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世田谷清掃工場説明会における

質疑応答概要

池田こみち
環境総合研究所顧問
環境行政改革フォーラム副代表

掲載月日:2015年12月17日
 独立系メディア E−wave Tokyo  無断転載禁



世田谷工場説明会における質疑応答概要
日時:2015年12月11日(金)午後2時〜4時20分
場所:世田谷清掃工場 3F会議室

【一組側の出席者】

 会議室の左前面に机を並べ、以下の6名が陣取り説明と質疑応答への対応を行った。
 
 (以下 東京23区清掃一部事務組合職員、敬称略)

 ・司会:田中(世田谷清掃工場 技術係長)
 ・大塚(清掃一組 施設管理部 技術部長)・・・質疑への対応
 ・塚越(同     技術課長)・・・質疑への対応
 ・加藤(同     施設課長)・・・質疑への対応
 ・南 (同      延命化担当課長)・・・質疑への対応   
 ・細江(同 工場長)          ・・・開会の挨拶と質疑への対応
 ・石原(世田谷清掃工場 副工場長)  ・・・パワーポイントを使っての説明


 なお、Qは質問、Aは回答、一組は東京23区清掃一部事務組合を意味します。


<前半:説明終了後>

Q池田:
 測定は年2回の頻度とのことだが、測定していない期間に高濃度となっている可能性も否定できない。職員の健康影響についてチェックを行っているのか。

A一組:
 健康チェックですが、ダイオキシンの血中濃度は今年2月初めに実施している。その結果特に影響はないとの結果がでている。(グラフを表示)国が平成14年度〜22年度まで一般の人のダイオキシン類濃度を測ったデータです。横軸が年齢(10歳〜80歳)、縦軸が血中脂肪1gあたりのダイオキシンの濃度(ピコグラム)で表している。黒い点が非常に多いが、国が測定した2264名の結果が黒い点で示されている。右に行くほど高くなっているのは、年齢で蓄積されていくことを示している。一方赤い点は、黒い点より遥かに下のほうに分布している。これが今回の職員56名の分析結果をプロットしたものである。これを見ると、確かに一般の方々より低いことがわかる。検査を実施したのはイデアという会社で、報告書を見ると、今回の事故によるダイオキシンの影響はないという結論であった。

Q池田:
周辺大気について問題ないとのことだが、高濃度だったことが判明した時期より1ヶ月以上後にサンプリングして1度測定しただけで安全であると断言する科学的根拠はない。また、大気中の濃度は気象条件によって大きく異なるので、(問題発覚後停止している時期のもの)年に1回程度の測定結果を低いとして出されても安全とは言い切れないので、断定的に問題ないというような発言はしない方が良い。

Q質問(男性):
 清掃作業担当の方には大変ご苦労だと思います。近隣に住んでいるが、この工場を建てるときの説明(平成20年)では、「ガス化溶融炉というのは、近隣の皆さんには一切ご迷惑ご心配はおかけない機械です」、と約束したはず。それから6年で、ダイオキシンの漏洩があって工場が停止しているという。この漏洩という状況は誰がどう発見したのか。それが外部に影響していないのかについてちゃんと追求されているのか。近隣の小学校で大気中のダイオキシンを測定しているが、もっと近くに小学校や中学校があるのに何故そこで測定しないのか。今後の補修工事は万全なのか、改めて問いかけたい。6年前に地域住民に絶対ご心配掛けないといったのに、こういう故障でごみが処理できない事態が生じている。こういう事態は想定されていたのかどうか、二度と起きないと言えるのか。

A工場長:
 室内のダイオキシンの測定だが、年二回の測定は第三者機関にお願いしている。サンプリングを行って持ち帰り、分析をするのに一ヶ月くらいかかるので、一ヶ月後の報告で我々が知ることになる。それに対して、現在、対策工事を行い試験焼却を行い確認しているが、それについては、メーカー(川重)が測定しその結果について、我々が報告を受けるということになっている。現在では、分析期間も一週間から10日で大幅に短縮してもらっている。また、年二回の測定頻度だったが、今後はその回数も増やす方向で検討しており、それについても第三者機関に依頼して測定することとなる。

