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国会 東電福島原発
事故調査委員会
ヒヤリングに出席してA
青山貞一
東京都市大学大学院
掲載月日:2012年1月25日、27日拡充
version 1.3
 独立系メディア E−wave
無断転載禁


F6回にわたる現地放射線量測定結果、
G福島県内主要地点での積算線量と将来線量推計、
H放射性物質に汚染されたがれきからの線量と放射能
 (ベクレル/kg)

 私たちは2011年4月上旬から12月下旬まで6回にわたり福島県内を中心に各地域の放射線量を固定及び車を使った移動で測定しました。それらの測定結果はすべて独立系メディア E-wave Tokyoのホームページに掲載するとともに、一部は環境アセスメント学会などの学会誌などにも掲載しました。


出典:青山貞一

 ひとつの大きな問題は、2011年春当時、国、自治体などの放射線量は地上高の説明なしに発表されましたが、地上1m(これが基本)とたとえば地上すれすれ(私たちは5cmで測定)では、実測値で最大10倍も放射線量が異なっていたはずです。

 子供や幼児は泥遊びが好きなこと、身長が低いことなどを考慮すると、当初から地上1mとともに、地表で測定しデータを公表すべきであったと考えます。



出典:青山貞一

 以下は、東京→埼玉県→千葉県→茨城県→福島県→栃木県→埼玉県→東京都を走行する自動車に設置したGPSに連動して放射線を測定した結果を自治体別に平均化し示したものである。


出典:青山貞一 

 私たちは2011年春の時点で携帯タイプの放射線量計とGPS(グローバル位置表示システム)を連動させ、自動車内で放射線量を計測可能なシステムを開発しました。

 これにより車で地域を走行すればするほどデータが取得できることになり、大幅に測定データ取得が容易となりました。


出典:青山貞一


出典:青山貞一 

 以下は、ほぼ同一ルートで2011年10月と12月に測定した放射線データを比較したものです。12月が若干低くなっているが、測定そのものの精度が保たれていることが分かりました。



第4次福島空間放射線量現地調査ルート(概要)

   市町村別平均値 単位:μSv/h
     前回調査(第4次) 期日:2011年10月16日
     今回調査(第5次) 期日:2011年12月25日〜27日

◆青山貞一・鷹取敦・池田こみち:福島原発事故に起因する放射性物質による地域汚染の実態解明と汚染構造の把握(速報),環境アセスメント学会誌、2011年 Vol.9 No.2   

 
出典:青山貞一


出典:青山貞一

 以下は福島県いわき市浜通にある薄磯海岸における放射性物質に汚染された災害廃棄物からの放射線量測定調査の写真です。


いわき市薄磯海岸の瓦礫の約1m前で放射線量を計測する鷹取敦
撮影 青山貞一 2011.10.16 


いわき市薄磯海岸の瓦礫の約1m前で放射線量を計測する鷹取敦
撮影 青山貞一 2011.10.16 


豊間中学校のプールにも災害廃棄物がうずたかく積まれていた。
飛び込み台が見える
撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8  2011.12.25


災害瓦礫の直近で放射線量を測定する池田こみち
撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8  2011.12.25



図  福島県いわき市内 空間放射線量測定値 単位:μSv/h
    測定期日:2011年12月25日 午前 天候:晴れ

参考
◆青山貞一:がれきに含まれる放射性物質量と放射線量の関係について


出典:青山貞一 


出典:青山貞一 

 以下は、福島大学金川キャンパスにおける積算線量のシミュレーション結果です。福島市では、見て分かるように2011年3月15日から1ヶ月の間に相当量の被曝が起きていることが分かります。


出典:青山貞一 

 上記をふまえた各地域の汚染の実態、国、県などの測定の課題、過去から現在さらに将来にわたる積算放射線量のシミュレーション

◆青山・池田・鷹取:福島県飯舘村における放射線外部被ばく積算量の推計 
◆青山・池田・鷹取:福島大学キャンパスにおける放射線外部被ばく積算量の推計
◆青山・池田・鷹取:東京都新宿における放射線外部被ばく積算量の推計

 上記のエッセンスは、環境アセスメント学会の学会誌の次号(2012年2月)に論文掲載されますが、上記のシミュレーションと各種データの詳細解析により、3月12日から3月22日までの間の各地の汚染がどう進行したかがほぼ分かりました。これは、皆さんがよくご覧になる政府や米国DOEなどによる各地の放射性物質汚染地図と符号しています。

 被害推定では、福島県内主要地点における実測値をもとに各核種の半減期をもとに将来シミュレーションを行った結果を提示しました。いつ当該地域の積算放射線量が20mSv,100mSvとなるかなどです。ただし、これは外部被曝だけの推計なので、これに水、各種の食べ物がオンされます。

 汚染された災害がれきの処理についても、この間、環境総合研究所が現地でがれきからの放射線量を実測した内容をふまえ提案してきました内容を説明しました。

 環境省が非公開検討会で決めた広域処理、それも燃やして埋める方式の処理がいかに原理的に間違っているか、間違った案を市町村に押しつけ、各地の市民団体などの反対を受けているかについても実例をあげてお話ししました。

参考
◆青山貞一・池田こみち:原理的に間違っている国の汚染瓦礫処理

つづく