2002年6月14日 毎日新聞朝刊 生活いきいき家庭欄

◆大気中ダイオキシン測定「自治体も松葉調査を」
 原衆議院議員が提言 費用、従来の1/5程度


 ダイオキシン汚染は松葉でも測れる−松葉を使ったダイオキシン調査が従来の方法に比べて安上がりでできることがわかり、このほど作られた「大気中ダイオキシン類分析調査の費用対効果に係る報告書」(24頁)にまとめられた。

 ダイオキシンの大気中濃度は、環境省や都道府県が特定の測定地点を設けて年に数回実施し、その年間平均値を公表している。大気中のダイオキシンを化学的に直接測定するが、費用が高いのと、大気の状態によって数値の変動が大きいの
が問題になっていた。

 そこで、衆議院議員の原陽子さん(社民党)が、松葉に残留するダイオキシンを測る方法との比較調査を、環境総合研究所(東京都品川区)に依頼した。

 同報告によると、従来の大気調査の平均費用は1ヶ所約10万円〜14万円で、年に4回測定すると50万円近くになる。これに対し、松葉を使う方法だと、年1回、ある地域に生える10本前後の松葉を集めて測定するだけでよく、費用は年間10万円程度で済む。

 実際、松葉で測ったダイオキシン汚染濃度マップを神奈川県全域で作成したところ、その汚染度は、神奈川県が実施した大気調査結果とほぼ一致した。同報告書は「松葉調査は大気測定のような変動がなく、地域の汚染実態をより反映している。しかも費用が安い」と松葉調査の採用を自治体に提言している。

 同報告書を希望する人は200円切手を同封して〒100-8981 東京都千代田区永田町2−2−1、衆議院第一議員会館304、原さん(電話03-3508-7304)へ。
【小島正美】