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北海道ニセコ町の
第二回原子力防災計画策定委員会

青山貞一
掲載月日:2012年12月5日
 独立系メディア E−wave Tokyo
無断転載禁


 北海道のニセコ町と言えば、日本の基礎自治体のなかで二番目に情報公開条例をつくった町、そして自治体の基本条例を最初につくった町で知られる。もちろん、ニセコ町に雪質からスキーの一大メッカ、滞在型リゾート地として海外でも有名なまちだ。


ニセコ町、羊蹄山が背景に見える 出典:ニセコ町

ニセコ町
都道府県 北海道
面積 197.13km2

総人口
4,717
(2012年9月30日)
人口密度 23.9人/km2
町の木 シラカバ
町の花 ラベンダー
町の鳥 アカゲラ
町長 片山健也

所在地
048-1595
北海道虻田郡ニセコ町字富士見47番地

 そのニセコ町は北海道電力泊原発からちょうど30kmの範囲にあり、この秋から原子力防災計画の策定に本腰を入れている。

  私は、南相馬市長からの依頼で更新可能エネルギー推進ビジョン策定に8−9月に委員として参加した後、ニセコ町で進められている原子力防災計画策定の委員のひとりとして積極参加している。

 この12月4日〜5日、第二回目の策定委員会(いわゆる有識者会議)があり、参加してきた。4日は、新千歳空港周辺の天候が荒れており、羽田でひょっとすると旭川空港に降りるか、東京に引き返すと脅かされたが、新千歳空港上空で数回旋回した後、管制塔から着陸OKがでて、少しだけ時間が遅れたものの、無事空港に着き、迎えに来てくれた佐々木さん(ニセコ町職員)の運転でニセコ町に向かった。

 12月4日は、町に到着後すぐに計画策定委員会があり、参加した。前回から今回の間に国の原子力規制委員会、北海道から計画策定の指針や、マニュアル案が送られてきたこともあり、それらをどうニセコ町の計画に反映するかをめぐり3時間近く議論を行った。

 翌5日は、深夜から降り始めた雪で一面真っ白だ。


宿泊先ホテルの庭にあるクリスマスツリーに雪が降り積もった
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8

 朝午前10時から町民対象の勉強会があり、放射性物質汚染問題、放射性物質拡散問題、放射性物質(放射線、放射能など)による環境、健康影響の基礎について町民にお話しした後、質疑応答を行った。

■北海道電力 泊原発事故時の北風系シミュレーションの事例


泊原発事故時シミュレーション対象地域の地形図
Aが泊原発の位置
出典:グーグルマップより環境総合研究所作成


泊原発事故時シミュレーション、北風、風速2m/s、大気安定度D
出典:環境総合研究所(東京都品川区)、転載禁


泊原発事故時シミュレーション、北北西、風速2m/s、大気安定度D
出典:環境総合研究所(東京都品川区)、転載禁

 下の写真は12月5日昼、すべての日程を終え、新千歳空港に向かう直前にニセコ町の片山健也町長と一緒に撮影した写真である。


右が片山健也ニセコ町長 ニセコ町の町長室にて
撮影 Nikon Cool Pix S8 2012-12-5


右が片山健也ニセコ町長 ニセコ町の町長室にて
撮影 Nikon Cool Pix S8 2012-12-5

 片山健也町長は、まじめで誠実を絵に描いたような方であり、条例であれ、政策であれ、施策であれ、ひとつひとつ地道にしっかりとこなす方とお見受けしている。

 下は12月4日の朝、ニセコに旅立つ前に書いたブログである。


◆宮城県、岩手県がれき仮設焼却事業実態現地現地調査

 宮城、岩手の被災地復旧、復興現地調査、がれき仮設焼却事業実態調査は、限られた日程でしたが、池田こみちさんのいつものA1ライセンス並の自動車走行のおかげで、実質2日半でありながら、宮城県南端の岩元から岩手県宮古市までほぼ、全地域の調査を行うことが出来ました。

 今回は宮城県大崎市の古川駅前のビジネスホテルを拠点としました。全走行距離は901kmでした。

 すでにがれき仮設焼却については、動画を公開しており、近々青山、池田のコメント論考も公開する予定です。

・青山貞一・池田こみち:被災地がれき処理焼却事業現地視察 You Tube
 http://www.youtube.com/watch?v=KzyGyYNeEbc

・青山貞一・池田こみち:被災地がれき処理仮設焼却炉現地視察速報  
 http://eritokyo.jp/independent/aoyama-fnp10806...html

被災地復旧、復興実態現地現地調査

 一方、被災地復旧復興実態調査ですが、とりあえず動画を先行して近々公開します。そして、後日、過去5回ほど行っている宮城、岩手の現地調査時と動画による映像で比較してみたいと思っています。

 忌憚なく言えば、今回の調査と昨年8月、11月の現地(岩元、亘理、岩沼、名取、仙台〜石巻、雄勝、南三陸、気仙沼、陸前高田、大船渡、釜石唐丹、釜石、釜石鵜住居、大槌、山田、宮古)を比べると、この一年間、外見上は復旧、復興のまちづくりはほとんど進展していないと実感しました。前回は岩手県は、宮古以北、野田村まで行きましたが、今回は時間の関係で北は宮古市までとなりました。

 おそらくこれは、被災地基礎自治体の創意工夫や提案が国や県によってリジェクトされる一方、がれき広域事業同様、国は巨大な予算と2つの特措法による独裁的権限を持ちながら、ほとんど思考停止、機能不全で公金、税金を浪費、流用しているからだと思います。これは土地利用、都市計画など、グランドデザイン系行政計画でも同じはずです。

 その意味では、今回の総選挙結果いかんで状況が変わる可能性があると思います。

◆南相馬市(福島県)再生可能エネ計画

 この8月は南相馬市で再生可能エネルギー推進ビジョン策定有識者会議に櫻井市長からのたっての依頼もあり、参加し全面的に係わってきました。実は、そこでも国側の信じられない対応に接し、こりゃだめだと感じていました。これについては、最近最終報告書が送られてきました。

・委員リスト
http://www.city.minamisoma.lg.jp/mpsdata/web/6653/meibo.pdf
・全報告書
http://www.city.minamisoma.lg.jp/mpsdata/web/6653/vision.pdf
・概要
http://www.city.minamisoma.lg.jp/mpsdata/web/6653/vision_01.pdf

ニセコ町(北海道)原子力防災計画

 ところで10月からは北海道ニセコ町の原子力防災計画策定に全面的に係わっており、明日(12月4日)は第二回目の市民学習会、12月5日は計画策定委員会に参加してきます。

・ニセコ町原子力防災計画の策定への取組み (原子力防災)
http://www.town.niseko.lg.jp/kurashi/bousai/post_86.html

 ご承知のように、国の原子力規制委員会は、都合5回にわたり、修正、間違いを繰り返した稚拙で杜撰なシミュレーションで国民の笑い者となっていますが、ニセコ町では地形を考慮した本格的シミュレーションをもとに、全面的な町民参加による議論と計画策定が行われています。

 飛行機が飛ぶかどうかが心配ですが、がんばってきます。