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第五回 発症・死亡のタイムラグを考慮した
致命率(CFR)による

世界各国・地域・グループ別

COVID-19
リスク評価


青山貞一 Teiichi Aoyama
(東京都市大学名誉教授、環境総合研究所顧問、元ローマクラブ日本事務局)
池田こみち Komichi Ikeda 
(環境総合研究所顧問、元東京大学医科学研究所
、元ローマクラブ日本事務局)
鷹取敦 Atsushi Takatori (環境総合研究所代表取締役、所長
独立系メディア 
E-Wave Tokyo
 
掲載月日:2020年11月2日  無断転載禁

キーワード:新型コロナウイルス、COVID-19、致命率、CFR、死亡者数/感染者数、
     リスク総合評価
、Case Fatality Rate、世界各国、世界地域、日本、
     G7,G20、BRICS、ASEAN、
旧社会主義諸国、北欧諸国、
     中南米カリブ諸国、アフリカ諸国、中東諸国


         ◆第四回 発症・死亡のタイムラグを考慮した致命率による世界COVID-19リスク総合評価
         ◆第三回 発症・死亡のタイムラグを考慮した致命率による世界COVID-19リスク総合評価
         ◆第二回 発症・死亡のタイムラグを考慮した致命率による世界COVID-19リスク総合評価
         ◆第一回 発症・死亡のタイムラグを考慮した致命率による世界COVID-19リスク総合評価

はじめに  前提について

 致命率(CFR)の解説は本稿末尾にある。

 5月15日からほぼ3週間おきに世界の主要国の新型コロナウィルスによる致命率(死
亡者数/感染者数)を見てきたが、
日本においては、今回の新型コロナ感染症(COVID-19)
に感染して、すぐに死に至るわけではなく、おおよそ3週間のタイムラグをおいてから
重篤化し亡くなるケースが多く見られている。

 下図は、その日本における感染者数と死亡者数を示したものだが、死亡までのタイム
ラグにはばらつきがあるものの、それぞれのピークに概ね3週間のずれがあることがわ
かる。

 ただし、この3週間というタイムラグは、あくまでも日本の実証例であり、他国にその
まま当てはめられるものではない。このタイムラグは、高齢者割合、重篤者割合、既往症
割合、医療実態(病床数、医療スタッフ数、医療機器、医療技術、ICU、対症療法医薬品使
用など)により異なってくることが推定されるからである。

 また、中国やイタリアで猛威を振るっていた感染拡大の初期のころ(2019年末から2020
年4月頃まで)と半年が過ぎて世界に広まった7月~8月では、感染から死亡に至る期間も
当初に比べて長くなっている可能性も考えられるため、どの時点で評価するかによっても
異なる。

 
しかし、現時点では他国の詳細データがないため、本調査では、従来のCFR調査の対象国
とグループのすべてに3週間のタイムラブをあてはめ掲載してみた。



図1 日本の感染者数と死亡者数の時系列グラフ
      出典:作成:鷹取敦環境総合研究所代表

 このことから、この間実施してきたCFR調査対象国について、感染から死
亡までに概ね3週間のタイムラグがあると仮定して改めてCFRを算出してみ
た。

注)従来第1回から6回まで続けてきた累積感染者と累積死亡者を
  対象とした第七回の致死率(CFR)リスク評価は本稿に含めている。

◆調査年月日時

 調査日は、2020年10月28日 UTC 午前4時24分(日本時間で午
124)である。

◆赤色線(グラフの横線)

 赤線は本調査が対象とする105ヶ国の10月28日時点の平均CFR値で
ある。

なお、今回から、3週間のタイムラグを考慮した推移については、累積の平均
ではなく、タイムラグを考慮した平均値を示した。

 1028日の累積のCFR平均値は2.6%、タイムラグを考慮したCFR平均値
は2.4%となった。


第九回調査により判明した顕著な傾向と事実

<累積感染者数と死亡者数によるCFRの推移>

 5月15日~10月28日の約5ヶ月半の推移は以下に示すとおり、減少傾向となっ
ており、105ヶ国を対象としている本調査では2.6%(前回2.9%)、タイムラグを考
慮した場合には2.4%(前回2.2%)となり、累積では低下したが、タイムラグを考慮
した場合若干上昇した。

 累積で低下しているのは地球規模で感染拡大が続いていることがある。一方タイム
ラグを考慮した場合、第二波、第三波の襲来により医療資源が逼迫している国や地域
が見られることをうかがわせる。

 第1回調査から約5ヶ月半で、世界の感染者数は9.8倍、死亡者数は3.8倍へと増加し
ている。

 感染者数の増加が止まらないことから、致命率は引き続き低下傾向となっており、
この間に1.8ポイント低下した。

 春の第一波が6月頃に一段落した後、夏休みに向けて各国が経済を再開し、バカンス
による人の移動が増大したことなどがあり、気の緩みや対策の緩みにより、秋から冬に
かけての第二波、第三波が第一波を上回る大きな波となり、全体として致命率が低下し
ている。欧米では、一日に数万人から10万人超といった新規感染者が確認されるなど社
会の混乱を招いている。

 ちなみに、主要な国々の新規感染者数をJohns Hopkins Universityのデータから見て
みると以下の通りである。

フランス 10月26日  124,905人
スペイン 10月26日   52,188人
イタリア 10月31日   31,756人
ドイツ  10月28日   23,553人
ベルギー 10月29日   23,921人
アメリカ 10月30日   99,321人

 昨年末から1年近くにおよぶCovid-19との闘いを経て、各国とも医療現場はもとより、
一般社会においても経験、知見が積み重ねられ、高齢者が比較的守られる様にはなったも
のの、その一方で50歳以下の若年層への感染拡大は急速に進み、感染が広まっている状況
は世界共通となっている。

 結果としてコロナ疲れ(Covid-Fatigue)が社会に蔓延し、対策がおろそかになっている
ことが見て取れる。そうした中でWHOは、10月末になって、新型コロナウィルスに感染した
人々の中に深刻な後遺症が残っていることを発表し注意喚起を行った。感染拡大しても「死
亡者が少なければ問題ない」とする考え方に警鐘を鳴らすものである。

