朝日新聞 平成13年6月14日 山口版

■大気中のダイオキシン濃度 下関は大幅増加
  生協団体調べ

 
 クロマツの葉に含まれるダイオキシン濃度を調べているグリーンコープやまぐち生活協同組合(吉田文子理事長)は13日、00年度の調査の報告会を下関市で開いた。県内5地域のうち、4地域は低下したが、西部(下関市)は、99年度より大幅に増えた。

 調査は、大気中のダイオキシンを吸収しやすい松葉の性質を利用し、99年度から全国の生協組織が取り組んでいる。
 県内では、昨夏、5地域・84ヶ所で採取した松葉を地域別にまとめ、カナダの民間分析機関で測定した。

 分析結果はWHO方式で、岩国など東部が0.57(1.56)、徳山など周南が0.59(0.71)、山口など中部が0.59(0.74)、宇部など南部が0.73(1.57)、西部が5.59(3.84)<単位:ピコグラム=ピコは1兆分の1=で松葉1グラム中の量。
カッコ内は99年度調査>

 結果を解説した環境総合研究所(東京都)の池田こみち副所長は、「西部は、国の基準値を超えるダイオキシン濃度の排ガスを出し、改善命令などを受けた焼却施設が影響したのでは」と指摘した。