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   東マレーシア・サバ州現地調査

ボルネオ島熱帯雨林減少の総括
  Summary of Decrease Rainforest
in Bouneo Is.


青山貞一 Teiichi Aoyama
池田こみち Komichi Ikeda

掲載月日:2015年2月15日
独立系メディア E−wave Tokyo


<全体目次>



 1月31日 成田→コタキナバル(東マレーシア・サバ州)
 2月 1日 〜 2月4日 現地予備調査
    1日 熱帯雨林自然保護区野生生物観察
    2日 ボルネオ島最北部クダッ現地視察
    3日 キナバル山麓、キナバルパーク現地視察.......●
    4日 コタキナバル市内視察
 2月 5日 コタキナバル→成田


 以下はサバ州自然公園、キナバル・パークのポーリング・ホット・スプリング館内の環境保護費、施設別入場料などの一覧です。そのなかには先に示しました植物園、熱帯園などもあります。

 それぞれの額は、マレーシア人と外国人で区別しており、マレーシア人はいずれも外国人の1/5となっているのが特徴です。これらは世界遺産としてのキナバル・パークを維持管理するための費用のはずです。

 日本ではこの種の施設は温泉を除き、ほとんど無料となっていますが、外国人からより多くを徴収し、少額ではあっても国民、子供からも徴収し、維持管理や雇用にあてる姿勢には学ぶべきものがあると思います。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S6400  2015年2月3日


 以下にキナバル・パークの野生生物をトリップアドバイザイーの写真で紹介します。


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このキナバル・パークのガーデンには青山が大好きな蝶類の展示だけでなく実物のトリバネチョウ(トリバネアゲハ)が見れるガーデンもあります。


This photo of Poring Hot Springs is courtesy of TripAdvisor


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トリバネチョウ
 トリバネチョウ(鳥翅蝶)、またはトリバネアゲハ(鳥翅揚羽)は大型の熱帯性アゲハチョウ。通例ではジャコウアゲハ族下のアカエリトリバネアゲハ属 、およびトリバネアゲハ属 に分類される熱帯性の大型で美麗なチョウ各種を指します。しかし今日では同族下のキシタアゲハ属 Troides まで含めることが多くなっています。
分布
 属により分布が異なります。アカエリトリバネアゲハ属マレー半島、インドネシアのボルネオ島、スマトラ島に分布します。各種ごとの分布は局所的であり、ニューギニアでは峰が、インドネシアでは島が変わるとそこに産する種も変わります。
形態
 どの種も例外なく大型のチョウであり、世界最大とされるアレキサンドラトリバネアゲハ になると胴長が最大 76mm 、開翅長は 280mm にもなります。細身の前翅は先端が鋭角状に狭まり、前後翅ともに緑、黄、黒、クリーム色がかった白が載りますが、トリバネアゲハ属には稀にオレンジや青といった色を呈する種がいます。
生態
 どの種も熱帯雨林をすみかとしています。成虫のエサは林冠に咲く花やランタナなどの地生花の蜜で、これらの植物にとってこのチョウは重要な花粉媒介者でもあります。強力な飛翔力を有しており、常に太陽光の当たる場所を求めて飛び回っているため、成虫を見る機会は少なく、わずかに森縁部で見かけることができる程度です。繁殖は種によってそう変わらず、どの種もメスの役割は比較的受け身です。オスは梢から梢をひらひらと飛びながら、メスの頭上 20-50cm の場所で、入念に翅を震わせながら、休むことなく求愛ダンスを踊り続けます。交尾後、メスはすぐに幼虫の食草を探し始めます。食草はウマノスズクサ科のウマノスズクサ属 及び同科のパラリストロキア属 。つる性植物で、メスはこれらのつる草を見つけるとその葉の先端に1葉あたり1個の割合で球形の卵を産み付けます。