A一組(塚越):
 周辺大気測定について、近くを測定しない理由についてだが、工場からの直線距離で1400〜2000mとなっている。世田谷工場の排ガス中のダイオキシンが周辺にどのように影響を及ぼすかを見ているのだが、煙突が100mの場合、当然気象条件によってかわってくるが、ダイオキシン類の最大着地点は煙突から、平均的には1500〜2000mの地点となることが大気拡散シミュレーションされているので、風向きや季節によって変わるので東西南北4箇所で測定している。建設時のアセスメントの測定地点を引き継いで測定を行っている。稼動後も同じ地点で測定し、データを蓄積し影響がないことを確認している。

A一組(延命化担当課長):
 今回の対策で二重化し囲い込みを行い、相当改善されたと考えている。全国の同じガス化溶融炉を導入しているところにも調査しており、みなさん同じような問題を抱えているようだが、対策を行って克服しているとのことで、私どもも今後もそういった知見も入れてさらなる改善を行っていけば問題ないと考えている。

Q質問(男性):
 今の説明でも矛盾がある。まず、測定結果は、川重が測定した結果を発表しているということだが、第三者性があるのか。測定地点の距離の問題だが、まずは直下に落ちる可能性もあるので直近でも測定すべきではないか。「万全です」というが、機械は劣化していき思いがけないことが起こるので、住民に対する報告を逐次きちんとすべきではないか。機械を停止してから説明するのはまずいのではないか。

A一組:
 誤解があると思う。川重が測定をしているが、それも川重が発注し第三者機関(分析機関)に依頼しているので川重が自ら測定している訳ではない。発注元が一組か川重かという違いである。周辺環境については、清掃工場を含めると5点で測定している。直下と言うことであれば、工場の屋上での測定が該当すると考えている。

Q質問(女性):
 世田谷工場の建設時には、ガス化溶融炉はダイオキシンを出さないということがうたい文句だったにも拘わらず、それがダイオキシンを発生させてしまっていると言うことがまず非常に疑問です。その原因といのは、いろいろなものを燃やしたからなのか、どう考えているのか。直したのにまた起こるということが起きているが。稼動していない日の方が多いようだ。また費用がどのくらいかかっているのか。停止している間、よその工場に運んだのはどれくらいなのか。その費用は世田谷区が負担しているのか。

 横浜では45%くらいごみを減らし清掃工場もふたつくらい閉鎖している。そういう対策はどう考えるか。対策検討委員会の目的は、また、メンバーの名前を教えて欲しい。疑問のことが多い。将来的な見通しも含めて、危ないもの入れて世田谷区民に迷惑を掛けている。

A一組:
 完成していない機械を入れたのではないか、ということで千歳工場と比較されましたが、千歳工場はストーカー炉で、歴史も古く昭和40年頃から普及していた。一方ガス化溶融炉は平成12年(2000年)頃から普及してきた技術であり、どうしてもストーカー炉に比べると安定性に欠けるという点はある。

 対策委員会のメンバーについては、清掃一組と世田谷区の部長級で構成される9名である。

 今までの工事費用だが、作業環境対策については、23年にも一度あり、そのときも含めて、対策工事費については現在まで川重の負担で行っている。ただ、清掃工場では、それ以外の定期補修工事などもあるので、定期的に設備の点検補修をしていかなければならず、それについては平成26年度までで19億円ほどかかっている。
 これは世田谷工場だけではなく、すべての工場が年一回定期補修をしているので規模によってだが、1回あたり2〜5億円の定期補修工事費がかかっている。

A一組:
 搬入のことについてだが、通常、世田谷区のごみは千歳工場、目黒工場に搬入しているが、今回世田谷工場が停止したことにより、港工場、などにも搬出先が変更となっている。

