシガン大学「幸福度調査」の個別指標

 そこでミシガン大学がつくった幸福度GDPの個別指標を調べてみた。個別の指標を以下に示す。

ミシガン大学「幸福度調査」の個別社会経済指標

 @家族関係、
 A家計の状況、
 B雇用状況、
 Cコミュニティと友人、
 D健康、
 E個人の自由、
 F個人の価値観


 上記を見れば分かるように、ミシガン大学社会調査研究所が提起する幸福度は、一国のGDPとはほとんど関係ないことが分かる。

 もちろん一人当たりのGDPは、Aの家計の状況に関係しBの雇用状況にも関係するだろう。しかし、先進諸国、それにある程度の経済成長を達成した国にとっては、一人当たりGDPはそれなりに重要ではあるが、いわゆる一国のGDPの大きさと幸福度は相関しているとは思えない。
 
 逆に、日本社会では世界的巨大企業は肥え太り、巨大な税引き後利益を内部留保しながら、リーマンショックなどが起きると、大量に従業員を解雇し、また小泉・竹中時代にはじまった非正規雇用が製造業、非製造業分野で急増・浸透し、日本人及び世帯の平均年収が著しく低下するようになった。

 要約的に言えば、巨大企業が肥え太り、他方、国民全体の一人当たりのGDP、所得は単調減少しているのである。これがAの家計の状況、Bの雇用状況を極度に悪化させていると思われる。

 以下、幸福度に関係する日本における社会経済指標の年次推移を見てみよう!

・一人当たりGDP

 下図は、一人当たりGDPのランキング図である。

 出典は、左からIMF、世界銀行、米国CIAと3つあるが、ミシガン大学の幸福度調査で第一位のデンマークは、6位、8位、7位、一方日本は、16位、22位、19位といずれもデンマークより10位程度低くなっていることが分かる。

 つまりいくら国民総所得(GDP)が大きく同一人口でも、所得がいちじるしく巨大企業などに偏在すれば、結果的に一人当たりGDPが少なくなり、幸福度は上がらないということを意味する。

 下図の一人当たりGDPで日本より上位にいる国々は大部分が幸福度でも上位にいる。


出典は、左からIMF、世界銀行、米国CIA

・日本人(世帯)の平均年収の推移

 
次も経済指標である。

 日本人(世帯)の平均年収の推移である。
見て分かるように、日本の給与所得者の平均年収そして1世帯当たりの平均所得金額はいずれも、単調な右肩下がりである!

 現実には2011年3月の大震災以降、さらに全国平均値が下がっているものと思われる。

 たとえば給与所得者の平均年収は1999年に約460万円だったものが、2008年には約430万円に、1世帯当たりの平均所得も平成8年に約680万円あったのが平成17年には約600万円へと大きく下がっている。

 これも巨大企業が税引き後の利益を内部留保している日本では、労働者とりわけ非正規雇用の労働者には所得が移転せず、働けど働けど実質所得はどんどん下がっている現実を示している。



出典:民間給与受給実態調査

 
日本は、OECD諸国の中で最も男女格差が顕著な国となっている。以下は男女の賃金格差である。日本の女性の賃金は男性の45%にしかなっていない。これに対し、スカンジナビア諸国は、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、フィンランドなどが70%超で上位を占めている。

 もっぱら、世界経済フォーラム(WEF、ダボス会議)によれば、日本は男女格差で世界ランク79位(1位が男女格差が少ない)となっており、先進諸国で最下位となっている



出典:国連開発計画

・日本の若年層失業率の年次推移

 
日本社会では、たえず若年層の失業率の増加化が大きな社会経済問題となっていたが、2009年以降、15-24歳若年層の失業率が10%を超える状態が続いている。


出典:総務省「労働力調査」

・日本社会の生活保護受給者数の年次推移

 
日本社会では、右肩上がりの単調増加で生活保護世帯が増えており、ここ5年間さらに急速に生活保護受給者が増加している。


出典:http://mlm.bookmarks.jp/news/?p=1137

・日本人の自殺者の年次推移

 日本全体では20世紀末(1999年)から毎年自殺者が約3万数千人でており、一向に下がらず過去10年間高どまりしている。以下はWikipediaからの引用である。


 2010年(平成22年)における日本の自殺率(人口10万人あたりの自殺者数)は24.9人で総自殺者数は31690人である(警察庁発表のデータ)。13年連続で3万人を突破している。

 年間の死者の2.8%が自殺により死亡しており、癌や心疾患などに次いで6番目に多い死因である。2010年の自殺者数は同年の交通事故者数(4863人)の6.51倍に上り、その深刻さが伺える。日本では自殺未遂者は、自殺者の10倍以上いると推計されており、自殺者遺族は日本に300万人ほどいると推定される。
諸外国と比べても極めて自殺率が高く、世界で4位、アメリカ合衆国の自殺率の2倍である(2002年)。


出典:警察庁統計

・日本の種類別障害者数の推移(身体障害者・在宅)

 以下は日本における種類別の少額者数の推移である。グラフからは、内部障害者、肢体不自由者、聴覚・言語障害者、視覚障害者の推移が示されているが、内部障害者、死体不自由者の数が平成に入ってから大幅に増加していることが分かる。


出典:厚生労働省」

つづく