出典:Wikipedia


 なお、今回は、天候が最悪でよれませんでしたが、キナバル山の中腹に「キパンディ・バタフライパーク」があります。英語名は  Kipandi Park です。
 
 以下の出典は、キパンディ・バタフライパーク, サバ州政府観光局オフィシャルサイトです。

 このキパンディ・バタフライパークは、クロッカー山脈に位置しており、約2500種の樹木を含む約8000種類の多様な植物が生息しています。

 世界的にも重要な生物多様性のサンクチュアリと言われています。また、世界でも稀に見る、豊富な種類の昆虫が生息しています。

 なかでもバタフライパーク(蝶類公園)は、ピナンパン地方のモヨッ地区、クロッカー山脈の中腹・標高700mのところにあります。木々に囲まれた美しい自然環境の中にあり、セミや鳥達の声を聞きながら散策をすると、まるでパラダイスにいるような気分です。

 美しい花に、甘い蜜を求めてくるエレガントな蝶達の柔らかい羽音。ネットで囲われたバタフライ・ガーデンには、100種類以上の蝶がおり、簡単に写真を撮ることができます。


出典:キパンディ・バタフライパーク, サバ州政府観光局オフィシャルサイト


This photo of Borneo is courtesy of TripAdvisor

バタフライ・ガーデン

通常は至近距離で見ることが難しい珍しい蝶を、自然な状態で観察できます。飼育されている蝶には、非常に珍しいラジャ・ブロックスやゴールデン・バードウィングなどもいます。バタフライガーデンでは、サバ州野生生物局との共同プロジェクトとして、絶滅危惧種の蝶を人口孵化させて森に放蝶する活動を行っています。

昆虫博物館
博物館の昆虫コレクションは、驚くほどの数の様々の形をした美しい色の昆虫がずらりと展示されています。昆虫飼育所には、500頭以上の蝶と3000匹以上の甲虫がいます。特に、クロッカー山脈地域でしか見つけることができないカミキリムシやハナムグリ、クワガタなど多くの固有種は見逃せません。その中には、世界的な科学者によって発見されたばかりの固有種もあります。

ネイティブ・プラント・コレクション
絶滅危惧種のランの仲間やウツボカズラなどの、貴重な地元の植物が収集されています。このプロジェクトもまた、サバ州野生生物局と共に共同で行っています。野生の状態で観測することが非常に難しい原産のラン・500種以上を収集しており、植物学の研究者や専門家にとって重要な位置を占めています。また、28種類のウツボカズラなどの食虫植物、40種ものホヤ(ワックス・フラワー)、5種類のエスキナンサスも見ることができます。 キパンディ・バタフライパークの開園時間は、午前9時〜午後4時まで。午前9時から午前11時ごろまでが、蝶を観察するのに最も適しています。


◆ボルネオの熱帯雨林生態系の現在

 
ところで、ボルネオ島をくまなく調査してきたJane E. Bryan, Philip L. Shearman両氏へのインタビューによれば、マレーシアのサバ州、サラワク州には伐採や皆伐の及んでいない熱帯雨林はほとんど残っておらず、その大部分が1990年以降に行われたということです。

 私達が昨日(2月2日)、コタキナバル北のホテルからクダッに車で行く途中、150kmを2時間半で走ったとき、沿道両側の70%以上が、パーム椰子のプランテーション、モノカルチャーでしたが、それはもともとの原生林を伐採後に、パーム椰子(アブラ椰子)を植えたことを意味しています。

 下は沿道から撮影したものです。


動画撮影:青山貞一

 下のインタビュー記事を読むと、マレーシア州ボルネオ島の大部分の地域で原生林が伐採されて熱帯雨林の80%が喪失しているとあります。インタビュー記事の中程にありますマレーシア、ボルネオ島のマップを見ると緑(みどり)はごくわずかとなっていることが分かります。

マレーシア領ボルネオで熱帯雨林の80%が伐採
著者のブライアン、シアマン両氏へのインタビュー
―この研究の最も重要な発見は?

