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幻想の国北アフリカ
モロッコへの旅
Trip to Kingdom of Morocco, North Africa
アイット・ベンハッドウ(4)
日干し煉瓦

Ksar of Aite-Benhaddou of World Heritage-4
青山貞一 
Teiichi Aoyama  池田こみち Komichi Ikeda

初出:
2 Feb 2014

独立系メディア E-wave Tokyo  無断転載禁

 
アイット・ベンハッドウ集落の日干し煉瓦  撮影:池田こみち Nikon Digital Camera Coolpix S6400



モロッコ現地視察の経路図 グーグルマップ地形図より青山貞一作成



アイット・ベン・ハッドウ集落単独で文化遺産の世界遺産

 アイット・ベン・ハッドウ集落では、沢山のいわゆる日干し煉瓦が使われている。これは何も昔使われていただけでなく、現在でも使われている。

 また煉瓦としてだけでなく、漆喰(しっくい)状にして、煉瓦と煉瓦のつなぎとして使ったり、さらに壁や天井などに使う場合もある。


アイット=ベン=ハッドウのカスバ (トリップアドバイザー提供)


アイット-ベン-ハドゥ (トリップアドバイザー提供)

 これら日干し煉瓦や漆喰の原料となる物質をスペイン語でアドベと言っている。

 アドベは、砂、砂質粘土とわら、あるいはまた他の有機素材で構成された天然建材である。

 これらの有機素材で木製の型枠を作り、その中に粘土を水でといたものを流し込み日に干してレンガができあがる。これらアドベの構築物は、非常に耐久性に富み、またアラビア半島南部南イエメンのサナアやシナイ半島など地球上に現存している最古の建築物によく使われている。

 ※エジプトで日干し煉瓦をつくっているところの壁画

 アドベ建築物は熱を吸収してから非常にゆっくりと放出するため、建築物の内部は涼しいままに保たれ、砂漠など暑くて乾いた気候に適している。

 日干しの土で作られた建築物は、中東のサウジなどの国々、北アフリカのモロッコ、チュニジアなどの国々、そしてスペインで一般的なものとなっている。

 さらに、アドベは数百年もの間、北アメリカ、中央アメリカ、南アメリカのアンデス山脈の先住民によっても使われてきた。

 なお、屋根には竹を使い、その上に、泥をぬっておくと風通しが良いと言っていた。バスが走った道路の脇にも竹藪があった。日本の竹とは異なり、ブッシュの様になっていたが。

 下はアリさんの家の天井。竹を使っていることが分かる。


アリさんの家の天井。竹を使っていることが分かる
撮影:池田こみち Nikon Digital Camera Coolpix S6400

 これは別のカスバの天井。かなりしっかりとしたした構造そしてデザインとなっている。


アイット-ベン-ハドゥ (トリップアドバイザー提供)


アイット-ベン-ハドゥ (トリップアドバイザー提供)

 下の写真では屋根に竹を使っておりその上に石を置いていることも分かる。


撮影:池田こみち Nikon Digital Camera Coolpix S6400

 下は土壁を塗る日本で言えば左官屋さん。


アイット-ベン-ハドゥ (トリップアドバイザー提供)

煉瓦建築

 ヨーロッパでは煉瓦は古代から多くの建物に用いられてきたが、教会、宮殿、公共建築など本格的な建物の場合、構造が煉瓦造でも表面を漆喰や石で仕上げることが多い。

 赤煉瓦のままの建物は古風なものか、工場、倉庫など簡素なものである。しかし、イギリスなどで中世趣味のため、あえて赤煉瓦のままとすることがある。アフリカ大陸の降水量の少ない地域では、古くから日干し煉瓦が用いられており、
モロッコのアイット=ベン=ハッドウの集落やマリ共和国のジェンネなど、美しい町並みが世界遺産として評価され登録される例もある。

 アドベ(スペイン語:Adobe)またはアドービ(英語発音)とは、砂、砂質粘土とわらまたは他の有機素材で構成された天然建材である。これらの有機素材を木製の型枠を使って日なたで干すことでレンガの形にして使われ、ヨーロッパのコブ(Cob)や日干しレンガによく似ている。

 アドベの構築物は非常に耐久性に富み、地球上に現存している最古の建築物によく使われている。アドベ建築物は熱を吸収してから非常にゆっくりと放出するため、建築物の内部は涼しいままに保たれ、暑くて乾いた気候に適している。

 日干しの土で作られた建築物は、中東や北アフリカ、そしてスペイン(通常ムデハル様式)で一般的だが、アドベは数百年もの間、アメリカ合衆国南西部(プエブロ)、中央アメリカ、そして南米のアンデス山脈の地域の、アメリカ大陸の先住民によって使われてきた(ただ、しばしば多量の石もプエブロの建築物の壁に使われている)。

 このレンガの製作法は、16世紀にメキシコとペルーを探険したスペイン人によって輸入された。通常のレンガのサイズのものから、大きいもので1、2ヤード(0.91〜1.82m)の長さのものまであるのが特徴である。

Source:Wikipedia

 アイット・ベン・ハッドウのカスバ集落は世界遺産となっており、維持管理もできる限り、伝統的な方法と素材で行われる。下は日干し煉瓦をつくっている作業場での写真。右の男性は説明員のラドワンさんである。


アイット・ベン・ハッドウ集落で使う日干し煉瓦 男性は説明員のラドワンさん
撮影:池田こみち Nikon Digital Camera Coolpix S6400


アイット・ベン・ハッドウ集落で使う日干し煉瓦
撮影:青山貞一 Nikon Coolpix S8

モロッコの写真
アイット・ベン・ハッドウのカスバ建築材料、日干し煉瓦
モロッコ (トリップアドバイザー提供)

 下は日干し煉瓦で建築されたアイット・ベン・ハッドウのカスバ集落。


Source:English Wikipedia


アイット=ベン=ハッドウのカスバ (トリップアドバイザー提供)

 なお、道路からアイット・ベン・ハッドウへの入り口にカフェレストランがあり、そこにトイレがあるので、安心である!


つづく