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初夏の尾瀬ヶ原湿原を行く
@「鳩待峠」から「山の鼻」へ

青山貞一 Teiichi Aoyama

21
June 2009 無断転載禁
初出:独立系メディア「今日のコラム」


 2009年6月19〜21日にかけ、群馬県東部、片品村北部の新潟県、福島県との県境にあある尾瀬国立公園に青山貞一、池田こみち、鷹取敦の環境総合研究所の面々と弁護士の坂本博之氏の4人ででかけた。

 今年の6月は気候変動のせいか天候不順で、連日、雨が降ったり、5月に計画をたてたときから天気が憂慮されたが、登山した6月20日(土曜日)は、格好の登山日よりで、丸一日かけた初夏の尾瀬探訪は大成功であった。

 この5月のゴールデンウィーク、北軽井沢にある環境総合研究所の別荘に青山、池田、坂本ででかけた後半、青山、池田は嬬恋村から片品村まで120km以上車を飛ばし群馬県を横断して、尾瀬の大清水まで行き、大清水→一ノ瀬→三平峠と尾瀬沼を目指した。

 しかし、このときは@天候が不順であっただけでなく、A残雪が多く残っており、Bさらに登山後午後から開始したこともあって、尾瀬沼まであと少しの三平峠近くで夕暮れが近くなり、残念ながら、大清水まで折り返した。

 以下はそのときのブログである。

青山貞一・池田こみち L4日目:山開き前の尾瀬を登る
青山貞一・池田こみち M4日目:番外編:尾瀬遭難について
青山貞一・池田こみち N4日目:大清水の水芭蕉

 何と私たちが登ったルートで2日前遭難があり、その後、死亡が確認されていた。途中で折り返した私たちの判断は間違いなかったわけだ。

 今回は6月下旬の初夏であり、残雪はなく、午前中からの登山であったが、何はともあれ天気が心配であった。しかし、登山日の6月20日(土曜)だけは、最近ではめずらしく一日中、好天に恵まれた。


●6月19日

 6月19日、いつもように東京都練馬区にある池田さんのご自宅に午後7時に全員集合し、いつもように近くのお蕎麦屋さん(朝日屋)に行き夕食をとった後、午後8時30分頃、赤いいろのヴィッツで出発だ。

 練馬から関越自動車道で一路北軽井沢にある環境総研の別荘に向かう。途中、上里SAで休憩を取った後、長野道の碓井軽井沢インターで高速を降りた。

 一般道に通ずるアクセス道路を走り出したら、ものすごい霧で、前方が満足に見えない。とにかく安全第一で軽井沢から中軽井沢まで行く。その後、国道146号線で浅間高原に向かい、途中国道146号線からから鬼押しハイウェーに入る。

 ここでもまだかなりの霧がある。非常に珍しい経験だ。

 別荘に無事到着後、明日の朝食と昼食のおむすび用のご飯を炊飯器に掛ける。19日はそのまま全員、就寝。起床は5時、出発は6時とする。

 
●6月20日

 
午前5時に全員起床。池田さんと鷹取さんはそれより前に起きておむすびをつくってくれていた。4人でおむすびの朝食をとった後、午前5時30分に別荘を出発する。

 ルートは、嬬恋村→長野原町→東吾妻町→中之条町→高山村→昭和村→沼田市→片品村 である。前回は途中、みなかみ町、川場村も通過したが、今回はパスし直接片品村の戸倉に向かった。

 下は今回の行きのルートである。


 
 私たちは午前7時50分、片品村の戸倉駐車場発、同じく片品村鳩待峠着のシャトルバスにとるべく、車を飛ばし、何とかかんとか午前7時50分の直前にに戸倉駐車場に到着した。

 実はこの時期、尾瀬ヶ原登山の起点となる鳩待峠へのマイカーは通行規制されており、戸倉駐車場に一旦マイカーを置き、片道一人900円のシャトルバスに取り替え、12kmほどの距離をバスで登らねばならない。マイカーの駐車料金は1日1000円である。

 7時50分発のシャトルバスに4人とも乗車でき、一路、鳩待峠に向かう。約22分で鳩待峠にシャトルバスが到着する。ちなみに帰りは15分弱だった。

 鳩待峠(標高1591m)は、尾瀬登山の一大拠点となっており、こっから尾瀬ヶ原だけでなく、富士見峠(1883m)、至仏山(2228m)などへ向かう登山者の拠点となっている。