Q質問(女性):
 工場が停まっていなければそういう費用はかからないわけで、それをどう考えるのか。

A一組:
 大変申し訳なく思っています。いつの時点でどこの工場にどのくらいの量を搬入しているか細かいデータはもっていないが、当初の計画より搬入先の工場が増えている。対策工事期間中は千歳、目黒、多摩川、港の各工場に出している。その分、費用が若干かかっている。

Q意見(女性):
 私たちはずっとこの問題をやってきたが、この問題がおきたことは、23区の三層構造を解決する上で、いいチャンスだと思っている。東京都の清掃事業の大きな欠陥がこの世田谷区の4億円という問題に出てきている。清掃一部事務組合に23区がみんなで処理をお願いしてやってもらっている。そこが世田谷区に責任を負わせるというのは、基本的に三層構造が間違っているということを示す良いチャンスである。歴史があって難しいことだが、私は対策検討委員会設置後すぐに情報開示を求めたが、開示されたものは真っ黒だった。何故黒塗りなのかというと、まだこれからなので分かっていない部分があるとか、なんとか言われたが、これから対策をやっていくわけだが、これは一組と世田谷区だけの問題ではない。23区民にとって大事なことなんです。その点をしっかりやってほしい。委員会は傍聴も可能とし、情報開示もしっかりやってほしい。この問題は世田谷区におっかぶせる問題ではない。ガス化溶融炉を一組がつくった。一組の責任者が誰かと言えば管理者の責任です、23区じゃないんです。誰がこの責任をとるかというのは構造的な問題のひとつが現れている。ここでみんなでしっかり考えましょう。是非、透明性をもった開示をした検討委員会の結果、「やっぱりガス化溶融炉は間違っていた、やめよう」ということを区長さんたちがみんなで議論し結論を出して一組に言っていくことが重要。それくらいの決意がないとこの問題は解決しないと思います。

A一組:
 ただ今のご発言はご意見と言うことで。

Q質問(女性):
 この工場が稼働していなかったためによその区に運ぶということで、その費用は世田谷区が負担するということだが、そういう約束になっているのですか。最初から。収集運搬は世田谷区の責任だから? 先ほどのほとんど稼動していないグラフを見て、どのように感じますか。平気だったのですか。区民に知らせようという思いはなかったのですか。

A一組(施設課長):
 現状については仰るとおり、収集運搬については世田谷区の負担というのが現在のルールとなっています。その中で、分担金について、負担の公正(公平)という考え方があり、各区の排出するごみ量によって一組が頂くお金(負担金)が決まっているのですが、その区の清掃工場でごみを燃やすというのがその区の方の負担になるので、多くごみを焼却した区については他の区からお金をもらえるという仕組みがある。このシステムの中に、現在、清掃工場の寿命が25年〜30年ということになっているので、その期間中は一定の配慮をしましょうというルールになっている。ただ、今回のように故障によって計画外で工場が停まってしまって負担が発生した場合については、そうした配慮がシステム上ないので、世田谷区さんから厳しくおしかりを受けているところである。

A一組(工場長):
 26年度はかなり長期にわたってごみを燃やせないという状況が続いており、これについて区民の方に報告しないのかということでしたが、年に二回運営協議会というものが開催されており、運営協議会の委員さんには稼働状況をお知らせしている。その後、ホームページ(世田谷清掃工場の運営協議会のところ)にその資料を掲載しているので、そこにご説明した内容を公表している。隠しているわけではないが、このような説明会については今回初めてということでちょっと遅かったかなと思っている。情報の出し方については積極的でなければいけないと痛感している。

Q質問(女性):
 9頁をみると、開設以来の測定結果を見ると、稼動翌年からこういう事態が起きていることにびっくりした。このとき23年度の破損箇所と今回は違う箇所なのか同じ箇所なのかについて確認したい。10〜11頁に、砂については・・・聴取不能・・砂分級装置室とあるが、これは何をする施設なのかについてよく分からないが、説明して欲しい。

