エントランスへはここをクリック   

2018年・東日本大震災
復旧実態調査(福島県編)

いわき市小名浜港・中之作港


青山貞一・池田こみち 
環境総合研究所顧問
掲載月日:2018年7月28日 2020年3月11日第2次公開
 独立系メディア E-wave Tokyo
無断転載禁

<総合メニューへ>
 いわき市勿来 須賀海岸 勿来・岩間 小名浜港・中之作
 江ノ浦・江名港  江名走出  合磯・豊間海岸 薄磯海岸  四倉海岸



いわき市小名浜港 


出典:グーグルマップ

 岩間を視察して再び県道239号に戻り、小名浜港方面へ向かう。

 ※ 青山貞一・池田こみち 2011年末の
    <いわき市>漁港の復旧・復興状況

 小名浜漁港 イオンモール前の通る。この日はすごい人で 渋滞だ。 


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900

 小名浜では3.11以降、漁港や倉庫の修復とともに、広大な敷地の一角で、再開発が盛んだ。 

 福島県内最大の規模のイオンモールなるショッピングモールは、地上4階建ての建物で、1階は津波対策を考慮し、ピロティ駐車場、2階から4階に商業施設となっているが、3階より上は津波避難ビルとして施工されている。津波発生時には避難できる津波避難用デッキを設置している。

 先に須賀海岸にあった「イオンの森」は、おそらくこのイオンモールの社会事業の一環として堤防の下部を森林とする事業と思える。

 ただ、44,000 ㎡という巨大モールは、おそらくいわき市全体の小売業を呑み込んでしまう規模だ。もちろん、巨大施設には気大駐車場がある。いわき市の市民はどこに行くにも車だから、影響は甚大なはずだ。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900


イオンモールいわき小名浜の概要
 
 いわき市小名浜辰巳町に所在し、イオンモール株式会社が運営・管理するショッピングセンターである。

 2011年 (平成23年) 3月11日に発生した東日本大震災の津波浸水で甚大な被害となった福島県いわき市が小名浜港背後地の開発事業として実施したものである。開発事業協力者としてイオンモール株式会社が選出されて開発されている。敷地はすべて40年間の定期借地契約となっている。

 福島県内ではそれまで最大であったショッピングモールフェスタ本館(40,900 ㎡)より4,000 ㎡ほど大きい44,000 ㎡で福島県最大規模、東北地方においても有数の大規模SCである。

 地上4階建ての建物で、1階は津波対策を考慮し、ピロティ駐車場、2階から4階に商業施設となっているが、3階より上は津波避難ビルとして施工されている。津波発生時には避難できる津波避難用デッキを設置する。

 建物北側に路線バス専用の発着点、西側にデッキで建物と直接接続する高速バスターミナルが設けられた。

出典:Wikipedia

 この日は調度開店最初の週末とあって、既に周辺道路は渋滞しており、駐車場が満杯の盛況だった。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900



撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900

 このあたりの放射線量は、0.04μSV/h と低い。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900

 私たちは、小名浜漁港 イオンモール前の通り 渋滞を抜け出し小名浜漁港から県道15号を右折して中之作港に向かう。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900


◆中之作港

 下の写真は中之作港の全景である。


出典:福島県公式Web

 福島県の資料によるつと中之作港は以下のとおりである。

 港湾区域告示/昭和37年8月7日   (変更)/昭和46年10月8日
 地方港湾指定/昭和37年7月4日
 現有施設/公共26バース

 中之作港は、近年カツオ一本釣り、サンマ棒受網、旋網(まさあみ)(いわし漁)等を主とする沖合漁業の基地として、地域産業の発展に大きく貢献しています。特にカツオについては東北有数の水揚げ?・を誇る港として知られています。

 また、本港は古くから廻船誘致活動を積極的に行っており、県内をはじめ宮城県、高知県など県外からの漁船の利用が盛んです。水産業をはじめとする地域産業の活性化の一翼を担う港湾として、その役割を果たしています。

とあります。

 以下は中之作漁港だ。2011年4月来たときは、下の写真にあるように2層の船の赤い色の底が港に横たわっていた。まるでクジラが2頭いるように。


2011年4月来たときの中之作漁港
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900


2011年4月来たときの中之作漁港
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900

 以下は2018年6月17日の中之作の港である。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900

 中之作港の新設された堤防の内側に珍しいものを見た(下の写真)。これはコンクリートのテトラポッドをつくるための鉄製の型枠だ。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900

 下が出来上がったコンクリート製のテトラポッドである。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900

 堤防の高さはテロラポットと比べるとほぼ同じ高さ。低いような気がする。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900
 
 問題は港に出入りする水門だ。下はその水門の一部。どう見ても低いのと、問題はこれを電動で開け、閉めするのだが、津波が来るタイミングとの関係で、果たしてうまく閉まるかがだ。岩手県釜石市の小白浜の水門も類似の電動式だったが、津波との関係でうまく閉まらず、後背地の住宅が津波にさらわれている。
 

撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900

<参考>

◆東日本大震災における福島県沿岸域の津波による浸水高・遡上高

鮫川右岸 須賀-関田海岸   浸水高 4.2, 4.7, 4.9, 6.7 m (TP)
証言:1波目よりも,2波目,3波目が大きかった

鮫川左岸 岩間地区・小浜海岸  浸水高 6.3, 6.8, 7.3 m (TP)
                       遡上高 6.3, 7.9 m (TP)

参考情報:  調査開始前に三角点の標高を計測

鮫川左岸河口 地図の表示     5.3 m
RTK GPS による計測          5.04 , 5.08 m

サンマリーナ              遡上高 9.4 m (TP)
永崎地区                浸水高 5.3 m (TP)
                      遡上高 7.3 m (TP)

折戸地区,江名漁港         浸水高 6.3, 6.8 m (TP)
豊間海岸                浸水高 7.5, 9.2 m (TP)

いわき平薄磯    浸水高  5.9 m
いわき平薄磯    遡上高  6.1 m(この地区の海岸堤防天端高 5.2 m)

いわき四倉 管波病院付近   浸水高  6.2 m
              (この地区の海岸堤防天端高 5.9 m)
いわき四倉 道の駅よつくら港 浸水高  5.9 m
いわき四倉 四倉高校付近   浸水高  3.6 m


つづく