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   東南アジア最後の秘境 ミャンマー

バガンの黄金王宮(4)
Golden Palace of Bagan

青山貞一 Teiichi Aoyama  池田こみち Komichi Ikeda
掲載月日:2016年8月4日
独立系メディア E−wave Tokyo

無断転載禁
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 この黄金王宮については、日本語はもとより英語でもほとんどまともな解説がないこともあり、以下に現場で撮影した写真をギャラリー的に紹介するにとどめます。

 おそらく膨大なミャンマーの国費を投入しながら、ミャンマー国民はまだしも、入域料と入場料を徴収しておきながら外国人観光客らに対し、これでは申し開きができないのではないかと思えます。

 これは何もバガンの黄金王宮のみでなくバガンの考古学博物館、さらにマンダレー王宮、ヤンゴンの国立博物館についても同じです。これらについては、帰国後しらべたところ、まともな公式Webもないようです。

 とくにこのバガン黄金王宮では、建築物、施設、調度、家具などについての英文による表示、解説がないため、入場者には自分がどこにいるのか、この部屋は何の部屋なのか、時代状況はどうなっているのか、バガンのどの王がつくり、追加、改良したものなのかが、さっぱりわからないのです。

 これには大変驚きましたが、お昼過ぎに訪問した考古学博物館も似たり寄ったりです。説明案内板がない場合には、常識的には最低限英語が話せる学芸員がいて質問に対応すべきですが、見渡したところ係員同士がビルマ語でおそらく私語をしているばかりでした。

 もっぱら、王宮には出入り口に切符切りの係員がいるだけで、王宮内部では誰一人学芸員と思しきひとはいませんでした。

 今後、軍事政権から民主的な政権に移行するなかで、国、行政が国民にまた外国からの観光客などに何をどうすべきかについて考え、「はこもの」主義から情報、説明などの重要性に気づかれることを期待します。


 以下は王宮メインホールの天井です。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 2016-6-7

 天井の模様についてについての解説です。

◆七宝つなぎ

 七宝とはもともと仏典での用語で、大変貴重だった七珍のことです。(金・銀・瑠璃・玻璃・珊瑚・めのう・しゃこ)七宝を構成する円形は円満を湿す事から吉祥文様とされます。文様は同じ大きさの円の円周を四分の一ずつ重ねて繋いでいく文様で、有職文では「輪違い」と呼ばれます。これを連続して規則正しく配列すれば七宝つなぎとなり、刺繍や友禅染の図案の中で空間を埋め、華やかな色彩を加える役割を果たします。

出典:日本の伝統模様と伝統色
   http://www.ikiya.jp/crest/warituke/sippou.html

 以下は妃の化粧室でしょうか? 壁の模様が上の天井の模様ととは違います。


撮影:池田こみち Nikon Coolpix S9900 2016-6-7


 以下はアプローチ用通路です。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 2016-6-7

 以下は上記アプローチの端から見たアプローチです。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 2016-6-7

 これはアプローチの端を地面に降りてゆくところにある飾りです。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 2016-6-7

 以下は王室用の馬車でしょうか? 数台が展示されていました。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 2016-6-7



撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 2016-6-7

 トイレの近くに馬が野放しでいました。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900 2016-6-7

 かくして1時間弱でバガン黄金王宮の視察は終わりました。

 冒頭に長々書きましたが、ミャンマー政府やバガンの地方政府が入域料(約2500円)や入場料(約500円)もとりながら、現場には英語の解説板すらないこと、また一切学芸員がいないことは許されることではないと感じました。

 このことは、世界的旅行案内組織、トリップアドバイザー(Tripadvisor)による世界各国の旅行者による評価(実際に行って見て感じて良かった)でも、バガンにおける20位以内に入っていないことからもわかります。

 以下は、トリップアドバイザー(Tripadvisor)によるバガンの名所旧跡のランキングです。左上から順位が書かれています。ちなみに、これから行くアーナンダ寺院は第二位、スラマニ寺院は第三位はじめ、今回私たちが実質バガン滞在2日間で詳細を視察した寺院、パゴダの大部分は二十位にはいっていました。しかし、ことこの黄金王宮は二十位にも入っていません。

 すなわち学術面ばかりではなく観光面から見ても、バガン黄金王宮は、巨額の費用をかけてつくりながら世界中の国民からほとんど評価されていないことを示しています。

一位から十位

出典:トリップアドバイザー(Tripadvisor)

十一位から二十位

出典:トリップアドバイザー(Tripadvisor)

 なお、上記で私たちが今回のバガン滞在中に視察した仏教遺跡は、以下です。

 第一位   バガンの仏教遺跡全般
 第二位   アーナンダ寺院  
 第三位   スラマニ寺院
 第五位   シュエサンダーパゴダ
 第六位   ダマンザイーパゴダ
 第十位   ダビィニュ寺院
 第十二位  シュエグージー寺院
 
 もちろん、観光面から見て人気が高いことと仏教遺跡として価値があるかどうかは別ですが、気球乗りが第八位、土産屋さんが第二十位にランクされているなかで、20位までにバガンの考古学博物館や黄金王宮がランクされていないのは、わかる気がします。


 この後、私たちは先に視察したタラバー門をでて、アーナンダ寺院(Ananda Temple)に向かいます。


つづく