左から池田、青山、坂本、鷹取。尾瀬ヶ原に行く出発点にて
撮影:女性の登山者 Casio 2009.6.20

 今回はこんないでたちで尾瀬ヶ原を縦走した。


から池田、青山、坂本、鷹取。尾瀬ヶ原に行く出発点にて
撮影:
女性の登山者 Casio 2009.6.20

 下の地図では、シャトルバスで鳩待峠(鳩待山荘)まで行き、その後、3.3km、山の鼻のビジターセンターまで歩く。下りは約1時間、登りは1時間20分ほどの道のりだ。

 私たちは、「山の鼻」からグリーン部分の尾瀬ヶ原を6kmほど横断し、「見晴」まで行った。途中、「牛首分岐」、「竜宮」などの木道の交叉点がある。
 
 
尾瀬ヶ原全図。尾瀬にはその他として尾瀬沼がある。

 ところで、尾瀬は、平成17年11月にラムサール条約の登録地に認定されている。そして平成19年8月には全国で29番目の国立公園として指定されている。尾瀬は、群馬を中心に、福島、新潟、栃木の4県にかこまれ雄大かつ繊細な自然が残ることで知られている。

 私は大学の「環境と法」や大学院の「環境法」の自然環境関連法制のなかで、この尾瀬国立公園について触れている。

 この尾瀬は、私も長野県環境保全研究所長のときに係わった長野県の上高地同様、自然環境を保全するために交通規制をかけている。

 いずれもマイカーを規制し、シャトルバスや専用乗り合いタクシーで登山客を移動させているが、そろそろ電気自動車なり最低限、ハイブリッド車などの低公害車に代える時がきていると思う。

 午前8時20分、私たちは尾瀬ヶ原ルートに向かう。


ゴミについては持ち帰り運動を行っている
撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.6.20

 鳩待峠から尾瀬ヶ原の入り口となる「山の鼻」までは3.3kmの下りとなる。尾瀬ヶ原は1409mにある広大な湿地である。

 一方鳩待峠は1591mあり、約182m下ることになる。「尾瀬ヶ原」から「山の鼻」までは大部分が木道となっているが、結構、下りが急なところもあり、木道から足を踏み外したりすると怪我をするので、慎重に下る。

 
撮影:鷹取敦 Casio 2009.6.20




撮影:鷹取敦 Casio 2009.6.20

 下はすでに成長しきった水芭蕉(ミズバショウ)の葉を見ているところ。尾瀬ヶ原では水芭蕉は6月上旬がみどころであって、6月下旬になると一部を除き、下の写真のように葉っぱが大きく育ってしまう。

 
撮影:鷹取敦 Casio 2009.6.20


撮影:鷹取敦 Casio 2009.6.20

 実は今回の登山では、水芭蕉の花を見るのには遅く、逆にニッコウキスゲの花を見るには早い、ある意味中途半端な時期である。しかし、新緑のみどりのグラデーションはこの上なくすばらしい!!

 尾瀬には900種を超す植物が群生しているという。水芭蕉やニッコウキスゲ以外のさまざまな植物をこの時期に見ることができる。

 下は植物をデジカメで撮影する青山とそれを見る池田、坂本。大したものは入れていないが、私のリュックは結構大きくなった。


撮影:鷹取敦 Casio 2009.6.20

 以下は尾瀬ヶ原に到着する前の木道周辺で撮影した植物の一部。


ムラサキヤシオツツジ
撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10
 2009.6.20


コバイケイソウ
撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.6.20

  
ムシカリ(オオカメノキ)
撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.6.20


ルイヨウボタン
撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.6.20


再び ムシカリ
撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.6.20

 下は木道の近くにある熊よけのカネ。


撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.6.20

 以下は木道を行く池田さん。木道は一部地域を除き、群馬県、東京電力、環境省(平成19年以降)に整備されている。下はあと少しで「山の鼻」休憩所近くの木道を行く池田さん。


撮影:青山貞一 Nikon Cool Pix S10 2009.6.20

 鳩待峠から約1時間弱、尾瀬ヶ原側に歩いた。

 もうすぐ尾瀬ヶ原の入り口、「山の鼻」のビジターセンターに到着だ。


つづく