 経済を再開していくためにも感染のコントロールは不可欠であり、感染者の増加は結果と
して医療現場を逼迫させ、再度のロックダウンなど経済社会を疲弊させていくことになる。
既にヨーロッパ各国がそうした厳しい現状に直面し政府への反発が強まり、社会の不安と混
乱が続いている。

「死者が少なければ問題ない」とする自己中心的な考え方を言い訳にすることなく、いかに
感染拡大を止めるために人類が賢明な対策を講じてウィルスとの闘いを制することができる
のか、そのために個々人が何ができるのか、改めて問われている。


(1)世界の致命率(CFR

以下は感染者数と死亡者数に基づくCFRの推移である(数字は各調査日10月28
日のデータ取得時間の数字を四捨五入したもの)

 2020年10月28日 午後1:24JST データによるCFR分析(第9回)

 世界188の国と地域の感染動向グラフ 出典:Johns Hopkins University
  
Covid-19 World  Map より

 上図より10月7日時点の世界の感染動向を見ると、感染者数、死者数ともに依然として
減少傾向=収束の兆しは見えず、7月~10月にかけて、1日あたりの死者数は、7,000人
から1万人を超える日もあるなど、感染拡大の時期のずれ、地域の拡大に伴い、引き続き
地球規模のパンデミックが続いていると言える。北半球の人口集中エリアが秋から冬に近
づくにつれ再び感染が拡大している傾向が見て取れる。

 感染者数と死亡者数に基づくCFRの推移(数字は各調査日のデータ取得時間の数字を
四捨五入したもの)

1.感染者数推移 左:累積(43,907,193件)と 右端:10月5日(465,671人)(データとして反映
  されているのは2020年10月27日分まで)
  

2.死亡者数推移 左:累積(1,166,240人)と 右端:10月27日(7,366人) 
  


 上図より10月28日時点の世界の感染動向を見ると、感染者数、死者数ともに依然として減少
傾向=収束の兆しは見えていない。北半球の先進国、人口集中エリアが冬に向かい再び感染
が拡大している傾向が見て取れる。

 感染者数と死亡者数に基づくCFRの推移(数字は各調査日のデータ取得時間の数字を四捨五
入したもの)



注)10月に入り、WHOが把握する世界の感染国及び地域はソロモン諸島を加えて189となっている。
WHO及びJohns Hopkins University がとりまとめている世界189の国及び地域(クルーズ船を含む)
の感染者数、死亡者数の推移と累積データによる調査日時点の致命率(CFR)を示すとともに、本調
査が対象としている105ヶ国のCFRを同時に折れ線グラフで示した。5月には188ヶ国・地域と105ヶ
国のCFRにはおよそ2.4ポイントの開きがあったが、次第に縮まり、8月5日の第5回調査以降、致命率
はほぼ同じになっている。国による差が小さくなってきていると思われる。


表 <累積感染者数と死亡者数によるCFRの推移>    


 3週間毎に実施している世界105ヶ国のCFR調査の推移を見ると、5月15日には、4.4%だっ
たものが10月下旬には2.6%まで約1.8ポイント低下した。 この間に感染者数はおよそ10倍に、
死亡者数は、およそ4倍に増加した。北半球が秋から冬に入り大幅に感染者数が増加しており、
結果としてCFRを低くしている。

     
<対象としている105ヶ国の累積のCFR>

 3週間毎に実施している世界105ヶ国のCFR調査の推移を見ると、5月15日には、4.4%だっ
たものが10月には2.9%まで約1.5ポイント低下した。

 この間に感染者数はおよそ8倍に、死亡者数は、およそ3.5倍に増加した。世界各地の感染
者数の拡大が結果としてCFRを低くしている。

図 <対象としている105ヶ国の累積のCFR



(2)世界の地域別・経済圏別の致命率(CFR)

(2)-1 死亡数及び発症数の累積値による地域別・経済圏別の致命率の推移(%)第九回
      注)これは第一回から続けているタイムラグ無しCFR調査の第九回目報告である。

・先進諸国及び中進国からなるG7,G20、EU諸国、それ以外(アイスランド・スイス・ニュージ
 ーランド)、旧社会主義国、北欧諸国は前回10月初めと同様に、いずれも右肩下がりの傾
 向が続いている。

・BRICSは中国以外の国で感染拡大が止まらないため、7月中旬以降、2.8%のまま横ばいと
 なっている。

・ASEAN諸国は、5月から7月中旬まで低下傾向が続いたが、その後は1.5%前後でほぼ横
 ばいとなっている。

・中南米も感染者数が増加傾向の国が増えているため6月初旬からCFRはほぼ横ばい状態
 が続き、改善が見られていない。

・アフリカ諸国は5月から6月にかけて低下したが、その後は0.2ポイントの低下に留まり、横ば
 いとなっている。

・中東諸国は6月から増加傾向となっていたが、8月5日以降は横ばいが続いている。

・10月下旬の時点で、全世界平均を上回っているのは、G7、G20の先進諸国・中進国、そして
 紛争などで社会経済的に不安定な中東諸国である。



(2)-2  3週間のタイムラグを考慮したCFRの推移

・3週間のタイムラグを考慮した場合、全世界の平均は6月の死亡が5.2%と高かったが、8月
 下旬にかけて次第に低下したものの、その後は各地で感染が再拡大したこともあり、8月下
 旬以降は2.4%前後で推移している。

・8月下旬から10月下旬にかけての変化を見ると、G7は1.1⇒1.9、G20は2.4⇒2.6、EU諸国は
 1.3⇒2.4、旧社会主義国は2.0⇒3.1となっており、ヨーロッパ諸国を中心に先進国での上昇が
 目立っている。夏からの経済再開の影響が出ているものと考えられる。
 旧社会主義国はアルメニアやアゼルバイジャンなどの紛争継続中の国々の影響も考えられ
 る。