 説明を聞いていると、図からもガス化溶融炉はストーカー炉に比べて接続部分が多く、このような状態を招きやすいと思うが、根本的に問題があるのではないか。21頁に囲い込みをするので効果が上がっているとのことだが、囲い込みをするということは、そこにダイオキシンがあるということで、それ事態不安を感じるのだが。

A一組:
 23年度の第三管理区域の原因は、今回の原因とは別の場所になる。そこを補修して、今回はその場所ではなかった。今回試験を行った結果、前回の所は問題なかった。

 砂分級装置室についてだが、砂と一緒に針金などの燃えないごみが抜き出せないので、砂と燃えないごみを分ける装置を指している。砂は循環させて利用させている。

 囲い込みの写真についてだが、この中から漏れないように対策をしているが、万一漏れたときに出ないように囲って、中の空気を吸い出して炉に戻し燃焼させている。従って、その中(囲い込んだ中)にダイオキシンが充満するということではない。

Q質問(女性):
 なぜ不安を持っているかというと、この長い期間、ぜんぜん情報が出ない。地域には人が住んでいます。そういう方々に何回も何年も言っていますがまったく情報が伝えられないというのはどう考えるのか。腹立たしい思いがする。

 運営協議会は、設置するときには開催日等についてお知らせがあって、当初は傍聴できたが、今は、開催日のお知らせもない、資料もインターネットで出ているものと出てないものがあり、一番みたいものが公表されていない。運営協議会をもっと開かれたものにしてほしい。まったく改善されていません。

 世田谷区に確認したら、収集運搬費が一週間で900万円くらいかかるということでしたので、こういう事態のときには、区民が分別してごみを減らすという協力が必要なのに、まったく区民が知らされていない状況となっていること自体問題である。区役所の問題もあるかもしれないが、一組も安全な工場をつくると言っていたので、速やかに情報を出すべきではないか。

 今後の大気の測定だが、工場の屋上での測定は何のためにするのか、一番必要な時に測定が出来るような体制をつくってほしい。

A一組(工場長):
 運営協議会の傍聴をされたとのことですが、今は確かに次回の協議会の開催案内を出していない。運営協議会はいろいろな区にあるので、その点を今検討を続けている。毎年、2月と7月に開いているので一ヶ月前にお問い合わせ頂ければお知らせできる。ホームページに掲載するかどうかは今検討している所です。

 運営協議会の委員になっていただいているのは、区民の方々なので・・・・現在、別のある工場の委員の意見を今聴いている(公表しても良いかどうかについて)。公表して欲しくないという意見もある。その理由は、地元の委員だけできちんと回せなくなる。外から来ていろいろ言われると意見が言えないということもある。


<後半:施設見学後>

Q池田:
 委員会を9名でとのことだが、一組と区の部長クラスでは内輪であり第三者性がない。外部の委員を含める考えはないのか。今回、2億円の補正予算を組むなど区議会での議論、判断が必要となるような事態となっているが、各区や一組議会に対してどのような説明をしているのか。マレーシアからの視察がきているが海外に何を見せるのか。

A一組:
 今回の検討委員会については、検討内容が専門的技術的内容が多い、また早急に纏める必要があるということから内部としている。今後、必要があれば外部委員を入れることも検討していきたい。

 議会について、一組の議会は各区の議長から構成されている。世田谷区の議長も入っている、また、影響を受けている近隣の区の議会の議長さんもメンバーであるので説明を行った際には、もっとしっかりやるようにと厳しいお言葉を頂いている。

 国際協力については、世田谷工場の視察で、一組が運営しているプラントをそのまま海外にもっていくという考えではない。23区で行っている収集運搬についてと、また、丁寧な収集の仕方、合意形成、住民説明会を行うなど、ソフト面をこう言う形で行っているということを説明している。海外でも住民との対立があると聞いているので。ソフト面を重点的に協力していこうという趣旨であり、ハード面については我々の仕事ではないと考えている。

