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第一編
英国からの独立に燃える
スコットランドが面白い

D闘い続行と再独立への道
 
青山貞一 池田こみち 環境総合研究所 顧問

掲載月日:2012年11月1日
 独立系メディア E−wave Tokyo
無断転載禁


第一編 英国からの独立に沸くスコットランドが面白い!
@今に生きるブレーブハート   E再独立に燃える国民と議会
Aスコットランド人の気質と精神風土   F世界一の持続可能な国へ
B希有で秀逸な人材と知性の宝庫   G2020年再生可能エネ100%
C闘いと苦難の歴史   H国旗と国花それに准国歌
D闘いの続行と再独立への道   I独立精神を学ぶ2200kmの旅

●その後も続くイングランドの侵略とスコットランドの併合 

 メアリーの死後、勢いづいたイングランドは、スコットランドを再度攻撃し、侵略する。それはとどまることを知らなかった。

 そして17世紀後半、スコットランド北部(ハイランドという)、グレンコー村で村民全員がイングランド兵などによって虐殺される事件に発展した。 当時、欧州だけでなく、世界各国からイングランドの行為を非難する声明が出されたという。


イングランドによるスコットランド村人の皆殺し大虐殺があった
スコットランド北部ハイランドのグレンコーの谷。
 Source: English Wikipedia

 かくして18世紀初頭(1709年)、メアリーがエリザベスにより断頭台に送られ処刑され約150年後、スコットランドはイングランドに併合され今日に至っているのである。

 その後、スコットランドはやむなくイングランドに併合され英国の一部となった。イングランドに併合された後も、スコットランドの人々はひとときも気持ちの安らぐことはなかったのではないかと思える。

 しかし、独立精神が旺盛で自己主張、独自性が強いスコットランド(人)が、黙って英国の一部にとどまっているわけがない。

●300年ぶりに復活したスコットランド議会と
  2014年に独立の可否を問う国民投票と議会!
 

 下の写真は、1999年に念願がかない1709年から300年ぶりに復活したスコットランド議会である。

 何と、このスコットランド議会で2年後の2014年にスコットランドが英国から独立するか否かが問われることが決まっている。

 ロンドンでは、「またか」あるいは独立しても経済的、財政的に立ち行かないなどという論評が一般的だが、果たしてそうだろうか?


2014年独立の是非を問うスコットランド議会にて
1999年に復権なった
撮影:池田こみち Nikon CoolPix S10

 ところで、これは青山の私見であるが、もしメアリーがスコットランドそしてイングランドの女王になっていたなら、おそらく世界史はまったく今と違ったものになっていたのではないかと思うことが多い。

 その後イングランドがスコットランドを併合してできた英国はもとより、場合によってはアメリカ(米国)まで、今のような形で存在したかどうか分からなかったのではないかと思えるのだ。

 言うまでもなく、米国はWASP(白人でアングロサクソンそしてプロテスタント)が先陣を切ってピューリタンとして大西洋を渡りニューイングランドをつくり、建国している。

 その米国は、ソ連崩壊後、ローマ帝国以来の「帝国」の様相を深め、ブッシュ親子の大統領時代はユニラテラル、すなわち米国単独一国至上主義化の傾向を強め、さまざまな意味で世界の人々を不幸にしている。

 「もし」の延長で私は、そんなことまで夢想しているのである。

  本シリーズでは、再生可能エネルギー戦略を皮切りに、先進国ではまれに見る独立精神をもち、独自性にあふれたスコットランドについて、文献資料と現地調査をもとに、「英国からの独立に燃えるスコットランドが面白い」と題し、多面的な論考を展開する。

 また現在、「スコットランドの独立精神を学ぶ」という長編の動画を編集している。完成次第公表するので、ぜひ、動画もご期待頂きたい。

つづく