・BRICSは中国を除く、ブラジル、インド、ロシア、南アフリカで感染拡大が続いているため、
 2.0⇒2.4と8月以降わずかに上昇に転じている。

・ASEAN諸国では先進国と異なり7月が死亡者数のピークとなっている。グラフの変動が大きい
 が、9月に3.6となって以降は低下傾向が続き、10月末には1.3まで改善した。

・中南米諸国は感染者数の拡大が続いているため、CFRは右肩下がりとなっている。5ヶ月半
 で3.1ポイントの低下である。

・アフリカ諸国は、6月上旬と7月後半にピークが見られ、その後は10月初旬まで低下したが、10
 月下旬には再び2.7まで上昇した。

・中東諸国は政情不安の国が多く、CFR8月下旬から上昇し3.8%となっている。グループ全体が
 突出して致命率の高いイエメンの影響を受けている。




(3)G7諸国の国別致命率(%)の推

(3)-1 死亡数及び発症数の累積値による地域別・経済圏別の致命率の推移(%) 第九回
      
注)これは第一回から続けているタイムラグ無しCFR調査の第九回目報告である

・5月中旬~10月末の約5ヶ月半の間でG7諸国の累積データに基づく平均CFRは10%から3.7%
 へと大きく減少した。G7の平均値の3.7%を上回っているのは、イギリス、イタリア、カナダの3
 カ国である。世界の平均である2.6%を下回ったのは、アメリカ(2.6)、ドイツ(2.2)、日本(1.8)と
 なっており、日本が低い数値を維持している。

・イタリアを初めとするヨーロッパ各国は感染拡大が早かったため、6月下旬から改善傾向にある
 が、経済再開後、夏から再び感染者数が増加し、秋に入って第三波とも言われる感染拡大が続
 いているマドリッド、ロンドン、パリなどの大都市部では、再びロックダウン対策を取らざるを得な
 い状況となり社会の混乱が広がっている。

・フランスは5月には20%と高いCFRであったが、その後は大きく低下し、10月末にはほぼ1/7の
 3%まで下がっている。しかし、冬に向けて の感染の拡大により再び死亡が増加することも危惧
 されている。頻発するテロ事件に加えて11月からの再度のロックダウンに反対する市民のデモな
 ども相次ぎ、社会情勢が不安に陥っている。

・イギリスは8月下旬から漸くCFRの低下が見られるようになり、5月に14%だったものが、9月中旬
 には8%まで低下したが、9月下旬からロンドンを中心に、再び感染拡大傾向が続いており、致命
 率は5%まで低下したものの今後が危惧される。

・ヨーロッパで感染が最初に拡大したイタリアはその後収まったように見えるが、10月上旬までCFR
 は10%を超えており、G7グループの平均値を押し上げていた。しかし、10月下旬になって再び感染
 が大きく拡大したこともあり、CFRは6.7%まで低下した。

・カナダは6月下旬の8.2%をピークに次第に低下し、10月末には4.5%まで低下した。

・米国の感染者数は、10月28日時点で878万人に達し、わずか三週間で120万人も増加している。死
 者数も三週間で16,000人の増加し22万人を超えた。10月下旬に入り、全米で1週間に50万人を超え
 る感染の拡大となっており、世界トップの座を他に譲らない。ニューヨーク州を先頭に検査数が極め
 て多いこともその背景にあるが、経済格差が大きい社会にあって政治的に二分している現状では
 なかなか感染拡大に歯止めがかからない。CFRは5月から10月下旬にかけての5ヶ月半で概ね半減
 し、2.6%と低い状況にあるが、秋冬に向けてさらに感染が拡大すれば再びCFRが上昇に転じること
 も懸念される。

・ドイツは、G7諸国の中で当初から好成績で5月から8月にかけ、CFRも4.5%~3%の範囲で低く推移
 しているが、夏から秋にかけて再び感染が拡大しつつアリ、感染者数が増加した分、CFRは低下して
 いる。その結果、依然として世界の平均を僅かに下回るレベルまで低くなっている。

・日本は、8月の第二波で感染者数が第一波を上回り大幅に増加したため、致命率は2%を下回り、この
 グループでは最も優秀な数値となっているがその後は改善が見られていない。欧米に比べて検査数が
 少ないため、潜在的な感染者数が多く、今後冬に向けて大きな感染の波が来ることが危惧される。



 下図は、各国の主な国の日ごとの感染者数、死亡者数を示したものである。左の黄色いグラフ
が感染者数の推移、右の白いグラフが死亡者数の推移を示している。横軸は経過月日、縦軸は
人数で国毎にスケールが異なっているので注意が必要。

 アメリカとイタリア日々の感染者数及び死亡者数のデータを以下に示した。アメリカは、春の第一
波では感染者数に対して死亡者数が多くCFRが高かったが、第二波の夏以降の感染拡大時期の
死亡者数も500人から1000人超/日と高い状況が続いている。一方、イタリアを見ると、3月の第一
波が収束していこう、長く安定期が続いたが、9月中旬からの第二波は第一波を上回り、再び人々
の経済社会生活を圧迫する状況となっている。

アメリカの感染者数と死亡者数の推移(累積感染者:8,777,432人、累積死亡者:210,886人)
 
出典:ジョンズ・ホプキンス大学 Covid-19 World Map Webサイトより(2020年10月7日13:23取得データ。
    10月6日までのデータを含む。以下同様)

イタリアの感染者数と死亡者数の推移(累積感染者:564,778人、累積死亡者:37,700人  
  
出典:ジョンズ・ホプキンス大学 Covid-19 World Map Webサイトより(2020年10月7日13:23取得データ。
    10月6日までのデータを含む。以下同様)