Q池田:合意形成や情報提供について今、区民のみなさんからお怒りや不十分だという指摘があったが、そのような一組が海外にそうしたことを説明する資格があるのか。

A一組:
 ご指摘の点については、真摯に受け止め反省していかなければならない。

Q池田:
 23区のごみは減ってきているのにこのような危険な炉を今後も弥縫策をやりながら続けていくのか、なくてもやっていくようにするのが行政の政策だと思うが。

一組:23区と一組の役割分担を何度も説明している通り、我々としては、区にごみをこれだけ持ってきて下さいということは一切お願いしていない。当然、ごみの発生抑制については、区の責任に於いてやっていくことですので、ごみ量が減ってくれば、当然焼却炉の数や規模を減らしていくこともあり得るが、今の現状においては、一組の21工場を動かしていくことが、安定的にごみの処理ができる施設規模と考えている。

Q質問(女性):
 なるべく分かりやすいお答えをして頂きたい。先ほどの説明で、現状では、25年から30年の寿命があるけれど、その間に事故がおきたときの対応について、配慮がないとか、システム上対応策がないとのことだが、いろいろなことが起こる訳なので、こうした事態にどう対応するのかについて早急に考えて頂きたい。システムがないで済まされる問題ではない。完全に一組の手落ちだと思う。

 運営協議会のことは誰が入っているではなく、ある程度一生懸命やる人、分かる人、勉強しようとか、意見を持った人が入ってやらなければ意味が無い。さっき議会の議長が一組の議会に入っているというが、傍聴したこともあるが「しゃんしゃん議会」。議長は何も知らないのに議長だからということで入っていても意味が無い。もっとみんなと一緒に考えていける状況をつくっていけるかどうかが重要。そうでなければ運営協議会は意味が無い。このガス化溶融炉は今止めた方が安上がりでいろいろな面で助かるのではないかと思うが。

A一組:
 先ほど分担金の話をしたが、この施設については、実際に収集運搬費を負担するのは世田谷区さんです。ただ、ルール作りについては一組が主導してのルール作りは難しい。23区のご判断となるので、その点をご配慮頂きたい。

 現在、区の中で世田谷区が中心になって検討の場をつくり、23区の検討ということで進めて頂いていると聞いている。

Q質問(女性):
 議題としてこう言う問題が起きたと言うことをださなければいけないでしょ。

A一組:各議会については、一組として説明をしてきている。世田谷区に対しても、研究会というような場で説明をさせて頂いている。

Q質問(男性):今後をどうするか、ということだが、欠陥が生じた原因を今後の取り組みの課題としてのせなければいけない。欠陥が出たシステムを組み立てたのが川重なのか、この事故を起こしたメーカーはどのように対処しているのか。一組が発注元だから責任を負うのは当然だが、メーカーの責任はどうなっているのか。追求はしたのか。今後、有効活用するには、今回のように数日間停まった事例は他にもあると思うが、すぐに公表し対処すべきではないのか。

A一組:
 メーカーの責任については、昨年来の費用はすべてメーカーが負担しているが、竣工は20年だが、建設時の契約というのは設計時の瑕疵については、期限を定めずに保証するとなっているので、川重ともこれまでも協議しながら、提案した対応策を川重側が対応しそれなりの責任は果たしている。これからについても、川重と協力をしながら進めていくと言うことである。

Q質問(女性):
 20工場すべて動かしていきたいとのことだが、世田谷工場も含まれると思うが、これも動かしていくのか。一組の責任が見えてこないなかで、今後も20工場を動かしていくというのは不安でならない。誰が責任をとっているのか。

 23人の議長が苦情を言っているとのことだが、謝って済むことではないのでは。今何をしなければならないのかが分からない。そこを詳しく説明して欲しい。

A一組(部長):
 20工場を動かすというのは現在のごみ量から判断しているのであり、世田谷工場が止まっているから20工場は要らないのではないかということだが、やはり23区においては、この20工場があってごみが効率よく処理できていると考えているので、そのためには世田谷工場は必要な工場と考えている。町の中にごみが溢れたということは一度も無い。今回も近隣の工場等へと運び、収集経費にかなり無理をお願いして処理をしている状態なので、今の収集形態を壊さずに安定的に処理していくためには今のごみ量であれば20工場がどうしても必要と考えている。