出典:http://jp.mongabay.com/news/2014/jp0717-borneo-rainforest-logging.html

Jane E. Bryan, Philip L. Shearman, Gregory P. Asner, David E. Knapp, Geraldine Aoro, Barbara Lokes (2013). Extreme Differences in Forest Degradation in Borneo: Comparing Practices in Sarawak, Sabah, and Brunei. PLoS ONE 8(7): e69679. doi:10.1371/journal.pone.0069679

マレーシア領ボルネオで熱帯雨林の80%が伐採
Rhett Butler, mongabay.com
Translated by: Tomoyuki Matoba
10-02-2014

 重要な発見は2つある。第一に、マレーシアのサバ州、サラワク州には伐採や皆伐の及んでいない熱帯雨林はほとんど残っておらず、その大部分が1990年以降に行われたということだ。われわれの推定では原生林の面積はマレーシア領ボルネオのわずか22%で、それさえも伐採を控えめに見積もった数値だ。伐採の規模そのもの、それに伐採道路がサバ州とサラワク州に残された森林のほぼ全域に張り巡らされていることは、多くの人々にとっては驚きだろう。これまでの森林マッピング研究では低解像度の画像が使われていたが、われわれが使ったような高解像度の画像でなければ伐採の可視化はできない。

 第二の発見は、マレーシア領ボルネオとは対照的に、国境を接するブルネイでは森林の大部分が未伐採のまま残っていることだ。2国の違いは歴然としている。マレーシア側では伐採道路や作業通路が森林の中に密なパターンを描いているが、それが国境で途切れ、ブルネイ側には森林を分断する道路や作業通路はほとんどない。国境を挟んで、一方では1990年以降乱伐が進み、他方ではほとんど伐採が行われなかったというのは、驚くほど対照的だ。過去数十年間、ブルネイが石油とガスの採掘から富を築き伐採を禁止してきたことが、優れた森林保全の成果につながった。ブルネイでは今でも国土の半分以上に原生林生態系が広がっているが、マレーシア領ボルネオではわずか22%にすぎない。とはいえ、ブルネイは小国であり、面積はマレーシア領ボルネオの3%しかない。




―保全政策への提言はありますか?

 ブルネイでは今でも国土の半分以上が原生林に覆われ、サバ州・サラワク州では最大22%しか残っていない、という対比は示唆的だ。ブルネイの例は、伐採の完全禁止が長期的な保全策として効果的であること、またそれには国家に代替収入源が必要であることを示している。ブルネイでは石油とガスがそれにあたる。

 平均余命、教育、GDPからなる国連人間開発指数をみると、ブルネイはマレーシアを上回っている。これはブルネイ以外の原生林被覆率の高い熱帯の資源保有国にとって、国富を築き福祉を達成するのに大規模な商業伐採は不要であることを示す良いニュースだ。国家の発展と経済成長を妨げることなく、森林保全のために商業伐採を完全に禁止するという選択が可能なのだ。また、ブルネイとマレーシア領ボルネオの対比は、伐採の完全禁止が小さな保護区のネットワークよりもはるかに効果的な長期的森林保全策であることを示している。

 すでに森林の大部分が乱伐にさらされたサバ州とサラワク州については、別の方策が必要だ。残されたわずかな未伐採森林については、保護区に指定し保護を強化することは理にかなっている。しかし2州に残された原生林は非常に少ないため、森林保全の取り組みの中心は伐採後の森林とするべきだ。

 熱帯地域の伐採林はふつう二次林となる。伐採道路が後続の伐採の好適地をつくりだすため、二次林は原生林よりもはるかに皆伐の対象になりやすい。サバ州とサラワク州では、20年の間に同じ森林区画内に複数の道路が築かれた場所が多数見つかった。短期間のうちに繰り返し伐採を行えば、森林の空洞化は加速し、行き着く先は油ヤシ生産のための意図的な、あるいは火災による非意図的な土地利用変化だ。森林保全策によって再生産プロセスを確立しなければ、サバ州とサラワク州の二次林はこのような運命をたどるだろう。