(3)-2  3週間のタイムラグを考慮した致命率(CFR)の推移

・G7全体では、6月前半の死亡者数が多く、平均で9.2%と高い致命率となっていたが、その後
 は大幅に低下し、8月後半には1/9の1.1%まで下がった。しかし、その後0.8ポイント上昇し、
 10月下旬には1.9%となった。ヨーロッパ諸国やアメリカ、日本などでの感染拡大が影響してい
 ると考えられる。各国とも8月下旬から10月下旬にかけて上昇傾向に転じ、中でもイタリアは10
 月に入り大きく数値が上昇した。今回の調査でG7の中ではイタリアが最も致命率が上昇してい
 る。

・フランスでは、夏に第二波の感染拡大が見られたが、秋に入って急激に感染が拡大し、全土ロ
 ックダウンへと逆戻りしている。医療機関が逼迫しているとの情報が伝えられていることから今
 後の死亡者数の増加が懸念される。

・イギリスも8月下旬には1.0まで下がっていたが、その後ロンドンなど都市部を中心に感染が拡大
 し、致命率は10月下旬には1.9まで上昇した。

・日本はタイムラグを考慮した場合、6月以降横ばいとなり1.0%前後で推移している



 以下に、主な国の日ごとの感染者数と死亡者数の推移を示したグラフを掲載する。
 (出典はいずれもJHU, Covid-19 World Map)

イギリスの感染者数と死亡者数の推移(累積感染者数:920,664人、累積死亡者数:45,455人)
    

日本の染者数と死亡者数の推移(累積感染者数:98,146人 累積死亡者数:1,726人)
    


(4)G20諸国の国別致命率(%)の推移

(4)-1 死亡数及び発症数の累積値による地域別・経済圏別の致命率の推移(%) 第九回
   
注)これは第一回から続けているタイムラグ無しCFR調査の第九回目報告である。

・中進国を含むG20諸国の平均を見ると、この5ヶ月半で6.2%から3.4%へと低下している。
 G7の10月下旬の平均値が3.7%であったが、中進国が加わったG20諸国では3.4%とわず
 かに低くなっている。

・G7を除く各国をみると、メキシコが今もなお10%と高い値のまま推移し8月以降横ばいとな
 っている。

・ブラジルは、前回から三週間で50万人感染者が増加し、世界第三位の感染者数(約550万
 人)となっている。その一方で、CFRは相対的に低く2.9%である。

・インドネシア(感染者数約40万人、死亡者数約14,000人)もこの5ヶ月半余りでCFRは右肩下
 がりに低下してきているが、感染者数のピークは9月中旬に出ているため、今後も死亡者数
 が増加する可能性はある。

・中国は5月以前にピークがあるため、本調査期間においては、概ね5%程度で推移している。

・アルゼンチン(感染者数約113万人、死者数約3万人)は感染者数が右肩上がりに増加してお
 り、7月中旬にCFRが最も低くなったが、その後は微増傾向となっている。10月1日には3,350人
 もの死亡者が出ている。

・インド(感染者数804万人、死者数12万人)はこの5ヶ月でCFRが半減しているが、その背景に
 感染者数の爆発的拡大がある。感染者数・死亡者数とものピークは9月中旬にあり、1日に
 1,000人以上が死亡していた。10月にかけていずれも減少しつつある。

・トルコは10月下旬の感染者数約38万人、死亡者数約1万人となっており、CFRはこの間2.8~
 2.6%で推移し横ばいとなっている。

・韓国(感染者数26000人、死者数460人)も当初から感染拡大をうまくコントロールし、2.4%~1.8
 %の横ばいが続いており、安定した状態となっている。

・南アフリカ(感染者数72万人、死者数2万人)とオーストラリア(感染者数28,000人、死者数900人)
 は7月中旬までCFRが低下してきたが、その後再び右肩上がりにCFRが上昇している。

・オーストラリアは8月~9月にかけて、3月の第一波を大きく上回る第二波に襲われ、感染者数も
 死者数も大幅に増加したが10月に入り沈静化している。

・ロシア(感染者数155万人、死者数27,000人)は当初CFRは低かったがその後、感染者数が増加
 し続け二倍の1.8%まで増加し横ばいとなっている。

・サウジアラビア(感染者数35万人、死者数5400人)の致命率はこの五ヶ月半で0.6から1.5%へと
 上昇した。5月末から急激に感染者数が拡大し、それに伴って死亡者数も増加した。感染者数、
 死亡者数ともに10月に入り減少傾向を見せている。



4)-2 3週間のタイムラグを考慮した致命率(CFR)の推移

・タイムラグを考慮すると、G20諸国の平均の致命率はこの約半年の間に6.7%から2.6%
 まで低下しているが、8月下旬以降は横ばいとなっている。

・多くの国で10月前半には1%前後まで低下してきていたが、10月下旬に入り、再び上
 昇傾向を示した国が多く見られた。8月末からの変化を見ると、フランスは0.9⇒1.3、
 イギリスは1.0⇒1.9、イタリアは1.5⇒4.1、南アフリカは2.5⇒6.1、サウジアラビア
 は2.2⇒3.9と右肩上がりとなっている。

・メキシコは10月末には6.3%となり、3週間で2ポイント低下したが、横ばいの状態が
 続き改善が見られていない。10月5日には、一日に28,000人超の感染者が確認され、死
 者も2800人余と異常なピークが見られた。

・日本は、5月に感染して6月中旬までに死亡した人が8.5%と高かったがその後は1%程度
 で推移している。高齢者の感染・死亡が一段落したものと思われる。

・インドネシア、アルゼンチン、トルコ、南アフリカ、サウジアラビアなど、致命率が大
 きく改善しない国は感染者数の増加とともに、死亡者数が抑えられていない状況となっ
 ていることから引き続き注意が必要である。

・オーストラリアでは、3月頃にはうまくコントロールできていたが、その後、季節が冬に
 向かうにつれ8月に第二波のピークを迎えたが、季節が次第に春から夏に向かうにつれて
 減少してくる傾向が見られる。






 以下に、主な国の日ごとの感染者数と死亡者数の推移を示したグラフを掲載する。
  (出典はいずれもJHU, Covid-19 World Map)

韓国   感染者:26,146 死亡者: 461

  