 責任についてだが、このガス化溶融炉を選択したのは、当然、メーカーの責任と考えている。それと、これを導入したのは行政側の責任である。我々はこれを導入したという責任はあるというなかで、今後、ガス化溶融炉を如何に皆さんに安心して頂いて稼動できるかを現在検討会で検討している所である。検討会の中でガス化炉は仮定の話だが、どうしてもダメという可能性もあるかもしれないと考えており、この検討会では、どうしても今後もこのガス化炉でやっていくという結論ありきの検討会ではないということだけはご理解頂きたい。

A一組:
 議会関係について、決して謝って済むことではないので、対策、今後の取り組みについても説明し、議会からしっかりやるようにとご指導頂いているところである。

Q質問(女性):
 安定的な清掃工場の操業ということだが、私は、工場でごみを燃やすという時代ではないと考えているが、安定的な操業というのであれば、水銀が混入したりすることもあるので、より徹底した分別などの対策を一組でも検討すべきではないか。区長会にも訴えていくことが大切なのではないか。そういう方向性を考えて頂けないのか。23区でごみの分別もばらばらになっているので別の区に運んだ場合、そこでも困ると思う。燃やさなくなった空いたスペースを資源化のためのバックヤードとして活用する方向も考えて欲しい。今後について、運営協議会に固執するとなかなか話が進まないので、ごみを減量する会とかもっと幅広く区民が意見を言える場をつくって欲しい。

A一組:
 分別の徹底については、水銀混入ごみで各区に別に収集して頂きたいということを清掃リサイクル課長会の分科会で意見を出している。これにより以前より23区の中で水銀を含む製品(蛍光灯、血圧計、体温計)の別回収が進んでいると考えている。

A一組:
 世田谷区の工場に関連し、「世田谷工場の今後を考える会」といったような別の会(場)の設置は現時点で考えていない。先ほど検討委員会の報告を夏頃までに纏めると申し上げたが、今後、中間的な報告書がまとまり次第、ホームページ等で報告していきたい。

C意見(男性):
 今日の議事録は出して頂ければ有り難い。

A一組:じゃ、検討してもらって、・・・・3回ありますので、・・・それじゃ、議事録をまとめまして公表しますが、時期は未定です。

以上 終了は午後4:20


文責 池田こみち
注)一部録音が不鮮明なところがありましたので一字一句の書き起こしではありません。


●同日夜の部(18:00〜)における質疑応答について、参加した方のメモを頂き、内容を整理しました。録音ではないため、メモに基づく概要となります。


<前半:資料説明の後>

Q質問(女性区民):
 16頁(焼却炉のしくみ(2))、24頁(早急に進める取組)、25頁(今後の取組)の関係について説明を。

A一組(南):
 炉の停止は、労働者保護の視点から停止を行っている。ダイオキシン類の測定は通常は1ヶ月程度、特急で依頼すると7日から10日程度でできる。ダイオキシン類とVOCの相関関係は不明だが、VOC測定器で室内の環境測定を行っている。粉じん濃度も参考として維持管理の目安にしている。

Q質問(男性):
 今回の原因は?、それに対しての川重の見解は?、炉室の管理は?、換気システムとフィルターの分析は行っているのか?
一組(塚越):停止中のごみピットの空気は悪臭等を除去しているが、炉室内の空気は特に対策は無い。

Q質問(女性区民):
 事故の件数は?、対策コストは?、検討会のメンバーを教えて頂きたい。

A一組(南):
 ダイオキシン類漏えいは23年と26年の2回第三管理区域となっている。今回の対策コストの負担は川重だが、この間の通常の維持管理(中間点検とOH:オーバーホール)では19億円程度かかっている。検討委員会のメンバーは清掃一組と区の部長級職員としている。

