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2018年・東日本大震災
復旧実態調査(岩手県編)

大槌町沿岸2

青山貞一・池田こみち 
環境総合研究所顧問
掲載月日:2019年3月20日  2020年3月11日第2次公開
 独立系メディア E-wave Tokyo
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宮古市1 宮古市2  宮古市3 宮古市田老地区1  宮古市田老地区2 
宮古市田老地区3   参考:宮沢賢治


◆宮古市田老沿岸3


出典:東北地方太平洋沖地震を教訓とした地震・津波対策に
関する専門調査会配付資料

◆大槌町沿岸2


出典:東北地方太平洋沖地震を教訓とした地震・津波対策に
関する専門調査会配付資料


出典:グーグルマップ

 
今回(2018年7月1日)の現地調査では、大槌町に入ったところで計測した空間放射線量率は0.09μSv/hであり、2018年の岩手県としては結構高い値と言える。


影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 2018年7月1

 
下は国道45号線で釜石市から大槌町に入ったところの写真である。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 2018年7月1日

 下の写真は、大槌町の町役場などがある中心部に向かっている途中で撮影したものだが、写真向かって右側には民家が立ち並んでいることが分かる。



撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 2018年7月1日

 下は少し高台にあったことで浸水、倒壊を免れた
小槌神社である。

 私たちの調査では、全国各地でほぼ神社は高台にあることが分かっている。実際、大槌町でも、小槌神社以外に大槌町の安渡にある大槌神社もGLから約17m高い位置にあり、3.11津波来週時、周辺の住民が大槌神社に上ることで命が助かっている。



撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 2018年7月1日


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 2018年7月1日

 
以下は大槌町役場と大槌公民館だが、3.11津波来襲時には町役場は完全に津波に呑まれ、大部分の職員が命を落としている。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 2018年7月1日

 
以下は、3.11の津波来襲時に大槌町役場の状況を伝える記述である。

◆東日本大震災津波発生時の大槌役場

 津波発災時、町長・加藤宏暉を始めとする町職員幹部ら約60人は災害対策本部を立ち上げるべく町庁舎2階の総務課に参集したが、余震が続くためにいったん駐車場へ移動し、さらに津波接近の報を受けて屋上に避難しようとしたものの、約20人が屋上に上がったところで津波が到達。町長と数十人の職員は間に合わず、庁舎の1・2階を襲った津波にのみこまれて、そのまま消息が途絶える。

 町長以外にも課長クラスの職員が全員行方不明となったため、行政機能が麻痺した。県都である盛岡市から車で数時間かかる地勢も災いして、被害の全容が外部に伝わりにくく、周囲から孤立したような状況がしばらく続いた。


 3月19日:行方不明となっていた加藤町長が遺体で発見される。津波被害のため選挙が実施できず、以後5ヶ月余りにわたって町長が空席となる。

 4月9日:この時点で判明した人的被害は死者583人・行方不明者1,068人・避難者9,070人、建物被害は詳細不明。

出典:Wikipedia

 
大槌町を東にさらに進み海岸沿いの防波堤の海側を行く。左側には、古い防波堤の修復とともに新たな防波堤が作られていた。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 2018年7月1日


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 2018年7月1日


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 2018年7月1日

 
下の堤防は、もともと約4mの高さがあったが、3.11後、上部に1mほど堤防を増設していることが分かる。白い色の部分が増設部分である。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 2018年7月1日


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 2018年7月1日

 しかし、海沿いの堤防はところどころに出入り口があり、その出入り口から津波が安渡地区など住宅などがある背後地に流入している。もちろん、4mでは高さが低く、津波が簡単に乗り越えていた。

 このように、堤防の門などの切れ目で津波がもろに背後地に入り込むのは、大槌町だけでなく、釜石市唐丹町の小白浜漁港の堤防、また宮古市田老の巨大堤防などでも生じている。

 その場合、門などは電動で開閉できるようになっているが、津波来週時にしっかりと閉じられていないことが大きな課題である。すこしでも津波が入ると、開閉が困難になるからである。



撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 2018年7月1日

 
下は3.11の津波に襲われた赤浜地区の東京大学海洋研究所付属の国際沿岸海洋研究センターである。現在は、高台の敷地に別途センターが建築されている。

 
この東京大学海洋研究所付属の国際沿岸海洋研究センターは、人的被害こそ無かったものの、建物は3階まで津波に洗われ、壊滅的状態となった。1、2階では紙媒体と電子媒体による保存データの全てが失われた。また、港に係留してあった研究船は沈没した。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 2018年7月1日

 
下は赤浜地区の山側に新たに建築された国際沿岸海洋研究センターである。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 2018年7月1日


大槌3へつづく