ロシア  感染者:1,537,142  死亡者: 26,409
    


オーストラリア 感染者:27,553 死亡者: 907
  



(5)EUの国別致命率(%)の推移

(5)-1 死亡数及び発症数の累積値による地域別・経済圏別の致命率の推移(%)第九回
      
注)これは第一回から続けているタイムラグ無しCFR調査の第九回目報告である。

・EU諸国の平均CFRは、約半年で、6.7%から2.1%まで4.6ポイント低下し半減した。各国とも
 6月前半までは高い傾向が続いていた。

・EU全体として、夏が終わり秋から冬に入り、感染の再拡大が見られ再度のロックダウンによ
 り社会の混乱が広がっている。

・CFRは感染者数が増加したため、相対的に低下している。

・スウェーデンは10月上旬に6.2%とEU内では高い値であったが、10月下旬には5.1%と1ポイント
 低下したものの依然として高いレベルにある。

・総じて、東ヨーロッパ諸国(旧社会主義国)の致命率は低く維持されている。






(5)-2  3週間のタイムラグを考慮した致命率(CFR)の推移

・EU諸国の致命率は、タイムラグを考慮した場合、6月中旬までのCFRは5.8%と高かったが、
 9月中旬には1.3%まで低下した。しかし、その後は増加傾向が続き、10月下旬には2.3%
 まで上昇した。

・スウェーデンは、9月中旬には非常に低く0.6%であったにも拘わらず、9月上旬には7%と10
 倍以上上昇。しかし10月下旬には再び大きく0.4%まで低下した。スウェーデンでは、10月に
 入り感染者数は急増しているが、死者数は一定程度抑えられている。

・G20以外の国々の中では、10月下旬になって、ハンガリー、スロベニア、ルーマニア、ギリシャ、
 ポーランド、ブルガリア、クロアチア、ラトヴィア、スロバキアなど多くの国々で上昇傾向が見
 られた。

・クロアチアやチェコでは、感染者の急増と死者数の増加が対応した状況になっている。

・ヨーロッパ全体で夏以降の感染拡大と死亡者数の増加が目立っているため、CFRは下げ止ま
 っている。 






 以下に、主な国の日ごとの感染者数と死亡者数の推移を示したグラフを掲載する。
  (出典はいずれもJHU, Covid-19 World Map)

スウェーデン 感染者:115,785  死亡者: 5,918
  

クロアチア 感染者:38,621 死亡者: 470
  

チェコ 感染者:284,033 死亡者: 2,547
  



(6)G7・G20・EU以外の国別致命率(%)の推移

(6)-1 死亡数及び発症数の累積値による地域別・経済圏別の致命率の推移(%)第九回
      
注)これは第一回から続けているタイムラグ無しCFR調査の第九回目報告である。

 こでは、上記各経済圏に含まれないアイルランド、スイス、ニュージーランドの3ヶ国について
見ている。

・この3ヶ国の平均は約5ヶ月半の間に4.6%から2.1%へと約2.5ポイント低下している。

・アイルランド、スイスともに右肩下がりに低下しているが、アイルランドは依然として世界の平
 均を上回っている。一方、スイスは10月下旬に1.7%まで低下し平均を下回った。

・ニュージーランドは初期の段階から感染拡大を押さえ込んだことにより、低い数値で安定し
 ている。




(6)-2  3週間のタイムラグを考慮した致命率(CFR)の推移

・10月7日時点のタイムラグを考慮した致命率を見ると、3ヶ国の平均は前回から横ばいとな
 っているが、アイルランドは8月下旬から増加傾向、スイスは微増から横ばいと改善が進ん
 でいない。

・ニュージーランドは、季節も次第に春に向かっていることもありほぼ収束している。



アイルランド 感染者:58,767 死亡者: 1,890
  


(7)BRICSの致命率(%)の推移

(7)-1 死亡数及び発症数の累積値による地域別・経済圏別の致命率の推移(%)第九回
      
注)これは第一回から続けているタイムラグ無しCFR調査の第九回目報告である。

・BRICS諸国のこの間約5ヶ月半の致命率の平均値は前回同様、3.7%から2.8%へと1ポイント低
 下しており、7月から横ばいとなっている。感染者数の上位は1位のアメリカに次いで、2~4位が
 インド、ブラジル、ロシアとなっており、3ヶ国の感染者数は1500万人を超え世界の33%を占める
 に至っている。

・ブラジルは、6.8%だった致命率が2.9%まで改善しているが、8月にピークを迎えて以降も、依然と
 して1日に1万人~4万人の感染者数の増加が続き、CFRは下げ止まっている。しかし、ゆっくりで
 はあるが、次第に感染者数は減少傾向を見せ始めている。

・インドはアメリカに次いで800万人以上の感染者が確認され、世界第二位の感染者数となっている。
 9月中旬に1日97000人の感染者を出し たのをピークに巨大な第一波の山は少しずつ下り始め、
 9月にピークを出した後、死者数も減少に転じている。

・南アフリカは7月中旬を底に、その後はCFRの値が上昇し続けており、前回から改善が見られてい
 ない。

・ロシアの致命率は8月以降横ばいとなっている。5月に一日1万人を超える感染者が出て第一波のピ
 ークとなったが、10月に同規模以上の感染者が出ており、第二波が続いている状況となっている。




(7)-2  3週間のタイムラグを考慮した致命率(CFR)の推移-BRICS

・3週間のタイムラグを考慮した場合、BRICS諸国の平均CFRは前回4.5%から2.1%へと低下
 したが、10月下旬には再び2.4%へと僅かながら上昇した。

・ブラジルとインドは感染者数の拡大が続き、CFRは相対的に右肩下がりに低下している。

・その一方、南アフリカは8月からCFRが上昇傾向となり、10月に入って6.1%と6月を超える厳し
 い状況となっている。

・5月~9月の間、ロシアはほぼ2%前後で推移してきたが、8月下旬から右肩上がりに上昇し、
 10月下旬には3.0%となり6月を上回った。グラフからも分かるようにこれらの国々では、人口
 規模が大きく依然として感染拡大が続いており、南アフリカやロシアのように再びCFRが上昇
 する可能性があり注意が必要である。