Q質問(女性区民):
 ダイオキシン類の発生原因は?、ごみの分別の影響やその組成にも影響があるのではないか。

A一組(塚越):
 火格子型(ストーカー炉)は比較的少ないが、流動炉や溶融炉は構造的に多い。ダイオキシン類の生成は組成に余り影響を受けない。(断言した)

A一組(南):
 ガス化溶融炉は、比較的ダイオキシン類が発生しやすいタイプの炉と認識している。同類の事故等も全国の事例を把握し対策を検討している。パッキンシートやボルトの経年劣化が原因とも考えているが調査中である。

Q質問(男性):
 大田第2工場の漏えいの原因は?、世田谷区議会で「松葉」を対象にした調査が話題になったが。

A一組(塚越):大田第2は専ら酸化現象で腐食が進行したことが原因と考えている。区議会で遡上したことは知っているが、松葉による調査は、国の定めた方法とは異なり見解は控える。

 大田第2の誘引ファン(IDF)はろ過式集じん器のところに設置のため途中までは負圧(IDFの入口)だがIDFの出口以後は加圧なので漏えいする可能性が大きい。  

 大田第2は廃プラ焼却のため比較的ダイオキシン類濃度は高い。世田谷工場の1回目は漏えいだが、2回目は1回目の漏えい分の残渣が拡散した可能性が高いと考えている。

A一組:
 ダストの詰まりによる漏えいでなく、押し込み空気のラインの詰まりで漏えいが起きたと認識している。

Q質問(女性区民);
 13頁の大気の測定だが、結果だけで風向きなどの測定条件が不明である。また、14頁の表の公開の真意は?

一組(塚越):測定会社からは気象条件なども頂いているが、ダイオキシン類の測定結果のみを表示した。バグフィルターは本来は産廃扱いだが、自工場で焼却処分している。

A一組:
 スラグは、安全性を確認し使っている。他に処分場の路盤材にも使っている。

A一組:
 パッキンシートやボルトの経年劣化が原因とも考えているが調査中である。

Q質問(女性区民):
 検討委員会の傍聴を出来ないのか

A一組:
 現在、立ち上げ中のため色々な意見もあり、傍聴を認めると、誤解も生まれるので傍聴は不可だが将来的には検討したい。また、中間報告も考えているが、廃炉は全体の議論でも無い。検討材料の一つに処理処分のあり方の原点も検討素材になる可能もあるが。


<後半:施設見学後>

Q質問:(男性区民):
 二重化まで必要なのか

一組:万が一の漏えい対策である。

※説明会を通じて疑問及び確認すべき事項

@ダイオキシン類とVOCの相関関係について、どこまで科学的に立証されているのか。

Aダイオキシン類の生成は組成に余り影響を受けないとのことだが、大田第2の説明と矛盾する及び組成の違いによるダイオキシンの生成発生の違いについて実証はあるのか。

Bバグフィルターは本来は産廃扱いだが、自工場で焼却処分しているとのことだが、その法的根拠や環境省通知などと整合するのか。問題は無いのか。

Cスラグの安全性を確認して利用というが、重金属溶出テストを日々行い、多くは鉛を検出していると聞いている。そのため、多くは処分場の路盤材に使用しているのではないのか。

D砂分級装置室のダストの詰まりでの漏洩ではなく、押し込み空気のラインの詰まりで漏えいが起きたとのことだが、初期の説明と異なるのではないか。

Eパッキンシートやボルトの経年劣化が原因とも考えているが調査中とのことだが、パッキン類は消耗品のため6ヶ月から1年程度交換が常識なので、日常点検や中間点検やオーバーホールでの対応に問題があったのではないか。つまり、清掃一組側のミスでは。

F太田第二工場について、1回目は漏えいだが、2回目は1回目の漏えい分の残渣が拡散した可能性が高いとのことだが、炉内の清掃は行っているのか。

Gガス化溶融炉は、比較的ダイオキシン類が発生しやしいタイプの炉と認識しているとのことだが、ならば、何故採用したのか。