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沖縄の記憶
Memory of Okinawa
6.断崖絶壁の岬 

青山貞一 Teiichi Aoyama
21 Feb. 2009 転載禁


 ここ数年、毎年のように沖縄本島にでかけている。調査や研究などの仕事ででかけているのだが、それとは別に沖縄に残された希有な自然を自分の目に焼き付け、そして記憶と写真に記録にとどめようとしている。

 沖縄の自然環境やそれをとりまく海洋生態系は、世界的に見ても稀有なものであったはずだが、常軌を逸した米軍基地の存在、それに今や「常習化」している公共事業への依存症によって、次々に破壊され、見る影もない。

 現在の沖縄、とくに本島で紺碧そしてマリンブルーの海や珊瑚の浜辺を見つけるのはそう容易でなくなっている。

 私の「沖縄の記憶 Memory of Okinawa」シリーズでは、沖縄本当に残され同時に絶滅の危機に瀕している自然生態系や歴史文化遺産を写真を中心に紹介する。

 その第6回目は、沖縄本島に見る「断崖絶壁の岬」である。

 2009年2月13日〜15日の沖縄現地視察で訪問した場所・機関


 沖縄本島は長さ135 km、幅は最大でで4 kmである。

 この地峡の北部が国頭地方で300〜5 00mの国頭山地とよばれる老年期の山地でおおわれている。国頭の山地には島 内の最高峰余那覇岳(498 m)がある。

 山地の東と西側に海岸段丘が発達し、 段丘をおおう赤色の洪積土は酸性が強くパインの栽培に適しているため、戦 後急速に開発された。

 西海岸は変化と景観に富んでいる。本部半島は嘉津宇岳・八重岳を中心とする地塊山地で、本部町の伊豆味を中心に高 い台地となっている。本部の半島の先端、備瀬崎一帯は景観にすぐれている

  沖縄本島の中・南部は中頭・島尻地方とよばれ、中央部にみられる第三紀層、大部分を占める3段の隆起サンゴ礁からなる。川が少なく、基盤の第三 紀層とサンゴ礁の間から湧出する泉が、飲料水・かんがい用水となっている。 この地帯に県都那覇市をはじめ、基地の街コザ市、浦添市・石川市・具志川 市などの都市がある。

 沖縄の地形だが、以下の地形断面図にあるように、沖縄北部沖縄南部では地形はまったく異なる。大別すると、 平地型の沖縄本島中南部・宮古島等と、山地型の沖縄本島北部・石垣島・西表島等に、大きく2つのタイプに分類できる。平地型の地域は河川が少なく、山地型の地域に河川が集中しているが、この河川も延長が短いという特徴がある。

平地型 沖縄本島中南部、宮古島等
山地型 沖縄本島北部、石垣島、西表島等


出典:内閣府沖縄総合事務局 広報誌/第309号


出典:内閣府沖縄総合事務局 広報誌/第309号

 私は断崖絶壁や山が急角度で海に落ちる地形が大好きで、海外でもカナダ・ノバスコシア州ケープブレトン、同じくカナダのミューファウンドランド・ラブラドール州のセントジョーンズ、ベイブルズ、さらにイタリアのアマルフィ海岸などにも足を運んでいる。

 今まで沖縄に行った経験から沖縄本島で断崖絶壁が経験できるのは、西海岸の読谷村の残波岬と最北端の辺戸岬である。



読谷村の残波岬


残波岬の切り立った地形
 撮影:青山貞一 Nikon Digi Camera CoolPix S10


残波岬の切り立った地形  絶壁の上にたっているのは宇都宮さん(青山ゼミ)
 撮影:青山貞一 Victor DigiVideo GZE30


残波岬の切り立った地形  坪根さん(青山ゼミ)が下を覗いているところ
 撮影:青山貞一 Victor DigiVideo GZE30


残波岬の海岸部。火山岩?が多く歩くのも難しい
 撮影:青山貞一 Nikon Digi Camera CoolPix S10


残波岬の海岸部。火山岩?が多く歩くのも難しい
 撮影:青山貞一 Nikon Digi Camera CoolPix S10


夕暮れの残波岬の海岸
 撮影:青山貞一 Nikon Digi Camera CoolPix S10

 以下はグーグルアースで見た残波岬だが、台地部はもともと数10mの高さなので、立体表示しても断崖絶壁はうまく表現できなかった。


グーグルアースで見た残波岬

 
下は残波岬の夕日。


残波岬の夕日
 撮影:青山貞一 Nikon Digi Camera CoolPix S10


残波岬の夕日
 撮影:青山貞一 Nikon Digi Camera CoolPix S10



最北端の辺戸岬

 
辺戸岬は、沖縄本島最北端に位置し、天気が良いと西側に伊是名島、伊平屋島、北には鹿児島県の与論島や沖永良部島が眺望できる。ここから本土復帰を願ってのろしを上げた歴史もある。

 現在は本土復帰を記念して立てられた祖国復帰闘争の碑もある。冬は北風が強く海が荒れた日が多いが、荒涼とした景観と本土復帰の思いがあいまった絶景である。


沖縄本島最北端の辺戸岬にて
 撮影:青山貞一 Nikon Digi Camera CoolPix S10


沖縄本島最北端の辺戸岬の絶景
 撮影:青山貞一 Nikon Digi Camera CoolPix S10


沖縄本島最北端の辺戸岬の絶景
 撮影:青山貞一 Nikon Digi Camera CoolPix S10




沖縄本島最北端の辺戸岬にて
 撮影:青山貞一 Nikon Digi Camera CoolPix S10

 
辺戸岬周辺は下のように遊歩道となっている。私は数度、この辺戸岬に行っているが、なぜかいつも曇りか雨。すっきりした青空にはついぞお目にかかれない!


沖縄本島最北端の辺戸岬にて
 撮影:青山貞一 Nikon Digi Camera CoolPix S10






祖国復帰闘争の碑
 撮影:青山貞一 Nikon Digi Camera CoolPix S10



沖縄本島の北端。辺戸岬の位置

 以下はグーグルアースで見た辺戸岬。


グーグルアースで見た最北端の岬、辺戸岬

つづく