 以下に、主な国の日ごとの感染者数と死亡者数の推移を示したグラフを掲載する。
 (出典はいずれもJHU, Covid-19 World Map)

インド 感染者:7,946,429 死亡者: 119,502
  


ブラジル 感染者:5,439,641 死亡者:157,946
  


南アフリカ 感染者:717,851 死亡者:19,053
  


8)ASEANの致命率(%)の推移

(8)-1 死亡数及び発症数の累積値による地域別・経済圏別の致命率の推移(%)第八回
      
注)これは第一回から続けているタイムラグ無しCFR調査の第八回目報告である。

・ASEAN諸国のこの間のCFR平均値は2.1%から1.5%へとわずかに低下しているが、7月中旬
 から横ばいの状態が続いている。

・フィリピンは、8月末まで順調にCFRが低下していたが、その後再び上昇に転じている。

・インドネシアは右肩下がりに低下し、この5ヶ月半ほどで約1/2、3.1ポイント下がった。しかし、
 感染者数、死亡者数共に増加傾向が止まっていない。

・ミャンマーは5月~9月まで4ヶ月減少傾向が続いたが、10月に入り6月末の水準まで大きく上
 昇し横ばいとなっている。

・タイ、マレーシア、ブルネイは1~2%程度で横ばいとなっており、大きな変化がない。

・カンボジア、ラオス、ベトナムなどのインドシナ半島諸国は志望者0が続いていたが、ベトナムで
 8月に入り死亡者が確認され致命率が右肩上がりに上昇したが僅かながら減少しつつある。




(8)-2  3週間のタイムラグを考慮した致命率(CFR)の推移(ASEAN)

・タイムラグを考慮した場合、ASEAN諸国では、この5ヶ月半の間にCFRの数値が大きく上下に
 変動したが10月下旬には1.3%まで低下してきた。

・こうした変動の背景には、7月末にはベトナムで初めて死亡者が確認され、また、9月に入って、
 ミャンマーで死者が急増したことが報告されたことにより、

これらの国々で一気にCFRが上昇したことが原因となっている。ただし、ベトナムの死者数は最
 大でも一日3名、累積で35名と変化がない。

・ブルネイ、シンガポール、カンボジア、ラオスは依然として死者が報告されていないため、このグ
 ループのCFR平均値を引き下げている。

・ASEAN地域はヨーロッパ、アメリカなどに比べて感染拡大の時期が大幅に遅かったため、世界
 の様々な経験知見が生かされ、死亡者数も低く抑えられている傾向がある。高温多湿という気
 候的な特徴もウイルスの感染拡大には有利に働いていると思われる。




 以下に、主な国の日ごとの感染者数と死亡者数の推移を示したグラフを掲載する。
 (出典はいずれもJHU, Covid-19 World Map)

以下に、主な国の日ごとの感染者数と死亡者数の推移を示したグラフを掲載する。(出典はいずれもJHU, Covid-19 World Map)
数値は2020年10月28日JHUデータ取得時 グラフは2020年11月1日8:24分時点


マレーシア 感染者:28,640 死亡者: 238
  


インドネシア 感染者:396,454 死亡者: 13,512
  


フィリピン 感染者:373,144 死亡者: 7,053
  



(9)旧社会主義諸国・北欧諸国の致命率(%)の推移

(9)-1 死亡数及び発症数の累積値による地域別・経済圏別の致命率の推移(%)第八回
      
注)これは第一回から続けているタイムラグ無しCFR調査の第八回目報告である。

・このグループの平均CFRは約5ヶ月半で4%から1.9%へと2.1ポイント低下した。

・高い数値で推移したのがハンガリーであったが、8月から9月に掛けて大きく減少し10月には
 105ヶ国の平均値を下回った。しかし、10月下旬に入り、感染拡大が続き横ばいとなっている。

・前回に引き続き最もCFRが低かったのはスロバキアの0.4%であった。

・10月末の時点で、世界の平均を上回っているのはルーマニア、中国、ブルガリアの3カ国とな
 っている。

・アルメニア、アゼルバイジャン、僅かながら右肩上がりとなっている。両国の間では戦争状態
 が続いており、引き続き注意が必要である。

・総じて西ヨーロッパ諸国に比べて、感染者数、死亡者数共に低く維持されている。

グラフは二つに分けました。





(9)-2  3週間のタイムラグを考慮した致命率(CFR)の推移

・10月上旬にはタイムラグを考慮した場合には、グループのCFRの平均が4.7%から2.2%へと
 2.5ポイント減少したが、今回は再び3.1%に上昇した。

・10月下旬に高くなったのは、ハンガリー、ルーマニア、ポーランド、ブルガリア、クロアチア、チ
 ェコ、セルビア、アルメニア、アゼルバイジャンであり、いずれも世界の平均を大きく上回って
 いる。西ヨーロッパ諸国に比べてピークが遅い時期となっている点が影響している。

・アルメニア、アゼルバイジャンは戦争状態が続いているため、今後も注意が必要である。

・この間最も大きく変化したのはクロアチアで17%から1.4%へと1/10以下に改善していたが,
 10月下旬に再び3.8%まで上昇した。




 以下に、主な国の日ごとの感染者数と死亡者数の推移を示したグラフを掲載する。
 (出典はいずれもJHU, Covid-19 World Map)