 これに関して、われわれはREDD制度がまだ大きく貢献できると考えている。REDDの本来の目的は熱帯林をもつ国家に対して商業伐採や伐採を伴う農業にかわる代替収入源をもたらすことだった。マレーシアのサバ州とサラワク州には、商業伐採の方針を転換し、二次林でのさらなる大規模伐採を禁止し、樹木が完全に再生するだけの伐採間隔を定め、炭素貯蔵に対する支払を代替収入とする余地が大いにある。現状でのもう一つのシナリオは保護区のネットワークだけに森林保全の希望を託すことだが、この場合ではかつての広大な森林生態系のうち、未来に手つかずで残せるのはサバ州の8%、サラワク州の3%にすぎない。



 原生林の多くが残っているブルネイについて以下に紹介しておきます。

◆ブルネイ・ダルサラーム国(ブルネイ・ダルサラームこく)、



出典:Wikipedia
 通称ブルネイは、東南アジアのイスラム教国で、イギリス連邦加盟国です。ボルネオ島(カリマンタン島)北部に位置し、北側が南シナ海に面するほかは陸地ではマレーシアに取り囲まれています。首都はバンダルスリブガワン。元首はハサナル・ボルキア国王(スルターン)です。
石油や天然ガスなどの資源を多く埋蔵しており、ASEANの一員になっています。

主な歴史
1888年:イギリスの保護領となる
1941年:太平洋戦争の勃発に伴う日本軍の侵攻により1945年まで日本の統治下となる
1959年:イギリスの自治領となる
1962年:ブルネイ動乱
1984年:イギリスより独立する

 国土は、マレーシア領となっているリンバン川流域によって、二分されています。全土が熱帯雨林気候下にあります。東側、テンプロン川流域は、海岸付近を除き、ほとんどが未開発の密林で、広大な自然公園となっています。国民の大半は、西側の3つの地区に住んでいます。面積は日本の三重県とほぼ同じくらいです。ブルネイの標高最低点は0m、最高峰はパゴン山(1850m)です。

経済
 IMFの統計によると、2010年のブルネイのGDPは119億ドルであり、日本の鳥取県の50%程度の経済規模があります。ブルネイの中央銀行はブルネイ通貨金融庁です。
 石油、天然ガスの輸出により、非常に経済は潤っています。石油天然ガス部門がGDPのほぼ半分、輸出のほぼ全てを占めており、それらに依存した経済構造となっています。また、貿易依存度も高い。食料品はそのほとんどを輸入しています。物価は他のアジア諸国と比べて高くなっています。

 2010年の一人当たりのGDPは約28,000ドルでありますが、医療費が無料であることや所得税がないため、購買力では名目の数字より水準が高いと言えます。将来の石油資源枯渇に備え、豊富な資金を背景に国外へと積極的に投資しており、イスラム銀行などの金融業や観光業の育成が図られています。また石油・天然ガスによる収入を元に、政府が医療サービスなどの社会福祉を充実させており個人に対する所得税・住民税は課されていないません。




◆今回、サンダカン行きは断念


 この後、サンダカン側に車を走らせます。しかし、ポーリング・ホット・スプリングスからサンダカンは225kmと距離があり、到底日帰りは無理なので、途中で引き返しシャングリラのリゾート・ホテルに戻りました。

 下は一旦サンダカンに向かいますが、霧がすごいので引き返しキナバル山麓を越えてコタキナバル側に戻るところの動画です。


動画撮影:青山貞一  2015−2−3


動画撮影:青山貞一  2015−2−3


動画撮影:青山貞一  2015−2−3


 サンダカンは次の現地調査に譲ることにしました。


出典:グーグルマップ

 ちなみに帰国後調べたら、コタキナバル国際空港からサンダカン市街地まで長距離バスが出ています。チケットは片道1200円と安いのですが、朝10時にコタキナバルを出発し、午後5時にサンダカン到着です。長距離バスは片道で7時間もかかることが分かりました。

 一方、コタキナバル国際空港からサンダカン空港まで国内路線が多数あります。所要時間は役40分、チケットは片道2000円程度です。下の表を見ると、コタキナバルからの出発時刻は朝7時から夜8時15分まで結構沢山あります。航空会社はマレーシア航空とエアアジアの2社です。


出典:http://flyteam.jp/airline_route/bki_sdk/flight_schedule#bki_sdk


つづく       <全体目次>