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<補遺> バガンの漆器
Lacquerware of Bagan

青山貞一 Teiichi Aoyama  池田こみち Komichi Ikeda
掲載月日:2016年8月4日
独立系メディア E−wave Tokyo

無断転載禁
(138) 最終日・バガンの朝   (139)シュエズィーゴン・パヤー   (140) ニャンウー空港
(141) ヤンゴン国際空港   (142) バガンの漆器   (143)ポッパ山とナッ神信仰

(144) まとめ

 ここでは、補遺として、バガンを原産とするミャンマーの漆器について触れておきます。

◆バガンの漆器

 バガン空港同様、ヤンゴン国際空港でもラッカーウエア、いわゆる漆器が多数売られていました。バガンはビルマ漆器の原産地です。

 下はヤンゴン国際空港にあった漆器の売り場です。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900  2016-6-9



撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900  2016-6-9

 下は漆器(ラッカーウェア)の解説です。やはりミャンマーではバガンが原産地となっています。

◆漆器(しっき)Lacquerware (lacquerware)

 漆器(しっき)は、木や紙などに漆(うるし)を塗り重ねて作る工芸品です。日常品から高級品、食器、根付、または車体[1]にと様々な形があります。漆をまとった食器の意味であるがそれに捉われない。漆を表面に塗ることで器物は格段に長持ちします。

 ウルシから採れる加工した樹液が漆でありますが、これを加工された素地(きじ:素材が木の場合には「木地」)に下地工程、塗り工程と、細かく挙げると30から40になる手順を経て漆器に仕上げて行きます。

 この工程は漆工と言われそれぞれに名前があり、生産地別で考え出された漆工も合わせると多岐にわたります。利用される素地にはよく乾燥された木材、竹、紙、金属などがあり現代では合成樹脂も使われています。

 漆器は日本だけでなく東・東南アジア地域に広く見られます。 日本では縄文時代から漆を生活に役立ててきました。漆工の発達やその伝播、郷土の文化と相俟って数々の産地が起こっています。現在でも多くの場所で使用されている。盛衰を経て生産者が減少したものの現在に受け継がれています。


ミャンマー・バガンの漆器

 ミャンマーではビルマウルシ(en:melanorrhoea usitata)から採れる樹液が原料です。絞り出された樹液は淡い黄色をしているが空気に触れると黒に変化します。

 漆塗され磨かれると耐水や耐熱に優れる漆面となります。16世紀にバインナウンがマニプルやチェンマイ、中国の雲南省などを征服した際、連れ帰った大勢の職人が製作したのが始まりとされています。

  バガンが主要生産地で、200年続く伝統的な漆工が現在も成されています。この15年で旅行者の減少、樹脂の高騰が原因で三分の二以上の製作所が閉鎖されているそうでする。]


オールドバガンにあった漆器・博物館研究所 Lacquerware Museum & Institute

出典:Wikipedia

◆ミャンマーの漆器について

  キンマ(蒟醤)と呼ばれ、ミャンマー製の漆塗り手工芸品の一つです。竹で編んだ素地に漆を塗り,これに模様を線彫し,色漆を詰めて研ぎ出したもの。タイで竹カゴなどに多く用いられるが、 16世紀からは産地が移行しミャンマーで盛んに作られるようになる。その後日本にも輸出され、茶人に香入れとして愛用された。時代が下ると茶人の要求により日本でも讃岐キンマ(キンマ漆器)として生産され始めた。

出典:Wiki他より

 下は池田が購入したバガンの漆器 (茶道の棗として使うつもりとのこと)ですが、池田によると日本で売られている同じような漆器の1/10程度の価格ではないかとのことです。今後、日本の業者が入ることにより、ミャンマーで大量に仕入れ、日本で高額で売られることになるのを危惧します。
 この棗は小ぶりですが、竹製で内側は黒塗り、外は、黄色と緑の衣装の踊り子の柄でとてもエキゾチックです。キンマらしい技法です。


撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900  2016-6-9



撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S9900  2016-6-9


 下は、鳳凰の絵と花柄です。もうひとつは、唐草模様です。表と裏を撮影してみました。
これもバガンの空港で池田が求めまたものです。小さなお椀で、水物でも熱いものでも入れられます。地元では仏様のお供えなどにも使うようです。何度も漆を塗り重ねて柄を掘り出しているので丈夫です。


撮影:池田こみち Nikon Coolpix S9900  2016-8-2


撮影:池田こみち Nikon Coolpix S9900  2016-8-2


撮影:池田こみち Nikon Coolpix S9900  2016-8-2


撮影:池田こみち Nikon Coolpix S9900  2016-8-2

 なお、バガンはミャンマー最大の漆器生産地とされています。お椀の場合、竹を輪にし、少しづつ輪郭をずらしてお椀に成形します。それはずれがあると綺麗な円形にならないからです。

 作り方の基本形に漆を塗り乾燥させ、そしてまた漆を塗りと、15から20回繰り返します。それにより黒漆の器となったら、彫り込みを入れ繊細な模様付けをします。お椀ひとつを作るのに半年もかかるそうです。

 ミャンマー、とくにバガンには漆器も職人が多数おり、また宿泊したホテルの近くにラッカウェアー研究所もありました。 なお、漆器の基部は竹材やチーク材です。


つづく