 数値は2020年10月28日JHUデータ取得時 グラフは2020年11月1日8:24分時点

 アルメニア、アゼルバイジャン、ポーランドともに、10月に入り、感染者数、死亡者数共に右肩上がりに上昇している。

アルメニア 感染者:80,410 死亡者: 1,222
  

アゼルバイジャン 感染者:51,149 死亡者: 688
  

ポーランド 感染者:280,229 死亡者: 4,615
  


(10)北欧諸国の致命率(%)の推移

(10)-1 死亡数及び発症数の累積値による地域別・経済圏別の致命率の推移(%)第九回
      
注)これは第一回から続けているタイムラグ無しCFR調査の第九回目報告である。

・北欧諸国においては、この5ヶ月半で累積のデータに基づくCFRが5.1%から2.2%まで概ね
 3ポイント改善している。

・このグループでは、特段の対策を講じないという独自路線をとってきたスウェーデンの改善
 が著しく13%から5%にまで約8ポイント低下しているが グループ内ではCFRが最も高く、
 世界の平均値である2.6を大きく上回っている。

・他の国々は安定した推移となっている。




(10)-2  3週間のタイムラグを考慮した致命率(CFR)の推移

・9月の時点では、グループ平均の3週間のタイムラグを考慮したCFRが3.1%から0.4%へと
 大きく減少したが、10月にはスウェーデンが大きく上昇したために再び上昇に転じ、1.8%と
 なった。しかし10月下旬には大幅に低下し0.3%となっている。

・スウェーデンは、9月中旬には非常に低く0.6%であったにも拘わらず、この3週間で致命率
 が7%まで10倍以上上昇した。 9月末から10月初旬にかけての死亡者数は32人、感染者
 数は454人となったことが影響していたが、10月下旬には大きく低下し0.4%となった。

・デンマーク、フィンランド、ノルウェーともに10月に入って上昇したが、下旬には低下に転じて
 いる。

・アイスランドは、4月20日の死者1名以降は、死亡者が出て居らず、本調査を開始した5月以
 降のCFRはゼロを維持していたが、10月に入って2人の死者がでたため、CFRは0.1%とな
 った。




 以下に、主な国の日ごとの感染者数と死亡者数の推移を示したグラフを掲載する。
 (出典はいずれもJHU, Covid-19 World Map)

以下に、主な国の日ごとの感染者数と死亡者数の推移を示したグラフを掲載する。(出典はいずれもJHU, Covid-19 World Map)
数値は2020年10月28日JHUデータ取得時 グラフは2020年11月1日8:24分時点

フィンランド 感染者:15,163 死亡者: 354
  

アイスランド 感染者:4,574 死亡者: 11
  

(11)中南米島嶼国の致命率(%)の推移


(11)-1 死亡数及び発症数の累積値による地域別・経済圏別の致命率の推移(%)第九回
      
注)これは第一回から続けているタイムラグ無しCFR調査の第九回目報告である。

・このグループのCFR平均値は、この間ほぼ横ばいで3.7%~3.2%で推移している。

・メキシコの致命率は10月下旬になっても10%となっており高い状態が続いている。

・キューバは順調に低下して5月の1/2以下まで下がっている。

・アルゼンチン、ボリビア、パラグアイ、コスタリカなどで7月以降も微増傾向が続いている。

・ホンジュラス、コロンビア、ドミニカ共和国、パナマ、エルサルバドール、チリなどでは横ばいの
 まま改善が見られていない。

・ペルー、ウルグアイ、グアテマラは8月以降減少傾向にある。





(11)-2  3週間のタイムラグを考慮した致命率(CFR)の推移

・タイムラグを考慮した場合、このグループの致命率は5.6%から2.5%へと3.1ポイント低下している。

・メキシコでは6月の致命率が23%と極めて高かったが、9月上旬に8%まで低下したが、さらに10
 月に再び10%近くまで上昇した。10月5日に28,000人超の感染があり、同日2,700人超が死亡した
 ことが影響している。しかし、その後は6.3%まで低下している。

・アルゼンチンも7月から改善が見られておらず、10月上旬には上昇に転じたが再び3.2%まで戻っ
 ている。10月1日には3,351人が死亡している。

・ボリビアは9月に10%まで上昇し、メキシコを上回ったが、10月上旬には4%まで低下した。しかし、
 下旬には再び5.6%と上昇に転じ改善が見られていない。9月7日には1,656人が死亡している。

・グアテマラ、エルサルバドールなどでは9月から10月にかけて僅かながら上昇に転じている。

・キューバは9月まで0.8%~1.6%へと僅かに右肩上がりとなっていたが10月下旬には0.5%まで低下
 した。

・9月、10月になってCFRが低下した国が多く見られた。   






 以下に、主な国の日ごとの感染者数と死亡者数の推移を示したグラフを掲載する。(出典はいずれもJHU, Covid-19 World Map)
 数値は2020年10月28日JHUデータ取得時 グラフは2020年11月1日8:24分時点

メキシコ 感染者:901,268 死亡者: 89,814            10月5日に28,000人超の感染があり、同日2,700人超が死亡
  

ボリビア 感染者:141,124 死亡者: 8,672 9月7日に1,656人死亡
  

アルゼンチン 感染者:1,116,609  死亡者: 29,730 10月1日に3,351人死亡
  

(12)アフリカ諸国の致命率(%)の推移

(12)-1 死亡数及び発症数の累積値による地域別・経済圏別の致命率の推移(%)第九回
      
注)これは第一回から続けているタイムラグ無しCFR調査の第九回目報告である。

・アフリカ諸国のこの間の平均CFRは、5月中旬に4.1%だったものが2.5%まで低下しているが、
 6月下旬からは横ばいの状態となっている。

・10月に入ってもCFRが高かったのはスーダンの6.1%とエジプトの5.8%である。

・10月に入り、多くの国が世界平均の2.6%を下回っているなか、ケニア、リビア、モーリタニア、
 など各国とも横ばいの状態で改善が見られない。

・平均(2.6%)を上回っているのはジンバブエ、アルジェリア、マリ、エジプト、スーダン、アンゴラ、
 南アフリカ、タンザニアなどである。

・中でもエジプトは6月以降右肩上がりにCFRが上昇している。 






(12)-2  3週間のタイムラグを考慮した致命率(CFR)の推移

・この間のこのグループの平均CFRは、タイムラグを考慮すると途中上下しながらも、5.1%
 から2.7%へと低下している。

・10月下旬の世界の平均値2.4%を超えているのはジンバブエ、アルジェリア、ケニア、エジ
 プト、チュニジア、アンゴラ、南アフリカ、南スーダンなどで、特にエジプトが前回に引き続き
 約9%と高い。

・10月下旬に入って増加に転じたのは、ジンバブエ、アルジェリア、マリ、ケニア、チュニジア、
 ソマリア、南アフリカ、南スーダンである。アルジェリアでは3月の第一波のピークの後も、連
 日10人前後の死亡が続いている。

・ソマリアは5月には1.4%だったが、9月には5.5%まで上昇したが、10月に入って減少に転じた。

・南スーダンは変動が大きく上弦しているが、10月に入り1.2%まで低下したものが再び4.2%に
 まで上昇している。

・データの確実性に疑問が残るが、人口密集地での感染拡大と共に、分散した集落での感染も
 致命率を上げる可能性があり、感染拡大を抑えていく必要がある。

・大陸内の移動が感染を広げている可能性もある。 グラフは二つに分けました。





 以下に、主な国の日ごとの感染者数と死亡者数の推移を示したグラフを掲載する。
 (出典はいずれもJHU, Covid-19 World Map)

 数値は2020年10月28日JHUデータ取得時 グラフは2020年11月1日8:24分時点
リビア、ケニア、アルジェリアの3カ国はほぼ同程度の感染者数、死者数となってい
るが、リビアは感染者数、死者数共に増加傾向にあり、

 引き続きCFRが上昇する可能性がある。特に、リビアとアルジェリアは国境を接し
ているため人の移動が感染を拡大する可能性がある。

リビア  感染者:57,975  死亡者: 812
  

ケニア  感染者:50,833 死亡者: 934
  

アルジェリア  感染者:56,706  死亡者:1,931
  


(13)中東諸国の致命率(%)の推移

(13)-1 死亡数及び発症数の累積値による地域別・経済圏別の致命率の推移(%)第九回
       注)これは第一回から続けているタイムラグ無しCFR調査の第九回目報告である。

・中東諸国の平均CFRは5月から10月28日の5ヶ月半の間、3.2%から3.7%へとわずかに上昇
 したが概ね横ばいである。その原因はイエメンのCFRが極めて高いこととともに、シリア、イラ
 ンなど政情不安の国々でのCFRが下がらないことによると思われる。

・レバノン、イスラエル、ヨルダン、クウェート、UAE、カタールなどは次第に低下し低く維持されて
 いる。

・トルコは2.8~2.6%の横ばいで推移している。




(13)-2  3週間のタイムラグを考慮した致命率(CFR)の推移

・タイムラグを考慮した場合には、中東地域全体の平均値は6.8%から3.8%へと
 ほぼ半減している。しかし、9月以降は微増傾向となっている。

・イエメンのCFRは6月には55%だったものが10月初めには11%まで低下したが、
 10月下旬には再び19.4%まで上昇した。
・シリア、イランともに10月下旬になって8%前後の高い値となっている。イラ
 ンは、死亡者数の推移でみると第三波に襲われている状況となっている。

・その他の国は低く維持されているが、ヨルダンについては、10月上旬に大きく
 上昇したが下旬にはやや低下した。

・政情不安地域を除く中東諸国はいずれも低く維持されているが、トルコ、サウ
 ジアラビア、オマーンなどで9月から10月にかけて上昇している。




 以下に、主な国の日ごとの感染者数と死亡者数の推移を示したグラフを掲載する。
 出典はいずれもJHU, Covid-19 World Map)
 数値は2020年10月28日JHUデータ取得時 グラフは2020年11月1日8:24分時点

イラン 感染者:581,824  死亡者: 33,299
  

イエメン 感染者:2,060  死亡者: 599
  

シリア  感染者:5,528 死亡者: 275
  



全体コメント


◆解説 COVID-19リスクの調査評価指標

 本調査の目的は世界各国。地域、経済グループ等を対象に、致命率(CFR:死亡者数/感染者数)を
明らかにすることである。

 本稿では、
致命率(CFR: Case Fatality Ratio)をCOVID-19感染がもたらすリスクの代表的な
指標として、総合評価を行うこととした。それは、単なる感染者数、死亡者数だけでなく、感染者がそ
の国、地域で死に至った背景、具体的には、今回のようなパンデミックに対応できる救急搬送体制か
ら病院数・病床数・医療設備・医師・看護士などの医療リソースの充足度、また、医療体制の有無、さ
らには国や自治体のリスク管理政策の妥当性など、如何に死者を減らせるか、医療崩壊に至らずに
済むかを反映した指標であると考えたからである。

 
なお、CFRが10%の場合、感染者100人の場合、10人が死亡者となる。CFRが5%の場合は、感
染者100人の場合、5人が死亡者となることになる。


 その結果、これまで分からなかったCOVID-19がもたらす「医療に関するカントリーリスク」についての
国際比較が可能となりつつある。

 以下は致命率とは何かの説明である。

 まず、類似の指標として死亡率があるが、致命率と死亡率との関係は以下の通りである。分母が罹患
数の場合が致命率、分母が人口の場合が死亡率である。ここでは、世界各国のCOVID-19に感染した
人を対象としているので、致命率となる。


 


<用語解説> 

 致命率 (CFR: case fatality rate) は、疫学において特定の疾病に罹患した母集団のうち、その感染が
死因となって死亡する割合。致命率は通常、%で表されリスクの測定値を表す。


 なお、致命率は英語では
Case Fatality Ratioであり、略称CFRである。致命率が、10%の場合、
感染者の10人に1人が死亡数、5%の場合、20人に1人の場合の死亡数となる。

 CFRはさまざまな目的に援用できるが、これが増えるのは、総じて死亡者が増加することの警報
である。


 CFR(致命率)は、各国の救急搬送(ネットワーク)、救急医療、病床数、院内リスク管理体制、医師・看
護数、既往症・持病者対応、高齢者対応など院内感染、医療崩壊に通ずる重要な観点の総合指標と言
える指標である。